【マスターデュエル 2024.08】エクソシスターは"強いデッキ"ではない
1.はじめに
こんにちは、なごにゃんです。
今回は、【エクソシスター】の紹介をしたいと思います。
【スプライト】【ティアラメンツ】環境のダークホースとして活躍し、その後も長らくTier2〜3に留まっていた印象のある優良デッキです。
私自身、2023年4月~6月にはランクマッチの登頂に用いた思い出深いデッキで、今でもふと懐かしくなって引っ張り出すことがあります。


……このテーマともそこそこ長い付き合いなので、あえて断言します。
エクソシスターはぜんぜん”強いデッキ”ではありません。

「なんだ逆張りかよ」とブラウザバックしそうになった方、もう少しだけお付き合いください。ボロクソにこき下ろしたいわけではありません。
というのも、巷のエクソシスター評は「初動が豊富!」「マルファ1枚から4妨害!」「誘発受けがいい!」といったフワフワしたものが多く、このデッキ特有の線の細さやカードパワーの低さに言及したものが少ないことがずっと気になっていたのです。
実際は初動に悩んでいるし、マルファは1枚初動ではないし、着地点は「4妨害」ではなく「累計4枚除外」です。そして誘発受けも別によくありませんし、致命的な弱点もいくつか存在します。
なまじっか環境にいたばかりに過大評価されがちですが、実際にこのテーマを使うのなら、こうした弱みを理解して向き合ってこそ建設的だと言えるのではないでしょうか。
この記事では、「エクソシスターの強み・弱み」をそれぞれ紹介し、”なぜ環境にいたのか”を具体的に掘り下げたうえで、本質的には”強いデッキ”ではないことをしっかりと言語化したいと思います。
2.【エクソシスター】の強み
いきなり”強いデッキ”ではないと言っておいてなんですが、ちゃんと明確な強みもあるデッキで、それが環境に噛み合ったからこそ【スプライト】【ティアラメンツ】環境の第三勢力たり得た歴史があります。
まずはその点を具体的に紐解いていきましょう。
2-1.《エクソシスターズ・マニフィカ》+《エクソシスター・リタニア》の着地狩り性能
【エクソシスター】は着地狩りのプロです。
《エクソシスターズ・マニフィカ》+《エクソシスター・リタニア》という盤面を作れば、累計4枚のカードをフリーチェーンで除外することができます。



《マニフィカ》の効果でフリーチェーン1枚除外。
相手の効果にチェーンして、《マニフィカ》を《ミカエリス》に変身。
《ミカエリス》の効果でフリーチェーン1枚除外。
《リタニア》を発動してフリーチェーン1枚除外。さらにこのターン《ミカエリス》をエクシーズ召喚しているので、ボーナスでもう1枚除外。
さらに、ここに至るまでの過程も非常にシンプルで覚えやすく、イラスト通り「《カスピテル》+《ミカエリス》で《マニフィカ》を作る」だけです。
分岐要素は「初手に《マルファ》(《パークス》)があるかどうか」のみで、それぞれ以下のようなルートが要求されます。
初手に《マルファ》がある場合
要求値:《マルファ》+任意のレベル4モンスター1体
《マルファ》の効果を発動し、《マルファ》と《エリス》を特殊召喚。
《マルファ》+《エリス》で《カスピテル》をエクシーズ召喚。
《カスピテル》の効果で《エリス》をサーチ。
《エリス》を特殊召喚。
任意のレベル4モンスターを召喚。
《エリス》+任意のレベル4モンスターで《ミカエリス》をエクシーズ召喚。
《ミカエリス》の効果で《リタニア》をサーチ。
《カスピテル》+《ミカエリス》で《マニフィカ》をエクシーズ召喚。
※任意のレベル4モンスターがエクソシスターなら、サーチするのを《ステラ》にした方がよい。デッキの《エリス》を節約して《マルファ》の発動可能回数を確保することができる。
初手に《マルファ》がない場合
要求値:エクソシスター以外を特殊召喚せず、《カスピテル》をエクシーズ召喚すること(《荒魂》、《幸魂》+レベル4モンスター、《エリス》or《ステラ》or《ゾロア》+エクソシスターモンスター)
何らかの方法で《カスピテル》をエクシーズ召喚。
《カスピテル》の効果で《マルファ》をサーチ。
《マルファ》の効果を発動し、《マルファ》と《エリス》を特殊召喚。
《マルファ》+《エリス》で《ミカエリス》をエクシーズ召喚。
《ミカエリス》の効果で《リタニア》をサーチ。
《カスピテル》+《ミカエリス》で《マニフィカ》をエクシーズ召喚。

