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カスタマーサクセスを進化させる「共創」ー顧客共創と組織共創でつくる One Revenue Team

RightTouchでCS(カスタマーサクセス)領域を担当している増田です。
RightTouchでは通常のCS業務を顧客の成長を考え、推進する部門として捉え、カスタマーグロースパートナー(CGP)の名称に変更しています。
そのため、一般的なCSMの業務に加えて既存セールス、アカウントマネジメントも担っています。

この数ヶ月、様々な企業のカスタマーサクセスの方々とお話をさせていただく機会がありました。その中で、CSにおけるExpansionへの関心が非常に高まっていることを感じています。

私はRightTouchに入ってもうすぐ3年経ちますが、Day1からエンタープライズに向き合ってきたため、事業戦略としてNRR(売上維持率)が非常に重要な指標であり、カスタマーサクセスマネージャー(CSM)によるExpansionは必須なもの、という前提で過ごしてきました。

先日「カスタマーサクセスにExpansionは可能なのか?」というテーマでイベントを開催し、山田ひさのりさんが記事にまとめてくださったので、詳細はこちらをご確認いただければと思いますが、直近の会話の中で多くの企業におけるCSMはExpansionに取り組むハードルを感じやすいのだ、と改めて気づきました。

ただ、1つ気になっているのは、「Expansionは顧客への価値提供と、共創関係の中で生まれるものである」ということを忘れ、”売りを作ること”に目がいってしまう問題です。

そうした目線では、正直提案もしんどいです。なかなか上手くいかず、成果も出にくいので、成功イメージがわかずにできる気がしなくなっていく、というのは明らかだと思います。

今回は、私たちがどう考え、動き、Expansionを作っているのかを「共創」「One Revenue Team」というキーワードで、記事を書いてみたいと思います。


「共創」は顧客共創と社内共創

「共創」は、RightTouchではよく取り上げられるキーワードです。
本noteでは、顧客との共創関係の構築だけでなく、発揮する価値の最大化という観点で、組織共創の構築も含めて書いていきたいと思います。

多くのSaaS企業が既存顧客のExpansionにおいてもTHE MODEL型のセールス・支援組織構築をしていたところから、最近では「カスタマーセールス」として既存セールスチームをCSMとは別に立て、Expansionを担うチーム構築をする企業も増えてきたなと感じます。

私は、この動きを見て、THE MODELが終わるとは全く思っておらず、「ターゲット顧客」や「事業戦略」や「外部環境変数」などによって、企業ごとのあるべきビシネスの組織構成が決まると考えています。

つまり、そうした経営上の合理性の観点で、どういうビジネス組織体制を作るか?でしかないと思っていますし、昨今の既存顧客向けセールス組織のトレンドに対して現状が乖離していても無理に合わせる必要はないと考えています。

その点でRightTouchは、以下のような条件になっているため、ビジネス組織においてはTHE MODEL型よりもNo Division型の組織=「One Revenue Team」との相性が良いと考えています。

<RightTouchの状況>
・ターゲット顧客:エンタープライズ中心
・事業戦略:コンパウンド
・外部環境変数
 ・SIer / BPO / システムベンダーなどが多い
  →新しい価値提案/連続的なPMFが必要
 ・AIによる体験とオペレーションの再設計が必要
  →外部環境の変化度合いが高い

弊社のSpeaker Deck資料より抜粋

だからこそ、Sales・CSM・AM・AEが一体となった「共創型のOne Revenue Team」で同じ目的/目標に向かって取り組んでいます。

そして、そのチームが顧客と共に「未来を構想し、事業を育てる」存在になり、顧客との信頼関係を構築して初めて顧客共創が実現できると思います。


顧客との「共創」の実現STEP

RightTouchのCustomer Growth Partner(CGP)チームが担っているのは、「顧客とともに事業を構想し、成果とあるべき未来を共に創る」という役割です。

