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【二次創作 小説13 14 15 呪術廻戦 懐玉・玉折】五条悟との邂逅 黎明編13〜15

ご覧いただきありがとうございます。この小説は約4000文字で、約10分程度でお読みいただけます。

※本作は『呪術廻戦』の世界をベースにした二次創作です。
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。

◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義で使用しています。不快な方はご注意ください。

🌀念のため1〜3話目のリンクを置いておきます。



●13

「りこちゃん! またあとでね!」
「悟の近くにいるのが一番安全よ」
 理子さんを悟に預けて私たちは走り出す。
「おい! お前らも一緒に──」
「敵がどこにいるかもわからない状態なのだから、なるべく目立たないように高専まで移動して……理子さんのお友達たちも心配だし、私たちは学校内の様子を見回りつつ一度傑と合流するわ」
 せいらが微笑み二人に手を振っていた。

 そして学校内を走っていると、
「お嬢ちゃんたち、今は授業中じゃないのかい?」
 急に話しかけられた。紙袋を頭に被った大男。
「そうですね。授業中です。
学校は関係者以外立ち入り禁止ですが、あなたは?」
 せいらと頷き合い距離を取る。
「やれやれ、君らはどうやらハズレかな」
 足元からどろどろと身体が崩れ落ち、地面に消えていった。
「式神?」
「式神とは違う感じがしたわ──」

 ──少し離れたところから大きな爆発音がする。
 方角から推測するに、誰が爆発を起こしたか推測するのは容易かった。

「悟……」
 額に指先をあてて「はぁ」とため息をつく。
「せいら、あれだけ目立っているなら陽動の意味もないわ。悟たちと再合流しましょう」
「りょうかーい!」
 音のした方に向かう途中傑と合流して、悟のいる場所へ向かうと──黒井さんが攫われたことがわかった。

 黒井さんが攫われて、理子さんの気持ちをちゃんと聞く時間も作って、一度は私が理子さんのふりをする案も出たけど、結局はみんなで助けに向かった。

 そして今──

「「めんそーれー」」
 煌びやかな海と、白い砂浜を駆け回る理子さんと悟の姿が。
「そよかも着替えてきたら?」
「男性は着替えるのが楽でいいわね。更衣室は今せいらが使っているの」
「そうだね。あの更衣室は確かに狭い」
 なんで使ってもいないのに更衣室の狭さを知ってるのかと私が睨むと、傑は目を逸らしながら乾いた笑みを浮かべた。
「すぐるー! みてみてー!」
 更衣室のドアを開けてせいらが飛び出てくる。
「「!?」」
 悟と傑の視線がせいらに注がれた。
「せいら、ちゃんとラッシュガードを着ないと」
 せいらに近付いてラッシュガードを羽織らせ、チャックを上げる。
「おーい。そよかー。空気よめよー」
「空気をよめ? あなた達の好奇の目からせいらを守らなければならないという空気を読んだわ」
 悟はブーイングを続けていた。
「そよかもせっかくだし着替えなよ。こんなきれいな海の近くに来たのはじめてなんだからさ!」
 せいらに言われて、
「そうね。呪霊の気配もないし着替えてくる」
 買ったばかりの水着の入った袋を手に、更衣室へ向かった。

 
●14

 せいらだよ。いまねー。みんなで大きなお風呂に入りにきました。みんなっていってもおんなのこだけだよー。すぐるが呪霊操術で呼び出したかくれんぼが得意なみるみるもついてきてるけど、みんなにはナイショって言われてます。
「おゆがぴりぴりするよー」
「妾もじゃー」
「二人とも! まずは水をかけてよく冷やして」
 そよかにお水のシャワーをかけてもらって、
「「あー」」
 りこちゃんとやっとひと息。
「もっと強い日焼け止めの方が良かったでしょうか」
 くろいさんが心配そうにしている。
「何回か塗り直しても良かったかもしれないですね」
 おふろに入るのも一苦労。なんとか肩まで浸かった。
「ところでお主らー」
 たくらみ顔のりこちゃんが近付いてくる。
「なーに?」
 そよかをちらりと見るけど素知らぬ顔だ。
「どっちも付き合っとるのか? いや、どっちかか? 苦しゅうない! 妾に恋バナをしてみせよ!!」
「ふぇっ!?」
「……」
「妾にはお見通しじゃ! 悟はそよかにぞっこんラブなんじゃろ!?」
 どこか遠くでドゴンと大きな音がした。
「傑はなんだかんだでせいらを気にしているように見える。男どもの片思いなのかどうなのか、さぁさぁ!!」
 りこちゃんは鼻息荒く近付いてくる。
「付き合うっていうのは男女交際という意味でしょう?」
 そよかはちらりとわたしを見た。
「そういうことなら付き合ってはいないわ。私たちは高専の同級生、それだけよ」
「なるほどな。あやつらはあぁ見えて惚れた女に告白する勇気もないチェリーボーイか、告白することで今の関係を壊したくない硝子のハート純文学ボーイなのか。あんな攻め顔なのに」
 なるほどなるほどと、りこちゃんは一人でにやにやしている。再びどこか遠くでバゴン、ドゴンと音がしていた。
「男湯の方が騒がしいですね」
 くろいさんが心配そうに視線を向けている。
「わかったぞ。ではお主らの気持ちはどうなのじゃ?」
「みんな大好きだよー。ねー」
 そよかに声をかけ、
「違う違う! お主らが仲良しなのはもう見ていてしっかりわかるのじゃ! ラブい関係を期待しているに決まっておろう!」
「「……」」
 おろおろとそよかを見た。そよかはため息をつく、
「ラブ……恋愛の観点でいうと、せいらも私もよく分からないの。
 ──でも、もし明日世界が終わるなら私は悟と一緒にいたいわ。せいらは?」
「わたしはすぐると一緒にいる!」
「今はこの答えで満足してもらえない?」
「そ、そうか。なにやらすまんかったな」
「私達にそれだけ興味を持ってもらえたのは嬉しいことよ」
 そよかが微笑んでそう言ったから、申し訳なさそうな顔をしていたりこちゃんの表情もパァっとあかるくなって良かった。


