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GSX-S1000(2024)を購入した件

2024 GSX-S1000の概要

型式:8BL-EK1AA
全長 / 全幅 / 全高:2,115mm / 810mm / 1,080mm
軸間距離 / 最低地上高:1,460mm / 140mm
シート高:810mm
装備重量:214kg
最小回転半径:
3.1m
エンジン型式 / 弁方式:DTB1・水冷・4サイクル・直列4気筒 / DOHC・4バルブ
総排気量:998cm3
内径×行程 / 圧縮比:73.4mm × 59.0mm / 12.2
最高出力:110kW〈150PS〉 / 11,000rpm
最大トルク:105N・m〈10.7kgf・m〉 / 9,250rpm
燃料供給装置:フューエルインジェクションシステム
潤滑油容量:3.4L
燃料タンク容量:19L
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング
変速機形式:常時噛合式6段リターン

<2024年も基本的に2021年式~同じ>
2015年に初代が発表され、6年後の2021年にモデルチェンジが実施され現行型となったGSX-S1000ですが、2024年モデルは基本的にはカラーチェンジのみです。
また21年のモデルチェンジもエンジンとシャシー(フレームや足回り)は初代からキャリーオーバーされており、電子制御系の追加と外観の大刷新がされた“ビッグマイナーチェンジ”のような格好となっています。

<GSX-R1000のストリートファイター>
スズキのスーパースポーツのフラッグシップであるGSX-R1000のアップハンドルモデル(ストリートファイター)として登場したGSX-S1000。
その心臓部(エンジン)は発表時点で1世代前となる「2005年式R1000のもの」をあえて復活させ、ストリート向けの新設計アルミフレームに搭載。
その高い運動性と、スズキらしい乗りやすさ、なにより今考えると異常とも言えるコストパフォーマンスの高さからスズキの大型としては久々のヒットモデルとなりました。
2021年のモデルチェンジでは外観の刷新と、LEDの灯火類の採用、電子スロットル化やクイックシフターの搭載など電子制御が充実しました。

<生き続ける伝説 2005年式GSX-R1000のエンジン>

R1000から受け継がれた最強エンジン

初代S1000の発表当時、一部の層から『なぜわざわざそんなに古いモデルのエンジンを採用したの!?』と批判的な声もありました。
しかし、筆者には納得かつ非常に嬉しいチョイスでした。
理由は、このエンジンが「GSX-Rシリーズが最も輝いていた時代」のそれであり、現代でも全く過不足のない、何ならストリート用スポーツエンジンとしては「最強クラス」であると信じて疑わないからです。

筆者のようなオタク以外にはあまり知られていないですが、R1000のエンジンは初代R1000発売時(2001年)に原典が登場し、それを元にモデルチェンジ毎に改良でパワーアップを図り、2005~2008年式である種の完成形へ至ったという経緯がございます。

その出自は、既に販売中の兄弟車「GSX-R750」のエンジンを限界近くまでスープアップ(ボア×ストロークアップ)して“半ば無理”に1000㏄化するという、決して志の高いものではなかったのですが
ロングストロークとなったことが結果的に好走し、低速域から怒涛のトルクを発揮する上、その勢いまま当時のライバルを突き放す高出力叩き出す特筆すべきモンスターエンジンに仕上がっており
レースベースマシンであるR750用を強化し受け継がれたシャシーと組み合わされたことで、当時のサーキット・レースの世界でも比類なき実力を発揮しました。
※海外紙のレビューでは「初代R1(98年)が出たとき、これを超えるエンジンはそうしばらくでてこないだろうと思っていたが、まさか数年でそれを超越するものが出てくるとは驚きだ」と歓迎をもって評されました。

そしてその始祖R1000の最終進化系2005年~2008年式は
・SBK(スーパーバイク世界選手権)優勝
・世界耐久選手権優勝
・AMA(全米)スーパーバイク優勝
・JSB(全日本)1000優勝
・鈴鹿8耐優勝(ヨシムラ27年ぶり)