特に、私たちが取り組む「コンパウンド型事業」では、1つのプロダクト導入を終えた先に、顧客と共に次の新しい取り組みを設計するサイクルがあります。

ここで重要になるのが、リファレンスカスタマーの存在です。

リファレンスカスタマーとは現実の顧客であり、製造された製品を使い、
その製品にお金を支払い、どれだけ製品を愛しているかを進んで話をしてくれる顧客

弊社代表 長崎のnoteの一部から抜粋:https://note.com/taito661/n/naad5dfef4d02

単なる導入事例ではなく、「共にあるべき未来をつくるパートナー」としての関係性が実現できている顧客です。

RightTouchでは事実、顧客共創によるリファレンスカスタマーの存在が事業開発の起点になっています。

CGPチームは、その顧客共創のハブだと考えています。
顧客の声をプロダクトや戦略にフィードバックするだけでなく、顧客の課題や重点テーマを深掘りし、課題を提起し、どう実現させるか?を共に考え抜いて進めていく役割です。

ですので、マーケットインの役割を担うチームでもあり、プロダクトアウトの役割を担うチームでもあります。その実現を、Sales、AMだけでなくDevチームやAccelerator(管理部門・コーポレート)チームとも協力して進めていきます。

その実現を進めていく上でのSTEPは、以下だと考えています。

①導入プロダクトにおける成果実現に向けて顧客以上に考え抜く

導入前に顧客と掲げていた定量目標/定性目標の実現はもちろん重要ですが、その実現に向けて共に考え抜き、時には指標を見直して、あるべきプロジェクト状態を構築することも非常に重要です。

導入前に目指していた実現目標が、実は外部要因や事前設計の兼ね合いで難しい、ということもしばしばおきます。

また、KPI達成は多くのSaaSの場合、契約期間中の後半に積み上げで見えてくるものであるため、実現は当たり前に追いつつも、そこに向かう姿勢が非常に大切です。

②創出成果の目線合わせ

担当のCSMや顧客の担当者から見ると「成果が出ている!」と感じていても、実際にその企業の意思決定者/キーマンなどはプロジェクトに常時関わっていないことも多く、その方にとっては本当に価値が出ているのか?と分からない/伝わりにくいケースもあります。

だからこそ、定期的に意思決定者/キーマンをプロジェクトに巻き込むか、報告時に顧客の担当者と共に分かりやすく成果を伝えることが重要です。

ここが作りきれていない場合は、キックオフや営業時の導入後の進め方を改善する必要があるかと思います。

③足元の話だけでなく、未来の話や斜めの話を定期的にする

定例の中で、私たちとの取り組みの成果創出だけではなく、顧客の担当者やその部署が持っているKPIの全体、その先の部門KPI、全社KPIに当たるようなものが何か?そこはどのような取り組みをしているのか?というのを確認したり聞いてみることも重要です。

例えば弊社の場合、1stプロダクトであるQANT Webでは呼量削減(=エンドユーザーの自己解決の創出)がプロダクトのKPIになりやすいのですが、コールセンターにおけるKPIとしては他にも色々な指標が見られています。

  • 応答率(入電した中で何件応対ができたか)

  • AHT(平均の通話および通話処理時間)

  • CPH(1時間あたりの応対件数)

  • ノンボイスチャネル利用率

  • エンドユーザーの応対満足度

  • 申し込みや購入などのCV/CVR

今の取り組みでどこまで一緒に解決できるのか、あるいは一部は別のソリューション(自社か他社かは問わず)が必要なのか?というのを日頃から話しておくことで、拡大をしていく時に「あの時話してたあれが、、、」と線でつながっていきます。

導入プロダクトの支援で、私たちとの取り組み成果のみなどの閉じた目線でプロジェクトを進めてしまうと、この問いかけや確認が発生せず、急にSalesやAMが入ってきて提案された、CSMが急に提案してきた、という形になるのでお勧めしません。

これが難しい場合は、明確に新規/既存に関わらず、提案ごとにSalesにトスアップしてアプローチしていくべきだと思います。
あくまで、顧客のパートナーとしてあるべき未来を創るために取り組んでいる第1歩、という目線でサクセス活動を進めていくことが大事だと思います。


社内での「共創」の実現STEP

顧客共創を実現する上で、「組織全体で顧客と向き合う」ことが必然的に必要になる場面があります。

1人のセールスやCSMで完結する領域は限られていて、プロジェクト全体を動かすには複数の専門性を要することもしばしばあると思います。

RightTouchは、SalesやCSMが「役割」を超えて共通のゴールを追っている状態になっているので、あなたのKPIはこれだから、あなたの役割はここだけ、という話は基本社内で聞いたことがないです。