1枚初動が《荒魂》のみでやや不安定なのは否定できませんが、総合的な要求値は低く、構築にもよりますが初動率8割は確保できるといったところです。
着地狩りを得意とするテーマは他にもありますが、それを複数回・複数枚に渡って繰り出すことができるのは【エクソシスター】ならではの特徴です。
(2024年現在は《エクスピュアリィ・ノアール》という明確な競合がいますが、ここでは割愛します。)
そして、この性質が特に有効に働いたのが対【スプライト】でした。

全盛期の【スプライト】は非常に貫通力が高く、初動となる《キスキル》《リィラ》《深海のディーヴァ》《素早いビーバー》のようなカードに《灰流うらら》を当てても《ブルー》《ジェット》の素引きで容易に貫通、ということが頻発していました。
逆に言えば、盤面にレベル2モンスターを1体も残さないよう駆除すれば何もできなくなるのですが、これも簡単ではありません。
たとえば《ビーバー》召喚に対してこの駆除プランを行う場合、「単体除去×2」「《灰流うらら》+単体除去」のような対応を求められ、ただの下級モンスターに2妨害吐かなければいけません。引かれているかどうかもわからないスプライトモンスターのためにそこまでしなければならないのは多くのデッキにとってストレスで、《スターター》素引きという裏目すらある始末です。

翻って、【エクソシスター】であれば、こういった【スプライト】の初動を無理なく刈り取ることができたわけです。
《ビーバー》2匹を潰してなお2体分の除去が残るため、《スターター》や《鬼ガエル》といった追加の手数まで見る余裕があります。《ミカエリス》《リタニア》は墓地の《粋カエル》にも届く完封ぶりでした。
当時の【スプライト】に標準搭載されていた《拮抗勝負》にも一定の耐性があったことは大きく、「対【スプライト】の先手番はそうそう落とさない」というのは当時の環境における大きなアピールポイントでした。
(今の価値観では「先手を取れたら勝てる」のは当たり前ですが、当時、生半可なデッキでは先手ですら対【スプライト】が安定しなかったことを注釈しておきます。)
2-2.《エクソシスター・バディス》の墓地メタ性能
【エクソシスター】と言えば墓地メタ、とお考えの方も多いのではないでしょうか。これは下級モンスターの棒立ちが強いというわけではなく、《エクソシスター・バディス》の存在に支えられています。

このカードはめちゃくちゃ強いです。相手が墓地を触るのに合わせて開くことで、任意のエクソシスターXモンスター2体を出力することができます。具体的には《ミカエリス》と《アソフィール》を出せば、以下のようなことが起きます。
《アソフィール》の効果で、そのターン中墓地効果を封殺。
《ミカエリス》の効果で、フリーチェーン1枚除外。
《アソフィール》が生き残れば、返しのターンに1枚バウンス。
《ミカエリス》が生き残れば、返しのターンにテーマカード1枚サーチ。
両方生き残れば、返しのターンに無償で《マニフィカ》が成立。