と世界中で有名なタイトルの多くを手にし
『GSX-R=世界最高のスーパースポーツ』
と言われるに相応しい実績を残したのです。
まさにスズキSS黄金期の象徴と呼べるマシン、エンジンが「2005年式R1000エンジン」と言えるのです。

ちなみにその“原点”となる、排気量的には弟分、出自としては先輩のR750も非常に優秀で
・改造しない状態で最も速い
・1シーズンオーバーホールなしで走り切れる耐久性をもつ唯一無二のマシン

と評価され、北米レースの草レースではほとんどワンメイク状況になってしまったり、2001年にはJSB(全日本)スーパーバイクを制すなど、とても評価の高いマシン、エンジンでした。

これらオールド水冷GSX-R系のエンジンは、SS用エンジンの至上命題である「コンパクト化」を実現するため、『3分割クランクケース』というスズキ独自の手法が採用されています。
これは現代の直4スポーツエンジン常識(主要三軸の逆三角形配置によるコンパクト化/クランクケースは2分割)とは“異なる概念”で作られており、見方によっては「時代遅れ」と感じる方もいるでしょう(2006年/2009年にスズキも相次いで三軸の逆三角配置へとGSX-Rを更新)
しかし、1996年の750ccエンジンの発表で誕生したこのシリーズのエンジンは、GSX-Rでの採用が終わった後も
・GSRシリーズ(400/600/750)
・GSX-Sシリーズ(750/1000)
へと脈々と引き継がれており、その実力(出力/耐久性)は現代のストリートでも全く見劣りしない、まさに『名機中の名機』と言えるのではないでしょうか。
※ちなみにクランクケースは2分割化されていますが『GSX1300R 隼』のエンジンも96年式R750のものを元に開発されており、そのエンジンは改良に改良を重ねながら現行モデルへも引き継がれています。
※エンジンとその出自の説明だけで多大な文字数を割いたことを謹んでお詫び申し上げますw

GSX-S1000の良いところ/微妙なところ

<良いところ>
□直線基調に刷新された外観デザイン(かっこいい)
□調教された電スロや優秀な電制
□ノーマルでも必要十分な排気音、音量
□ややどっしり目ではあるが素直でニュートラルなハンドリング
□当たり前だがアホほど速い
□コスパが良い(重要)

<微妙なところ>
■安いので妥協できるがディテールの作りこみ
■令和になってもキーオンで点灯するヘッドライト
■25年を待たずにカラーにしてほしかった液晶メーター
■4,000rpm以下の極低速のトルクとその部分の電スロ制御
■未だコスパ良いが先代比で爆増した価格
■令和になってもアキシャル(横)マスターシリンダーは辛い

<良いところ 詳細>
①直線基調に刷新された外観デザイン(超かっこいい)

かつて乗っていたスズキのストリートファイター『GSR750』に通ずる直線的でシャープなデザイン。
ハロゲンからLEDへ変更されコンパクトになり、スズキスポーツモデルのアイデンティティである『縦二眼』が踏襲されたヘッドライト。
意味あるのか分らんけど生えている羽(ウィングレット)。
などなど、先代の丸みを帯びた外観から刷新された外観は筆者的にはどストライク。
無骨なフレームとエンジン周辺の「塊感」もあってマッチョな印象で、いかにもストファイという部分が大変好みです。

②調教された電スロや優秀な電制
自身初の『スズキの電スロ車』であるS1000。
気になる点が無いわけではない(Aモードの立ち上がりかたイキり過ぎ等)ですが、全体的には“まったりツーリングペースでの乗りやすさ”のは非常に好印象。
「まったりツーリングペース」もとい、車の流れに乗るようなペースだと「極微細なスロットルのオンオフ操作」が頻発することにりますが、この操作に過敏すぎると前後に揺さぶられるような格好になり非常に疲れる(以前の23,MT-09で発生)ものです。
S1000の電スロはこういった低回転の微量なスロットル操作に対して「あえてディレイ(遅延)」すること「直線的でなく曲線的にバルブ開閉され(ているような感覚)る」ような印象があり、シンプルにまったりペースで疲れにくいです…
が、これはこれで不満にもつながっています。(後述)
また、クイックシフターも噂通り優秀です。もともとSS由来エンジンでシフトフィールが良いのですが、クイックシフターと相まってシフトチェンジが気持ちよい。
昨今のモデルだとデフォルトですが、街乗りペースでも十分に使えるようになっています。