Salesは契約獲得がゴールではなく、顧客の事業成果最大化が最終目的であり、Revenueはそのプロセスの結果として積み上がるものです。

ここは、正直、弊社のSalesチームが本当に商談段階から何度も顧客と議論を重ね、時にCGPチームも商談中から入り、議論し、Productチームも巻き込んで話をしたりするので、プロジェクトスタート時点で「どの方向に進んでいくか」が描けていることはとても感謝しています。(CSMにとってこれ以上ないくらいプロジェクトキックしやすいはず)

私は以前、noteで、「構想力=顧客と共に未来を描く力」「共創力=それを実現していく力」と書きましたが、これが組織の中でももちろん必要です。

この社内共創力を高めていく上でのSTEPは、以下だと考えています。

①各々の取り組みを役割として捉えること

Salesだから新規商談まで、CSMだから継続、ではなく、認識を変えて「顧客も含めた共通のゴールに向けてどのような役割を持っているのか?」という意識をSalesとCMSの双方で持つことが大事だと考えています。

例えば、
Salesは「顧客に潜在的な課題を気づかせ、取り組み開始まで伴走する支援者」。
CSMは「検討や取組開始から実現まで、共に議論するパートナー」。
と考えると、既存のExpansionもIssueによって役割を持つ人がやればいい、というだけになります。

もちろん、評価や本人のWill/Canなども関わるので一概には言い切れませんが、フェーズとして私はここまで、という意識ではなく創出価値からバックキャストして何をするか?で考えるのが良いです。

②双方の役割を一部でもいいので体験する

前職でSalesをしていてCSMをやっている、また逆も然りで、そうした方々はそれぞれの役割の楽しさと辛さを理解しているので、歩み寄りやすいなと感じます。

私もCGPチームが主な役割ですが新規商談をしたりしますし、SalesメンバーがCSMとして既存顧客の担当をしていたりします(No Divisionの組織なので)。

そうすると、各々に対してケアすべきことが肌感覚で掴めるため、協力してコトに向かって取り組みやすい体制が作れます。
並行してSales/CSMを担うのはずっとでなくてもいいので、3ヶ月だけやってみる、などTRYすることは重要かなと思います。

詳しくはここで書きませんが、もちろんSalesーCSMの共創関係だけでなくDev、AM、Coporateなど様々な役割との共創関係がとても大事ですので、役割を超えて何をしていくと価値に繋がるか?をぜひ試してみると良いかと思います。


終わりに

少し論じる上ではずるいかもしれませんが、私は「これからのCSMはXXであるべきだ!」というのはあまり考えておらず、「Aの条件下で整合するのはXX」「Bの条件下で整合するのはYY」という形で、目的や条件によって自社に合った体制と目標を構築していくことが重要と考えています。

シングルプロダクトかつ顧客単価が低い場合において、CSMに「Expansionだ!」と言ったとしても、何を売ればいいの?となります。
逆に、ほとんどチャーンがないケースにおいて「LTV最大化だ!」と言われても何を取り組めばいいの?となります。

一方で、ずっとシングルプロダクトだった組織がマルチプロダクト/コンパウンドになれば、NRRを追っていく必要が出てきます。

経営陣及びCSMを管轄するMgrレイヤーについては、この自社にとって最適な組織体制および目標、評価は何になるのか?が事業や会社の成長、組織の成長に伴って可変的であるということを意識した上で取り組めるか?に尽きるかなと思います。

その上で、あえて言うのであれば、とはいえこれからのカスタマーサクセスは、「LTVを伸ばす」から、「Revenueを生み出す」そして、「Revenueを育てる」になっていくと予想しています。

組織としてRevenueを育てていくためには、社内外との共創が重要なファクターになるかなと思いますし、その実現に向けてできることは書ききれないほどたくさんあるなと思っているので、ぜひ気になる!という方は議論させてください。

実は今、かじさん岩熊さん川村さん三原さん達と、「CSMエクスパンション議論」を複数回実施しています。

その中で、CSMがExpansionをそもそも行うべきかどうか、行なっていく上でのイネーブルメントをどうしていくか?を話しているので、近々発信できればと思います。

私としては、「セールスとCSが、顧客とのゴールに向けて溶け合っている」という状態が、1名で実現しても複数名の共創で実現しても良いと思っているので、今後何かしらヒントになるような発信ができればと思います。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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