「墓地効果封殺」だけで《異次元グランド》相当の目的(≒ターンスキップ)は果たしているのに、後続と追加の妨害までついてきます。このカード1枚から得られるアドバンテージが尋常ではなく、決まればそのまま勝利に直結するレベルです。
なお、墓地封殺が不要な対面に対しては《アソフィール》を《ジブリーヌ》に変えればよく、その場合はさらに1妨害追加した上で返しのキルラインをグッと引き下げることが可能です。

とりわけ【ティアラメンツ】環境における《バディス》(《アソフィール》)は、【エクソシスター】の立ち位置を決定づけるほどに重要な1枚でした。

「ティアラか、ティアラ以外か」と評される苛烈な環境で【ティアラメンツ】に抗うには、被りが弱いことを考慮しても、《次元の裂け目》《マクロコスモス》《ネクロバレー》といったメタカードを大量に積む必要がありました。
確かにこれらは有効だったのですが、これらを貼れば勝てるというわけではなく、本質的には時間稼ぎにしかなっていません。
パワーの低いデッキが《裂け目》を張っても決着まで持ち込めず、モタモタしているうちに《バグースカ》などでお茶を濁され、《壱世界を揺るがす鼓動》《カオス・ハンター》のような解答札を引かれてしまう……というのは非常によくある負けパターンでした。
《アーゼウス》《竜巻竜》のような引きに依存しない解決策もあり、生半可なデッキが墓地メタに傾けてもほとんど結果を残せなかった理由が透けて見えます。
(また、これらのメタカードはサーチが効かないものが多く、ひとつのプランに据えるには細すぎたのも問題です。)

《バディス》はこの問題をクリアしています。メタカードでありながら展開札でもあるため、単なる時間稼ぎではありません。通した返しのターンには一気に勝負を決めに行くことが可能です。
しかも、(実際は《リタニア》優先なものの)《ミカエリス》《パークス》でサーチすることもでき、メインプランに据えることが十分に可能です。
単純に《裂け目》《マクロ》の増量と捉えても有効で、【ティアラメンツ】環境における大きな武器として主張することが可能でした。
(むしろ《裂け目》《マクロ》が4枚目以降の《バディス》と言えました。)
2-3.着地狩り性能×墓地メタ性能が活きる環境で輝く(スプラ・ティアラ環境)
もうお分かりかと思いますが、要は、2つの強みである「着地狩り」と「墓地メタ」がきっちり噛み合ったのが件の「スプラ・ティアラ環境」だったわけです。

この環境の【エクソシスター】を「征竜・魔導環境の【ヴェルズ】」に喩える向きがありますが、的を射ていると思います。「デッキパワーで劣るランク4テーマが、相性有利を主張して、世紀末環境の二大巨頭に挑む」という構図が実にそっくりです。
……ただ、あくまで「他のデッキよりは両者に抗う余地があった」というだけで、勝ちたいのなら素直に「スプラ・ティアラ」を握るほうが賢明だったのが事実です。これらのデッキを後手からどうにかするパワーは【エクソシスター】にはなく、あくまで「先手を取れた試合を落としにくい」という観点で有利を主張していただけに過ぎません。この辺の事情も【ヴェルズ】とよく似ていますが、《オピオン》よろしく《ミカエリス》が誤認逮捕されなかっただけ幸せかもしれません。
3.【エクソシスター】の弱み
さて、ここからが本番です。
このテーマは、一時期環境にいたことが信じられないくらい基盤が脆く、柔軟性がないです。どういうことか、掘り下げて解説します。
3-1.モンスターが弱い
エクソシスターの弱いところ、とにかくコレです。
《マルファ》以外のモンスターが総じて数世代前のスペックで、さながらZEXAL時代のランク4テーマです。




絵がかわいい《カゲトカゲ》《ブリキンギョ》《聖鳥クレイン》……と、その手の互換すら思い浮かばないナニカです。2枚集めてランク4を1体作るという牧歌的な設計で、2024年基準でのカードパワーは低いと言わざるを得ません。おまけに、平時は非力であることのフレーバー要素だと思いますが、ステータスが非常に低く設定されており、棒立ちの《結界像》すら殴り飛ばせないのが対【メタビート】で響くことがあります。
おそらく共通効果が相当強く見積もられており、素のエクシーズ召喚はあまり行わない想定でこのようなスペックにされたのだと考えますが、それが失敗だったことは後発の《マルファ》を見ても明らかです。