③ノーマルでも必要十分な排気音、音量
初代デビュー時から、メディアでも称賛されているS1000の排気システムは、本モデルでも健在です。
ざっくりとした認識で間違っているかもですが、ちょうど初代が発売される頃のタイミングで欧州の環境基準が更新され
『排ガス基準が厳しくなる代わりに排気音量の制限がやや緩くなる』
『日本の環境基準が欧州の基準に“ほぼ”準拠するように変更される』
という2つの事象があり、それに合わせてS1000は「純正でいい音するバイクの走り」として登場した記憶があります。
(その後Z900RSやCB1300、CB650、etc…と各メーカーに波及)
現行では触媒が追加されるなど、性能的にはややマイナス方向の要素が追加されましたが、基本的には初代を踏襲した機構の野太いサウンドを奏でます。
以前は比較的爆音(行き過ぎていない程度)至上主義、フルエキ万歳マンでしたが、MT-09のフルエキが爆音過ぎて有害過ぎたため反省し、おとなしくスリップオンに留めています。
弁当箱と呼ばれるチャンバー(車でいうタイコ)が残っているためサイレンサーを変えたところで音量はほぼ変わらず、なんならアイドリングは小さくなった位ですが、『何しろ消音するんだ』という意思を感じた過去の純正マフラーと異なり、本当にいい音がするので満足です。
(補足:筆者はバイク体験(エクスペリエンス)の向上に、排気音はとても重要な要素と考えています)

④ややどっしり目ではあるが素直でニュートラルなハンドリング
MT-09とは対照的な、ややフロント偏重に感じるどっしりめハンドリングです(ややもっさりともいえる)。
軽快さは少ないものの、設置感が強く安心感はあり。
これは過去乗っていたGSR750や隼、R1000(2002年)に通ずる感覚だと思います。
競合他社のような鋭さは、少なくともストック状態だと少ないですが、安定感とある意味トレードオフされていると思います。
重量級のビッグネイキッドやツアラー然としたダルさみたいなものは少ないので、スポーティにも楽しく走れます。

⑤当たり前だがアホほど速い
元々リッターSS、メガスポに乗っていた経験もあるので驚くほどではないですが、でチューンズ済とはいえリッターSSパワーをアップハンで受け止めるとやはり凄まじさはあります。
僅か100cc程度の排気量差ですが、MT-09などと比べるとレスポンス面で圧倒していると思います。
SSのフレームに比してやや華奢ですが、SSと同じような中空アルミ構造のそれは剛性感も高く、ぶっ放してる時も安心感もあり。
足回りのチープさは感じますが、総合的なパッケージ(戦闘力)は十分に感じます。

⑥コスパが良い
メーカー希望小売価格:¥1,430,000-(税込み)
は、正直各社のラインナップの中では取り立てて安いわけではありませんが、プレミアクラスのリッターストファイのと比べると安い方だと思います。
また、何よりスズキは4メーカーの中では未だに『実勢価格』というものが存在します。
簡単に言うと「非ディーラー系のバイク販売店ではバリバリ値引きされて販売されている」のです。
2024モデルは実勢価格ベースだと『乗り出し価格が本体の税抜き価格よりやや安い程度』で流通しており、同年式のMT-09(無印)をディーラーで買う場合とほぼ同じ金額で購入できる点は、SSエンジンを搭載したストリートファイターとしては特筆できると思います。
※2025~でカラー液晶化して値上げしております。

