【美術展2025#102】織田コレクション ハンス・ウェグナー展@ヒカリエホール
会期:2025年12月2日(火)〜2026年1月18日(日)
織田憲嗣氏のウェグナー・コレクションは、半世紀以上にわたる研究・収集活動の中核をなし、世界屈指の質と量を誇ります。その中でも《ザ・チェア》の笠木に籐が巻かれたオールドタイプといった初期モデルは、織田コレクションの象徴的存在です。本展ではこうした希少作品を含む《ザ・チェア》のほか、体系的に収集された椅子約160 点とその他家具をご紹介。ウェグナーの生涯を3 期に区切り、家具メーカーとの協働とその特徴を俯瞰しながら、92 年の生涯を紐解きます。タイムレスな魅力を持つ名作椅子の数々を、ヒカリエホールの大空間で一度に目にすることができる大変貴重な機会となります。
名作椅子界隈では有名な織田コレクションを元にした展覧会。
近年行われた織田コレクションを元にした名作椅子展も記憶に新しい。↓
ポール・ケアホルム展と同様に、会場構成は建築家の田根剛氏が手がけている。
ポール・ケアホルム展は写真撮影不可だったが、今回は一部条件付きだが基本的には撮影可だった。

名作椅子の中の名作椅子《ザ・チェア》
J・F・ケネディ大統領も座った椅子ということで有名だが、オバマ大統領も座った。


シンプルで美しく、かつ座り心地も最高に良い。
まさに、ザ・名作椅子。
展覧会はヨハネス・ハンセン時代のヴィンテージ《ザ・チェア》からスタートする。

最初の部屋にはキャリア初期の椅子が並ぶ。


後期のデザインに比べればまだまだ垢抜けないが、とはいえ同時代に於いてはやはり他とは一線を画したスマートさ。
超精巧な1/5ミニチュア。

Vitra製かと思ったら日本人家具職人濱田由一氏の作だそうだ。
こちらはVitra社のもの↓
次の部屋には解体された椅子たちが並ぶ。

まさにこれ状態のものを見ることができる↓

《CH24》、通称《Yチェア》の座面は120mのペーパーコードで編み上げられている。


Yチェアのメイキング↓
映像部屋を抜けた先の部屋にはダウンライトで照らされる椅子達。


そしてその先の広いホールに惜しみなく並べられた椅子たち。
吊るされた照明は明るくなったり暗くなったりしながらそれぞれの椅子を照らしている。



1950年、戦時中の物資不足の中であまり一般に知られていなかったペーパーコードを素材として座と背に使用している。
一脚に使用される長さは400mにも及ぶとのこと!
Carl Hansen&Søn社の正規ものは、お値段一脚540,000円から。
国立新美術館には10連で並んでいる↓

@国立新美術館
一人で手がけたとは思えないほどデザインは多岐にわたる。


展示室を出ると体験コーナーがあり、実際に名作椅子に座ることができた。


《CH07》は新美術館やトーハクにも大量に並んでいる。

@東京国立博物館
このコーナーではなんと《ザ・チェア》(現行モデル)にも座ることができる。
お値段一脚120万円超!ヒエ~~((((;゚Д゚))))ガクブル

《ザ・チェア》に多大な影響を受けたであろう深澤直人の《HIROSHIMA》も美しいが、《ザ・チェア》の圧倒的存在感の前にはやはりひれ伏さざるを得まい。
最後は家具屋の展示販売のようなスペースになっていて実際に買える。
こちらも自由に座れたので一通り座りまくった。

「ウェグナーのある暮らしをはじめよう」につられてついポチりそうになってしまう。あぶないあぶない。

ウェグナーの椅子は見たり触れたりするとやっぱり欲しくなるのだけれども今の我が家の方向性とは少し違うので北欧ものは控えている。
とはいえスツール60やルイスポールセンの照明は愛用していたりするのだが。
以前はイームズなどのアメリカンミッドセンチュリーが好きだったが、ここ最近はフランスのミッドセンチュリーやイタリアの70年代くらいのデザインがお気に入り。
シャルロット・ペリアン、LCシリーズ、cabチェアなど(やはりCassinaは素晴らしい)を中心に蒐集、愛用している。

《REFOLOソファ》《MEXIQUEテーブル》
《LC1セルフカスタム》《BERGERスツール》
我が家でダイニングの椅子を選ぶときに本気でYチェアを検討したのだが、肘掛け部分がテーブルの高さと干渉してしまうことがネックになり断念した。
座り心地もいいし単体だとめちゃかっこいい椅子なのにそこだけが残念。

結果こうなった↓

今展にMOA美術館の《Japan Chair》があれば完璧だったのになあ、なんて思ってみたが、今回は織田コレクションの展示なので仕方ないか。

MOA美術館開館前に、什器となる椅子の調達を託されたアクタスの社員がデンマークへ赴き、「美しく、上質で、長く愛される家具が、この日本の新しくできる美術館には必要なのだ」と現地家具メーカーへプレゼンを行った。
その様子は現地の新聞にも大さく取り上げられ、程なくしてなんとハンス・J・ウェグナー本人から「ぜひ協力させてほしい」と直接連絡が入った。
その後試行錯誤を繰り返して完成した椅子がこのジャパンチェアだ。
MOA美術館のための特別仕様のためもちろん非売品で世界中にここにしかないという完璧なストーリー。
美術館の誕生と同時に産まれ、ともに歴史を歩んできた超貴重な名作椅子だ。
今展の図録はものすごいボリューム。
もちろん買った。

ということで椅子好きの私としてはとても楽しみにしていた展覧会だったが、想像以上に充実した内容で大満足だった。

椅子好きの方はすでにご存知の方も多いだろうが武蔵野美術大学の椅子コレクションも素晴らしく、さらに独自のアプリまで作成しておりこちらもお勧めだ。
ウェグナーの椅子は日本でも多くの美術館・博物館に置かれているので名前は知らずとも実際に座ったことがある人も多いはずだ。
そしてウェグナーに限らず美術館・博物館では近代デザイン史上の名作椅子が実際に座れる什器として置かれていることが多い。
お出かけの際にはぜひ私の【美術館の名作椅子】を参考に名作椅子を楽しんでいただきたい。(宣伝)
【美術館の名作椅子】まとめマガジン↓
【美術展2025】まとめマガジン↓
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます。励みになります。