そして、例外の《マルファ》は確かに強いですが、《斬機サーキュラー》ではありません。よく比較されるこの二者ですが、カードパワーには天地の差があり、「テーマ縛りが厳しすぎる」「1枚初動ではない」といった点がかなり足を引っ張ります。(※この2点について詳細を後述します)
わかりやすいところで、《サーキュラー》を通してしまったら即サレンダーしてもいいですが、《マルファ》ならもう少し我慢しましょう。通ればゴールのカードではなく、通すことがスタートのカードだからです。
3-2.テーマ縛りが厳しすぎる
エクソシスターは、全テーマ中でも類を見ないレベルで縛りが厳しいです。
これがプレイングや構築の幅を著しく狭める要因になっています。

まず《マルファ》の縛りが強烈で、発動前を含めてテーマ外モンスターの特殊召喚を一切許しません。先述した通り《マルファ》以外のモンスターはどれも弱く、どうしても【エクソシスター】というデッキは「《マルファ》や《バディス》のために仕方なく弱いモンスターを積む」という消極的な格好になりがちです。
地味ながら《バディス》にも「発動後にエクソシスターしか出せなくなる」縛りが課せられており、「返しに《バディス》からランク4を作り、《アーゼウス》を目指す」といったプランを採ることができません。
これだけではありません。
《マルファ》《リタニア》はフィールドにテーマ外モンスターが存在すると使えなくなる縛りが課されています。

これがどういうことかというと、縛りの抜け穴を探すことすら許してくれません。「相手ターンに特殊召喚するから……」と《原子生命態ニビル》や《深淵の獣 マグナムート》を採用することも躊躇われます。また、自分でそういったモンスターを使わなくても、《ラヴァ・ゴーレム》や《ガメシエル》を投げつけられると機能停止してしまう作りになっています。
厳密には、《マルファ》は「テーマ外Xモンスター」の存在も許容する妙に譲歩した書き方がされていますが、騙されてはいけません。そもそもテーマ外Xモンスターは《マルファ》の縛り下では出せないので共存することはほとんどありません。むしろ、下級エクソシスターの存在すら許容しない追加の縛りとして立ちはだかります。
さらに、潜在的な構築の縛りとして、多くのエクソシスターカードはバディ(ペア)を要求するデザインになっています。
もっともわかりやすいところで、《マルファ》を活かすために《エリス》はほぼ確定で3枚採用しなければいけません。《カゲトカゲ》なのに。

さらに、《エリス》がいるなら《ステラ》も採用した方がよく、《ソフィア》を採用するなら《イレーヌ》も必要……と、結果的にモンスター全種の採用を迫られる設計になっています。どれも弱いのに。

一応、この縛りは考え方次第で多少緩和することができ、「《マルファ》《エリス》以外のシスターは魂だけの存在になった」と言い張って《荒魂》《幸魂》に総入れ替えするプランがなくもないです。ただ、《バディス》を強く使えなくなり、テーマとしての強みをひとつ失ってしまうことから、大局的には得策とは言い難いです。
いずれにしても、「テーマモンスターのほとんどが弱いのに、縛りが厳しすぎてそれらを使わざるを得ないのでデッキパワーが下がる」「構築やプレイングに幅がなく、対応できる状況が明確に限られる」という点はテーマとして大きなマイナス点になってしまうのではないでしょうか。
3-3.《マルファ》が1枚初動ではない
「ここまで厳しい縛りを強要するからには、《マルファ》はさぞかし強力なのだろう」……と、このデッキを組む前の私は思っていました。間違いではないのですが、正直なところ期待していたほどのパワーカードではないと言えます。なんといっても1枚初動ではありません。