<微妙なところ 詳細>
①安いので妥協できるがディテールの作りこみ

これに関しては、まず『全体的にはかつてのスズキより大幅に改善している』前提ではあるが、細かい部分…タンクのデカールが抜き文字ではなかったり、先代ではデフォルトだったリムステッカーが無くなっていたり、よく見ると「塗装された樹脂外装パーツはめっちゃ少ない(先代よりも確実に減)」など、アップした機能面に比してコストダウンされていると思しき部分も多いとは感じます。
ただ使っているボルトや三又、トップブリッジの塗装色を見直すことで大幅に質感が向上している節もあるので、トレードオフとも言えます。
外装面は実にヤマハ的な手法で削り落としており(塗装済み樹脂パーツ減/そもそもフェアリング面積減)、結果的に極端な安っぽさはなく、いい意味で今までのスズキっぽくない仕上がりになっていますので素直に称賛できると思います。

②令和になってもキーオンで点灯するヘッドライト
別にその所為で何か困ることは少ないんですが、キーオンではポジションやデイライトだけが付き、セルスタートでヘッドライトが点く…
というのが他社だと常識になりつつある気がするのですが(もう20年くらい前から)相変わらずキーオンでヘッドライトが煌々と点灯します。
まぁ、別にいいんだど…ねぇ(笑)

③25年を待たずにカラーにしてほしかった液晶メーター
これも別に困ってはいないんですが、他メーカーは元より、社内の下位モデル(GSX-8S/R)ですらカラー液晶になっている状況なのにしばらく既存のLCD液晶であった点…
8Sと一緒に2023年頃に変えてしまっても良かったんではないか説を提唱します。
(まぁEuro5+対応のマイナーチェンジと合わせてやる、ってのは合理的でしたが)

④4,000rpm以下の極低速のトルクとその部分の電スロ制御
先ほど「乗りやすい」と称賛した部分とダブるのですが…
先代のS1000や同エンジンを搭載していた過去のR1000、特に自身が乗っていた初期(2001/2002)のR1000に比べると低速でのパンチが無いです。
先代は「低速からビンビン過ぎて乗りづらい」と評されたための反省と思いますが、このエンジンから低速トルクを奪ってしまうのはいかがなものかと思います…GSR750の頃ような「乗り手への優しさ=正義」的な作りに先祖返りしてしまった印象。
また、4,000rpm以下は眠いのに、Aモードだと4,000rpm以上から唐突にパワーが出るのでやや乗りづらいなど、このあたりは結構不満を感じております。(ていうかモードセレクト付いてるんだから、Aモードは下からビンビンでB,Cはまったりという特性にできたんじゃなの?という不思議…おそらく年調・点火マップレベルで去勢されているんだろうけど…)
ECUの書き換えで下からガッツリ特性に変更できるようなので検討中です。
※とは言え、この系譜のエンジンでは初代(R1000 2001)以降低速域は乗りやすさ重視のマイルド志向らしく、自身が初代の印象が強すぎての思い出補正が掛かっているだけなのかもと思い始めてもいます…

⑤未だコスパ良いが先代比で爆増した価格
先代の小売価格は¥1,141,840-(税込み)でした。
当然先ほど申し上げた「実勢価格」が存在し、お店によっては「100万円切る乗り出し価格」で販売されていました。
正直な話この価格面でのインパクトが初代が爆売れした、最たる理由だと思います。
現行はそれから30万円弱ほど値上げしており、電制などが充実したとはいえ主要機関はほぼキャリーオーバーの「ビッグマイナーチェンジ」な内容から考えると、少し値上がり過ぎではないかと思いました。
ただし、これにはどうやらカラクリがあるようです。それは
★先代は日本だけグローバル価格よりかなり安く設定されていた
★極端な円安でそういう施策が難しくなった
上記の2つと思いました。
まず、前者ですが初代S1000は日本市場にかなり気合を入れていたようで、海外輸出仕様の定価設定(現地の$や€の¥換算価格)よりもかなり値下げした、攻めた定価設定だったようです。
(ソースとして、EU仕様のS1000は現行発表時「600€の値上げ」とアナウンスされており、日本の30万円アップと辻褄があわない)
先代はスズキの売りたいという気持ちと、当時市場で話題になっていたMT-09などのコスパアッパーミドル級と競合させる意味であえて極端にコストを下げた向きがあると感じます。
シンプルに新型S1000にそれほどの訴求力を期待できなくなったことと、グローバル価格との差が、円安の影響でより極端になってしまう問題(ある程度世界標準に合わせる必要がある)を解消するべく極端な値上げに踏み切ったと思われます。
(そうしないと、正規輸入するより日本仕様を並行輸入した方が安いという状況になりかねないため)
(それでも海外価格×現状のレートよりは安い)
個人的には先代+10~15万円のアップだったら嬉しかったです。