●15

「はぁ? そよかが一人で出かけたぁ?」
 部屋に備え付けのシャワールームから出てくると、傑からそよかの不在を聞かされた。
「──ったく、一人で行動するなってあれほど言ってたのに」
「迎えに行くだろ?」
「……あぁ? まぁ、念のためな」
 傑にどうこう言われる前にシャツに袖を通す。
「なんだよ」
「いや、こちらは私に任せてくれ」
 含み笑いの傑を残して、俺はそよかを追った。

 ホテル近くの海岸に、白いワンピース姿のそよかを見かける。
「おい! 個人行動厳禁って言ったのお前だろ!」
「──あら、心配してくれたの? 別に一人ではないけれど」
 そよかが腕を上げると、白猫の姿をした呪霊が一瞬だけ姿を現して消えた。確かにあの呪霊は索敵や目眩しを得意とするところだが、だからといって一人で出歩いて良いという理由にはならないと思った。
「そういうのを屁理屈って言うんだよ。
──外の空気が吸いたいとかなら、せいらか俺か誰か誘えばいいだろ」
「そうね。でも──」
 そよかは申し訳なさそうに視線を外す。
「……少し、一人になりたかったのよ」
「ふーん……」
 ちらりと隣を歩くそよかを盗み見る。
 月明かりに照らされたそよかの横顔は──
「綺麗だ」
「え? あぁ、月が綺麗に見えるわね。都会より空気が澄んでいるからかしら」
「バッカ! バカバカバーカ! お前なー」
「何よ? 夏目漱石のような文学的表現を悟が口にしたとでも?」
「もういい!」
 少しだけ早く歩く。それでも普段のそよかなら追いついてくるはずだった。
「どうした? 足を痛めたんだな。反転術式を使えばいいだろ」
 振り返り、そよかの目の前に片膝をついて庇っている方の足を見る。
「ほんの少し靴擦れが痛むだけよ。すぐに治るわ」
「へーへー」
 立ち上がって肩をすくめながら、俺はそよかに背を向けた。
「それに反転術式を使って今すぐ治してしまったら、あなたの腕を借りる口実までなくなってしまうでしょう?」
 片腕にそよかの温もりを感じる。
「……仕方ねーな」
 波の音がいつもより近くに聞こえる。自分の胸の鼓動も。
 さっきの、もし明日世界が滅ぶならなんで俺といたいと思っているのか聞いてしまいたかった。
 だが、さっきの会話を聞いていたなんて知られたら大問題だ……。
「もし、俺が……お前を好きだって言ったら何か変わるのかな?」
 ちらりとそよかを見る。なんとも微妙そうな顔をしていた。
「例えばの話だ。間に受けるな」
「何も変わらないわ」
「……そーかい」
 撃沈。ならなんだってそよかはさっき風呂場であんなことを言ったんだ? 天内を黙らせるため?
「あなたは五条悟なのよ。今だってお見合い話は後を絶たないし、理子さんの学校であなたが姿を表していたら、さぞちやほやされていたでしょう」
「そりゃそうだろう。俺は五条悟だしな」
 ハッとふざけたように笑ってみせてからの沈黙。
 ──じっとそよかを見つめた。俺の真剣な表情にそよかは戸惑うような表情を浮かべる。
「俺に近付いてくる奴らは、俺が五条悟だから近付いてきてると思ってるよ。でも──」
「……」
「お前は違うだろ? お前は、俺が五条悟じゃなくても側にいてくれると思ったんだ。さっき、お前は『俺がお前を好きだと言っても何も変わらない』って言ったな? 上等だ。俺はお前が、そよかが好きだ。これから毎日俺がお前を意識させる。それでいつかお前から、俺を好きだと言わせてみせる。俺は本気だ」
 そよかの肩を掴んで真面目に言った。その甲斐あってか、そよかは頬を染めて俯くように俺から視線を外す。
「──ばか」
 これは結構イケてるのでは? そよかの身体を抱きしめる。石けんと潮の香りが鼻腔をくすぐった。


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