実際に《マルファ》1枚からの動きを見てみましょう。
《マルファ》の効果を発動、《マルファ》と《エリス》を特殊召喚。
《マルファ》と《エリス》で《ミカエリス》をエクシーズ召喚。
《ミカエリス》で《リタニア》(または《バディス》をサーチ)し、それをセットしてターンエンド。
ここで展開が終わります。《マニフィカ》+《リタニア》にはどうやっても届きません。
「《リタニア》の1除外が用意できているから初動と言えるのでは?」という見方もあるにはありますが、それは【十二獣】が《増殖するG》を食らった時の《ドランシア》単騎エンドを初動と言い張っているようなものです。
冒頭で紹介した通り、やはり《マルファ》なら+レベル4モンスターの2枚初動が要求されます。相方の要求値は非常に低いものの、「ここまでの縛りを課すのに1枚初動じゃないのか」とガッカリしたのは私だけではないと思います。
3-4.捲られやすい(盤面の強度が低い・リソースがない)
【エクソシスター】の最終盤面は4妨害ではなく「累計4枚除外」です。これを4妨害と評すのは、4素材《アポロウーサ》を4妨害と言い張る以上に詐欺です。

純粋な手数で乗り越えられることはそうそうありませんが、効果無効系の妨害を用意することができないため安心はできません。
なんといっても《リタニア》の発動条件の都合上、《マニフィカ》を除去されると一気に0妨害になるのが致命的です。
当時の環境で見られた《サンダー・ボルト》《海亀壊獣ガメシエル》などにはあっさり攻略されてしまいました。

また、盤面強度以上に深刻なのはリソースの乏しさです。
【エクソシスター】は、展開のついでに後続のモンスターを抱える余裕がありません。より具体的に言えば、使った《マルファ》は帰ってこないし2枚目の《マルファ》をサーチすることもできません。《マニフィカ》から変身した《ミカエリス》が生き残れば《パークス》経由でアクセスすることはできますが、相手依存で極めて不安定な手段です。
命からがら相手の攻め手を捌き切ったのに、後続が用意できずジリ貧で負けるのは負けパターンのひとつです。

このあたりの事情は、《ブルホーン》禁止後の【十二獣】に似ています。しかし、【十二獣】は全下級が攻め手にカウントできるので数を増やせば済むこと、《鉄獣戦線 フラクトール》のようなサブギミックも合わせて補完できることから少し違います。【エクソシスター】の攻め手は《マルファ》ただ3枚です。サブギミックなんてものは混ぜようがありません。
【エクソシスター】を使っていて感じる漠然とした「線の細さ」は、初動の不安定さ以上にこの面が影響しているのではないでしょうか。
3-5.将来性・拡張性に難がある
その縛りの厳しさゆえに混成構築が不可能で、「(名指しの強化が来ない限りは)インフレに置いていかれるのがほぼ確定している」ことも見逃せない欠点です。
”ほぼ” としているのは、強化の可能性がゼロではなく、実際にポツポツと相性のいいカードをもらっているためです。
たとえば《幸魂》はテーマ外でありながら初の1枚初動をもたらした革命的な強化でしたし、「コスト縛りのない《スモール・ワールド》と評せる《時空の七皇》」「先手でも《マルファ》《パークス》《幸魂》と重ねて初動になるため腐りにくい《マルチャミー・フワロス》」も実装を控えています。


しかし、やはり【エクソシスター】の強化と呼べるカードの要件は相当に狭く、数年の間にもらったカードが片手で数えられてしまうのは見過ごせない事実です。
《マルファ》の登場から2年、OCGには様々な出張テーマが登場していますが、そのどれもが【エクソシスター】に力を貸してくれることはありません。もっとも深刻なところで、マスターデュエルにも半年以内に実装されるであろう【デモンスミス】と組めないのは重大なハンディキャップです。