⑥令和になってもアキシャル(横)マスターシリンダーは辛い
先代発表時、GSR750までの「コスパ優先」の文脈から外れ、主幹部分は意識の高い構成で発表されたことに驚いたものです(アルミフレーム/スイングアームなど)
それはブレーキシステムも同様で、GSX-R系からのキャリーオーバー(使いまわし)の所謂“スズンボ”とは言え、ラジアルマウントモノブロックキャリパーを搭載し、ニッシンとは言えラジアルポンプマスターシリンダーを純正状態で搭載していたことは英断でしたし、初めてバイク屋で見たときも感心したものです。
それが何故か。何故なのか?
現行でアキシャル(横)マスターに先祖返りしてしまい、正直困惑を禁じえませんでした。
ニッシン製ラジアルポンプであればせいぜい「数千円」のコスト差であると推測されるのですが、それまでして削る必要があったのか?
はっきり言ってこの変更は非合理過ぎて、「コスト以外に変更せざるを得ない、やむを得ない事由があった」と考えるのが自然とすら思います。
雑誌(Web含む)では問題視されるどころか「奥で利く」と何なら褒められていますが、全然よくないです。
令和も7年が過ぎようという昨今に、bremboモノブロックとニッシンアキシャルをさも当然顔で組み合わせるのはもはや犯罪的ではないでしょうか?
こちら、筆者は納車から3時間後には社外のラジアルポンプマスターへ付け替え致しました。
※同情的な推測をすると、GT/GXに搭載されたクルコンシステムがアキシャルでないと機能しないタイプでやむを得なかったではないかと推測します(初代MT-10もこの理由でアキシャルだった)
クルコンのないS1000と刀はラジポンのままで良かったはずですが、スケールメリットの都合でシリーズ統一のマスターになった説を提唱します。

何故GSX-S1000を買ったのか

これについて結論を言うと
■新型でた時点でデザインもスペックもぶっ刺さりで欲しかった
■そもそもずっと「スズキもといGSX-R(S)」推しである

という2つで終わってしまうのですが、以前の投稿の通り筆者は2023年MT-09を新車購入しています。
それを僅か1年半でS1000に乗り換えているわけですが
『なんで最初からS1000買わなかったの?』
という疑問が出てくるかもしれません。

実際、2023年にバイクの乗り換えを検討し始めた当初は「MT-09とS1000の2台を実際に比較(可能であれば試乗)して買おう」と思っていたのですが…

2023年は新車でGSX-S1000が(安く)買えなかったのです。

簡単に言うと
・首都圏に希望色のS1000を(実勢価格で)売っている店がない※
・中古は新車並みかそれより高い価格帯になっている
という状況で、実勢価格でかつ希望の色(当時はグレーかブラック)のモデルを適正価格で入手するには九州とか広島に遠征して購入するしかないような状況でした。

ちなみに通常は実勢価格でS1000を扱っている首都圏の販売店がこの時期に同車を取り扱っていなかった理由はひとえに『メーカー在庫がなかった』こと。
23年モデルのS1000はカラーチェンジもなく22年からの据え置きという扱いではあったのですが、どうやら極わずかな台数しか生産及び在庫がなされなかったようです。

このような対応になった理由を素人なりに考察すると
『プラットフォームを共有する兄弟車のデビューにリソースを割かれた』
のではないかと考えています。(S1000GT/S1000GXが相次いで発表)
あとは
『シンプルに日本であまり売る気がない』
なども考えられるかなと思います…(売れ筋ではないと言え発売から2年のモデルのデリバリーをしないのって…)
結果として同年の秋頃に24年モデルが発表され、ニューカラーでデリバリーが再開したので「もう半年我慢すれば買えたのに」状態ではあったが、まぁ結果論なので致し方ないかと…
何にせよ、NEWバイク(ネイキッド)を求めていた私は、当時たまたまディーラーに即納在庫があったMT-09を購入したのです。
そこで09が自分と100%フィットすれば乗り換えはなかったかもしれないですが…
■普通に実勢価格で買えるようになった(在庫豊富)
■24年のカラー(マットソードシルバー)がカッコよすぎる

という2つの理由で、我慢できずに乗り換えを決断したのでした。
結果大満足です!

