【美術展2025#31】リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s@国立新美術館
会期:
・東京展:国立新美術館
2025年3月19日(水)~6月30日(月)
・神戸展:兵庫県立美術館
2025年9月20日(土)〜2026年1月4日(日)
1920年代以降、ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエといった多くの建築家が、機能的で快適な新しい住まいを探求しました。
その実験的なヴィジョンと革新的なアイデアは、やがて日常へと波及し、人々の暮らしを大きく変えていきました。本展覧会では、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点に着目します。そして、傑作と称される約14邸を中心とした世界各地の住宅を、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィック、映像などを通じて多角的に検証します。本展覧会でご紹介する住宅建築のモダニティは、今も息づいています。本展覧会は、私たちの暮らしと住まいを見つめ直す機会にもなるでしょう。
21_21 DESIGN SIGHTでのジオ・ポンティ展から近場の新美術館へ建築系展覧会をハシゴする。
会場入ってすぐ。
何やら注意書きが。

この白い窓の手前側(エントランス側)からのみ会場内全景を撮影いただけます。
※展示室内は一部の作品(モックアップ、模型など)をのぞき撮影禁止です。
※📷OKマークが付いている作品のみ撮影可。
ぱっと見難解な言い回しの撮影ルールに戸惑う。
会場全景なんかはどこで撮っても変わらない気もするが、…まあいい、ルールに従おう。

本展は、20世紀の住宅における革新的な試みを7つの観点(衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープ)に分類して、模型や資料を用いながら建築家たちの挑戦や実験を探る、という内容だ。
いくつか気になった作品を挙げてみる。
ルイス・カーン / フィッシャー邸:1967年
観点:「窓」「ランドスケープ」


大きな窓。
採光用の窓、景色を見るための窓、風を取り入れるための窓、それらを合わせて一つの大きな壁面を構成している。
高低差のある家いいなあ。


エーロ・サーリネン / ミラー邸:1957年
観点:「調度」「ランドスケープ」

広い平屋の家もいいなあ。

ハーマンミラーのテキスタイル部門デザインディレクターだったアレクサンダー・ジラートによるファブリック等の調度品が並ぶ。
Vitra社が復刻生産しているWooden Dollも多数並べられていたが、そちらは残念ながら撮影不可。
ハーマンミラー繋がりだろうか、イームズのシェルチェアも用いられていたようだ。

アルヴァ・アアルト / ムーラッツァロの実験住宅:1954年
観点:「ランドスケープ」「衛生」「素材」


贅沢な空間。
思いっきりバーベキューができそうでいいなあ。

アアルトといったらワタシ的にはやはり《スツール60》などArtek社の椅子や机の印象が強いが本来は建築家なのだ。

ジャン・プルーヴェ / ナンシーの家:1954年
観点:「素材」「調度」「ランドスケープ」


自ら重機で山を切り開いて土地を整形し、部品工場にあった素材を調達して即興的に組み上げたという家。
プルーヴェのインダストリアル感がそのまま現れている。


2022年に東京都現代美術館で行われた「ジャン・プルーヴェ展」も記憶に新しいが、あの時に出品されていた前澤友作氏のプルーヴェコレクションの一部が今回も出品されていた。

スタンダードチェアはVitraから復刻版が販売されている。
我が家でもダイニング用として検討したことがあったが座面がちょっと高いので座り心地がしっくりこずに断念した。
プルーヴェのスタンダードチェアは、頑丈で実用的かつ美しいデザインでとても好きな椅子なんだけどなあ。
座高43cm以下のモデルを出してくれたら買う。
結果我が家ではマリオ・ベリーニのCab413とアーム無しの412を採用。
美しさ、佇まい、座り心地、机との相性など全てお気に入りの逸品。
ちなみに我が家のものはCab35周年記念の2012年限定シボ革仕様。

フランク・ゲーリー / フランク&ベルタ・ゲーリー邸:1978年
観点:「素材」「キッチン」「メディア」

古い様式のバンガローを増築拡張した住宅。
この面から見ると一見普通なのだが、

こっちから見るとやっぱりゲーリーだ。

私は学生に自分らしくあれと言っている。学生時代に最もすべきことは他人の真似じゃない。ゲーリーやライトになろうとせず、自分らしく周囲の動向に好奇心を持ち、それに反応することだ。それが成功へのカギだ。
個人的にはゲーリーの建築はあまり好みではないのだが、その飽くなき好奇心や探究心は見習いたいと思っている。
建築家はその時代ごとの課題に対し、建築とデザインで挑戦してきた。
新しい素材や技術を武器にして課題を解決することもあれば、実験として終わってしまうことや自然の脅威に敗北することもあった。
だがいつの時代も変わらずに「豊かな暮らし」を目指していた。
特に一般住宅においては「物質的な豊かさ」だけでなく「精神的な豊かさ」を追求する挑戦でもあっただろう。
しかし、いつの時代でも朝さわやかに目覚め、夜心地よく眠りにつく生活というのは、住宅だけが整っていても成し得るものではない。
時代や環境に応じて人が求める豊かさは変化するが、まずはそこに住む私たち自身が、精神的安定や健康などを維持しつつ、仕事とプライベートのライフワークバランスを整えながら1日1日を大切に生きることが肝心だと改めて思った。
2階では無料で入れるエリアに、クラウドファンディングによって集められた資金により、ミース・ファン・デル・ローエが構想した「ロー・ハウス・プロジェクト」(1931年)の実寸大模型が建てられていた。


バルセロナチェアの正規ライセンシーであるKnollのHPを開いてみたら、なんと2025年3月31日でKnoll Japanが解散とのこと!これにはびっくり!!

エーロ・サーリネンやハリー・ベルトイアなどの正規ライセンスも持つアメリカンミッドセンチュリーの雄Knoll。
日本の総代理店がなくなることで価格にも影響してますます手が届かなくなってしまいそうだ。
その奥は「リビング・モダニティ today」と題し、各家具メーカーの見本市のようになっていた。
椅子好きの私としては物欲が疼いてしまう。

先日のコルビュジエ展同様、今回もCassinaからメーリングリストでアナウンスが届いていた。

Cassinaは今年シャルロット・ペリアン コレクション20周年ということでペリアン激推しである。
(看板の色使いはどうかと思うが…)

かくいう私もペリアン好きである。

《REFOLOソファ》《MEXIQUEテーブル》
《LC1(セルフカスタム)》 《BERGERスツール》
YAMAGIWAのブースはフランク・ロイド・ライト推し。



Knollブースでは前述の通りKnoll Japanが消滅してしまったので、国内販売を引き継いだinter officeが出展していた。

カリモクのニューライン「KARIMOKU CASE」。
そして展示コレクションのデザイナーはなんと建築界の巨匠ノーマン・フォスター!

そしてMolteniブースよりジオ・ポンティ。

こちらのフロアでは有名建築家たちのデザインした椅子や家具が多数並べられ、実際にいくつもの名作椅子に座ることができたので椅子好きの私は大満足であった。
【美術館の名作椅子】↓
【美術展2025】まとめマガジン ↓
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます。励みになります。