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「小中学生の宿題効果なし」記事の嘘のウソ

こんにちは。ますこ将太郎です。
夏が近づくと必ず話題になるこの記事。一度は目にしたことがありませんか?

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この記事に対して、
「ほらね、やっぱり宿題なんていらなかったんじゃないか」という賛同と
「いやいや、原文ではそんなことはいわれていない!宿題に肯定的に書いてある!」という反論
と二つの論があります。

結論を申し上げます。この二つの反応、どちらも正確ではありません
あまりにも偏った記事が多いので、原文に書いてある内容をフェアに解説していきます。
※ 簡潔でセンセーショナルな記事ではありません。ちゃんと解説します。


誤報?元記事の解説

2017年くらいから、TwitterやFacebookなどのSNSで話題になっていた「小中学生の宿題、成績に効果なし」という言説。
『週刊事実報道』の記事を使って拡散されていた意見ですが、内容としては

"米国デューク大学のハリス・クーパー教授は「小中学生の宿題はほとんど効果がない。むしろ悪影響を与える」という研究成果を発表した。"
"宿題のプラス効果がやっと現れるのは高校生の年齢になってからで、それでも1日2時間以上の宿題は逆に成績を下げることがわかった"
引用元:『週間事実報道』(8/31第127号)

というものです。一応、根拠としては、この論文の中に書いてある「宿題にかけた時間」と「その成果」がどう関係しているかを比較したもので、小学生だとその関係性がほぼゼロ、中学生でややプラスという結果が出たという部分だと考えられます

宿題ソース①_page-0001

原文のこの部分です。
その他の部分もたしかに論文内に記載のある内容ではありました。

また、以下、内容の翻訳になりますが
・小学生は中高生に比べて宿題と学力の間にポジティブな相関関係は見受けられない
・多すぎる宿題の量は学力の向上に対して逆効果になる
という記載はあります。

このデメリットについてはたしかにその通りで、別の研究でも、多すぎるもしくはレベルが高すぎるタスクは、学習意欲を削いでしまうということが明らかになっています。
この「多すぎる」というのはハリス・クーパー教授が提唱している「10分ルール」に照らしての「多すぎる」ということです。たとえば小学校1年生であったならば 10分×1=10分、2年生であれば 10分×2=20分、3年生であれば 10分×3=30分、これらが適切な宿題の量の時間ですという「10分ルール」というものを提唱しています。そして、この量を超えると、逆効果でる傾向があるという分析です。

そのため、本記事は「完全な誤報」ではないということが言えます。

ここまで言っちゃうのはちょっと…

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では、何が「誤り」なのかというと、「禁止すべき」とまではいっていないということなんです。もちろん、ネガティブな面は書いてあります。しかし、ポジティブな面もしっかり記述してあります。
この論文での、宿題に対してのポジティブな評価とは、たとえば、
・宿題は学習において、重要な一つの過程である。
・年齢が上になればなるほど(中高生)効果的になってくる。
・特に小学生に関しては、勉強習慣をつける一定の効果もある
などが挙げられます。

極論に騙されないために知っておきたいこと

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これらの相反する二つの論が共存している不思議な状況を解き明かしていくためには「因果関係」と「相関関係」というものを理解する必要があります。

たとえば、ある地域で、交番が他の地域よりも比較的多いとします。そして、犯罪件数もまた多い。そうなったときに、「この二つには何かしらの関係があるんじゃないか」ということを見いだすのが相関関係を見いだすということです。
そして、交番が多い「から」犯罪件数が多いんじゃないか、というふうに原因を見つけて、結果とむすびつける。それが因果関係というものです。この場合でいうと、これはあきらかに誤りになるわけです。なぜなら、これを証明するには「交番を少なくしたら、犯罪件数が少なくなる」という証明をしなくてはいけないのです。
しかし、そんなことはありえないですよね。では、どう考えればいいのか。「犯罪件数が多いから、交番が多くなった」というように、犯罪件数が多くなったことが原因で、その結果として、犯罪を抑止するために交番が多くなったと考えるのが、理にかなっているでしょう。
このように「〇〇だから××だ」というふうに原因があって結果がある、すなわち、何が原因で何が結果なのかを明らかにするのが因果関係を明らかにするということです。

今回、この論文でわかったことは「宿題」と「学力の向上」に「因果関係」は認められない、ということだったんです。だから、宿題が必要だとも不要だともいえないという状況なのです。
「宿題」と「学力」の間にはさまざまな要因がからみあっている、と結論づけています。「たとえば、人種であったり、経済環境であったり、いろいろな条件が学力向上には関わっているため、一概に宿題と学力向上だけに因果関係を認めることはできない」ということが論文の中でいわれています。

だから、効果がないので「禁止すべき」とは断言できないということです。相関関係はあるわけですから、もしかしたら効果はあるかもしれないし、ないかもしれませんということがわかったのが今回の論文の発見だったのです。

このように、強い言説や思い込みは因果関係と相関関係の「誤謬」が原因となっていることが多くあります。
極論に騙されないためには、因果関係と相関関係の違いを意識することが大変重要です。

まとめ

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1次情報に触れましょう!
このニュースを調べていて、論文そのものを扱ったブログや記事が少ないことに驚きました。
Twitterのような140字の制限、Instagramの文字情報のすくないSNSなど、限られた文字数での情報発信はともすれば極論が多くなります。誰かの解釈の入った2・3次情報は、もともとの情報とは全く別物であることすらあります。そのような誤った情報は、他人に迷惑をかけるだけならまだいいものの、自分自身の信用を地に落とします。
誰もが発信者になることができ、情報の移り変わりがはやいからこそ、情報源を探る際には、しっかりと腰を据えて1次情報に向き合いたいものです。

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