素人なりに乗車レビュー(走行4,000kmくらい)とまとめ

電スロでより優しく、そして過激になりながらも「安心感」と「懐かしさ」のある乗り味

過去に隼やR1000を2回、GSR750とスズキ車に乗り継いでいた筆者にとって、本モデルの目新しい部分と言えばやはり自身初となる『スズキの電スロ』(ヤマハは経験あり)です。
電スロの味付けについては、上の「良いところ・微妙なところ」にも書いたが一長一短ありつつ全体的に良い仕上がりだと思います。
低速域のファジー(曖昧)なスロットル操作にについて、『あえてディレイ』することで“急な挙動”が極端になくなっています。
これは本当に乗りやすいんですが、逆に「マシン側にコントロールされている感」や「(低速域限定ですが)スロットル操作へのリニアさ、レスポンスの良さがない感」を禁じ得ません。

しかし低速からビンビンのスロットルレスポンス、トルクというのは、おそらくですが大多数の、それこそ街乗りやツーリングが中心のライダーにとっては「乗りずらい」や「要らない」と判断されるような部分だったでしょうし、4,000kmほど乗って「慣れた」筆者にとっても、気難しさがなく本当に「楽」なので良い部分と思い始めました。

それよりも今回搭載されたS-DMS(モードセレクト)の過激なモードであるAモード。
これの中速域以降のレスポンスとパワーの立ち上がり方は、ECU書き換えしたR1000のそれを凌ぐほどで、良くも悪くもヤバいです(笑)
電スロ車がバイクに導入し始めの頃言われていた「電子ハイスロ」という言葉がしっくりする作りで、初期のヤマハAモードに近いものを感じます。

GSR750に乗っていた時特に思っていたのが、スズキは万人受けを狙ってかマシンの味付けを極端に丸く(優しく)作りがちで、ある程度経験値のあるライダーにはこれは不評だったと思います。
Ducatiやヤマハのモードセレクト車は「分かりやすく“過激”」なモードがあり、これが個人的には非常に好印象だったため、ようやくスズキもそう言ったマシンに仕上げてくれたことを喜ばしく思いました。
※余談ですがはじめてMT-10に試乗した際、Aモードで乗っていたら自分のイメージよりもスロットルが反応し過ぎて普通にフロント浮いてきてしまって焦ったことがありますが、今回のS1000もそれに近いですがマシンのディメンションの問題(と思う)でフロント浮くとかはないです。

上記のようにマシンのエンジン、スロットル特性は選択次第でかなり過激に進化しているS1000ですが「シャシー特性」というか「ハンドリング」については『非常にスズキらしい』というか…
過去に私が乗っていたスズキ(の4発、GSX-Rの血統)車を踏襲した、よく言うと「安心感のある」、悪く言うと「ややもっさり目」なものとなっております。

直前に乗っていたMT-09との違いが顕著なのですが、S1000もといスズキのストリートファイター(+隼や初期GSXーR)は、これは私の「感覚」の話でもあるのですが『比較的フロントに重量感がある』乗り味になっていて、曲がる際にフロントから”ゴロン”と寝かせて走る感覚があります。
これがヤマハのMTだと、本当にフロントの重量感が少なく「怖いくらいヒラヒラ」なので、かなりの違いを感じます。
これだけ書くと、S1000のハンドリングはもっさりで微妙なんじゃないかと思われるかもしれませんが、フロントに重量感がある=常に設置感があり安心感がある、ことの裏返しなので私としてはただのデメリットとは思っておりません。
実際ジムカーナ系の競技レベルでも活躍しているマシンですので、セッティングやカスタム、なにより乗り手の腕次第では超絶ファイターマシンへ化けますので、バキバキのスポーツマシンを期待している方も裏切りはしないと思います。