加えて、【エクソシスター】と組めるほどに縛りが緩い汎用カードは他のデッキでも使えてしまうため、このテーマの専売特許として主張することができません。
パッと思いつくところでも、《フワロス》を【天盃龍】より強く使えるのか? と聞かれたら答えはノーでしょう。というか、むしろ《フワロス》を重く受けて困るのは【エクソシスター】の方です。
3-6.飽きやすい
最後に、競技的観点からは少し離れますが、非常に単調で飽きやすいデッキであることも正直に告白します。
どこまで行っても【エクソシスター】は「《カスピテル》と《ミカエリス》を並べて《マニフィカ》を出すデッキ」でしかありません。過程も最終盤面もガチガチに縛られており、派生やケアルートと呼べるものはまったく存在しません。どうしても、決められた一本道を通れるかどうかのアッサリした展開になりがちです。

困ったことに、この淡白さは相手視点でも透けて見えてしまい、駆け引きに欠ける試合になりがちです。
”駆け引き” のわかりやすい例として、正体不明の対面から《深淵の獣 ルベリオン》のサーチ効果が飛んできた場合を考えてみましょう。《灰流うらら》を握っているとして、ここに撃ちたくなるでしょうか?

ほとんどの場合は撃たずに温存するでしょう。
なぜなら、このカードが入るデッキには《イムセティ》《烙印融合》などが入っている可能性が高く、その囮であると考えられるからです。また、他に公開情報があってデッキタイプが割り出せる場合(たとえば【センチュリオン】であるとわかる場合)は、そのキーカードに当てに行くのが効果的です。
もしかしたら、誘発を《うらら》しか持っておらず、他の手札も渋いような状況では、これらのセオリーを無視し、「相手の手数が《ルベリオン》しかない可能性にかけて《うらら》を撃つ」のもアリかもしれません。
こうした「見えない相手の手数を予測したカードのやりとり」は現代遊戯王の醍醐味とも言えるもので、試合展開に緊張感を与えてくれます。

【エクソシスター】にこういった駆け引きは一切ありません。
他テーマのカードが入っておらず、追加の手数が存在しないのは相手視点でもわかりきっていることだからです。《マルファ》を止めたら絶対に《マニフィカ》まではたどり着きません。《カスピテル》で《うらら》を誘って《イムセティ》《烙印融合》をプレイしたりすることもできません。テーマ外のXモンスターやリンクモンスターが出現して思わぬ展開に持ち込まれることもありません。
概して【エクソシスター】のデュエルは、自分・相手の両視点で先が見えてしまう塩試合になりがちです。華やかな見た目過去の実績を信じて組んだものの、どうにも肌に合わず塩漬けにしてしまう人を何人か見てきましたが、具体的に言語化するとこういった背景があるのではないでしょうか。
4.おわりに
いかがでしたでしょうか?
このデッキ、過大評価気味なのが長いこと気になっており、あえてセンセーショナルな書き出しで思いの丈を言語化してみました。
ここまでお読みいただいた方ならお分かりかと思いますが、「中堅テーマが奇跡的に環境に噛み合って活躍した結果、その環境が過ぎた後も実態の伴わない評価を受け続けている状態」と言えます。
そのうえで、「拡張性がなく、単調で飽きやすい」ことからカジュアル面での需要も怪しまれるところで、少なくとも今から組むのはオススメできないのが正直なところです。専用URめっちゃ多いですしね……。
もちろん、「スプラ・ティアラ環境」での輝きは本物でしたし、そのポテンシャルがある時点で"弱いデッキ"ではないです。ただ、評価されていた理由は単純なカードパワーによるものではないこと、根っこは中堅のままでむしろ強化を欲しているテーマであることが少しでも伝われば幸いです。
ストーリーの掘り下げも中途半端なところで終わっているし、新規を望んでもバチが当たらない立ち位置だと思っています。(闇落ちマルファはまだでしょうか……?)
お読みいただきありがとうございました!👧