ディテールは…だがGixxerの血統であるということによる所有感

SUZUKIロゴステッカーが抜き文字でなかったり、ロボット施工だから仕方ないけどフレームの溶接汚すぎ等々細かい残念な部分はありますが、GSRから続いた異形ハロゲン1灯を廃した2灯LEDヘッドライトはまずシンプルにかっこいい(流用されすぎ感ありますがw)ですし、スズキのネイキッドの新時代到来を感じさせますし、全体的に直線基調になったデザインは賛否あるとは思いますが私にはとてもツボです。
ちなみに、このモデルを始めここ最近のSUZUKIは良くも悪くも『非常に一時のYAMAHA的な“引き算”のデザイン』を導入してきていると思います。
うまく説明するのが難しいのですが、S1000でいうと初代⇒現行で大幅な外観刷新がありましたが『塗装パーツ』自体はかなり減っており、無塗装樹脂(黒)で全体を形成した上で、一部にかぶせる形で塗装パーツを配す、第二世代のMT-09などで用いられた手法が使われていると思います。
これが引き算デザインの意で、塗装面積大幅減しているので『実際は先代モデルやかつてのコスパモデルGSRなどより、コストダウンしている』だろうと思っています。
見せ方でうまく誤魔化しているけども、本質的には「値上げ前の全モデルより安い(お金かかってない)のでは…?」と、私のような穿った見方をする人間は考えちゃいますね(笑)(最近のバイクに限らず、自動車・家電に多いデスヨネ)
それはさておいて、件の『引き算デザイン』は個人的にはうまくいっている(安っぽくは見えない)と思っております。

テールカウル(と呼んでいいのか?)とヘッドライトカウルはともに極小だが、無塗装の上に重ねて配置することで「立体感」が出ており、ある意味で近代的なカッコよさを演出している。ちなみにS1000のが後発だからパ〇r…(略)


そして何よりも、マシンが抱いているエンジン…K5 GSX-R1000の心臓が載っているという事実が、私のような狂信者にはそれだけで最強のエモクラシーなので満足です。

2005年WSBKチャンピオンマシンGSX-R1000を駆るトロイ・コーサー

クルコン・ETC・カウル無、燃費も微妙、それでも…

最近だとETC車載器の標準搭載が当たり前になってきて、電子スロットルのバイクだとクルコンもついてきたり、大型バイクの快適化が加速しておりますが、S1000の無印にはその類の標準装備は一切ありません。
また、燃費も今のところ平均15km/Lとリッターのスポーツバイクとしては標準かやや悪、バイク全体からしたらかなり悪い部類ではないでしょうか。
19Lに増強したタンクをもってしても下道中心かつ、市街地走行も含めるとギリギリ300km走破できません。
また4気筒車としては振動も多めで、アイドリングの段階からブルブルと車体が鼓動してますし、エンジンのメカノイズも大きめです。
ここまで書くと、もはやネガキャンなのではないかと疑われかねませんが、筆者個人としては全く違います。
こういったネガ要素がむしろ、バイクのポテンシャルや「ほとばしる野生」に裏打ちされているように感じます。
好みの問題ですが筆者としては「生」を実感できる、非常によいモデルだと感じています。

しばらく乗るつもりです…

今回のモデルはなかなかに気に入っているので、しばらく乗るつもりです。
とは言え過去の「遍歴」投稿を見て頂くとわかる通り、アホほど乗り換えてきた身なので説得力が無いかもしれませんが、ありがたいことに今のところこのモデル以外に心ときめく状況が発生していなく、それに該当しそうなニューモデルも出てこなそうですので…
(増車したい候補は一生ありますが)

長くなりましたが一旦これにて〆たいと思います。
思いがけぬ長文になってしまいましたが、何卒宜しくお願い致します。


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