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【企業研究 第13回】Aoba-BBT(2464)|AI・リスキリング需要を追い風に、教育会社が利益成長局面へ

今回研究する企業は、Aoba-BBT(証券コード2464)です。

Aoba-BBTは、インターナショナルスクール、大学・大学院、法人研修、オンライン教育などを展開している教育会社です。

同社が掲げるビジョンは「Lifetime Empowerment」。

幼児から社会人まで、一生涯学び続けられる環境を提供することを目指しています。

税理士も、毎年の税制改正や制度変更に対応するため、学び続けることが欠かせない職業です。そのため、教育やリカレント教育を事業としているAoba-BBTには、個人的にも興味を持ちました。

財務内容が良く、業績も改善しており、株価にも割高感がありません。ただし、売上高が急成長している企業ではないため、大量購入ではなく、まずは1単元からという評価です。

■第一印象は、財務内容の強さ

四季報を読んで、最初に目を引いたのが財務内容でした。

2026年3月期末の自己資本比率は63.6%。有利子負債も少なく、財務の安定性はかなり高い会社です。

現預金は約30億円ある一方、借入金は非常に少なく、実質的には大幅なネットキャッシュ状態です。

前期の営業キャッシュフローもプラスを確保しており、本業でしっかり現金を生み出しています。

ROEは実績で5.9%、会社予想では8%台への改善が見込まれています。

現時点のROEが特別高いわけではありませんが、借入金に依存せず、利益成長によってROEが改善していく点は評価できます。

■第1四半期は大幅な増益

2026年8月7日に発表された、2027年3月期第1四半期の業績は次のとおりです。

売上高は18億7,300万円で、前年同期比2.6%増。

営業利益は1億3,500万円で、同78.0%増。

経常利益は1億3,500万円で、同73.2%増。

親会社株主に帰属する四半期純利益は7,300万円で、同222.1%増となりました。

売上高の増加率は2.6%にとどまっていますが、営業利益は78%増加しています。

営業利益率も前年同期の約4.2%から約7.2%へ改善しました。

特別利益によって純利益だけが増えたのではなく、本業の営業利益が大幅に増えている点が、今回の決算の大きなポイントです。

■インターナショナルスクールが安定成長

Aoba-BBTの事業は、大きく「プラットフォームサービス事業」と「リカレント教育事業」に分かれています。

プラットフォームサービス事業の売上高は11億2,200万円で、前年同期比4.2%増。

セグメント利益は1億6,400万円で、同11.1%増となりました。

同事業の中心となるのが、インターナショナルスクールです。

グループ全体の生徒数は1,600人を超えており、旗艦校であるアオバジャパン・インターナショナルスクールは、2026年4月に過去最高となる828人の生徒数で新年度をスタートしました。

サマーヒルインターナショナルスクールとムサシインターナショナルスクール・トウキョウも、前年と比べて生徒数が10%以上増加しています。

学校事業は、入学後に一定期間通学することが想定されるため、授業料という継続収入が見込めます。

生徒数が安定的に増えている限り、比較的予測しやすい収益構造と考えられます。

今後は石川県金沢市で新たな教育モデルを開始し、九州や関東地方への展開も検討しています。

東京都心だけでなく、地方へ事業を横展開できるかも注目したいところです。

■リカレント教育事業の赤字が大幅縮小

リカレント教育事業の売上高は7億4,900万円で、前年同期比0.8%増。

セグメント損失は2,600万円でした。

まだ赤字ではありますが、前年同期の7,400万円の赤字から、約4,800万円改善しています。

今回の営業増益に最も大きく貢献したのは、この赤字縮小です。

ビジネス・ブレークスルー大学大学院では、2025年10月と2026年4月の入学者合計が前年同期の177%となりました。

オンラインMBAは、海外留学と比較して費用や時間を抑えられるため、物価高や円安も追い風になっています。

法人向け研修では、生成AIを活用したリスキリング研修や、大手企業向けの新人研修が業績に貢献しました。

AI活用、DX人材育成、次世代経営者育成といった分野は、今後も企業からの需要が期待できます。

ただし、Aoba-BBTを「AI企業」と考えるのは少し違います。

現在の利益を支えているのは、インターナショナルスクールを中心とした教育事業です。

AI研修は今後の成長要素ではありますが、現時点では本業に付加価値を加える事業として見るのが適切だと思います。

■自己資本比率の低下は財務悪化ではない

第1四半期末の自己資本比率は54.8%となり、2026年3月期末の63.6%から低下しました。

数字だけを見ると、財務が悪化したようにも見えます。

しかし、その主な理由は、新年度の年間授業料を前もって受け取ったことです。

現預金は約30億円から約42億円へ増加しました。

その一方で、まだ授業を提供していない分の前受金に当たる契約負債も、約17億円から約28億円へ増えています。

年間授業料の受領によって、資産と負債が同時に増えたため、自己資本比率が低下したものです。

借入金が大幅に増えたわけではなく、財務の安全性に問題が生じたとは考えていません。

ただし、現預金の一部は今後の授業提供に対応する前受金です。そのため、約42億円すべてを自由に使える余剰資金と評価するのは適切ではありません。

■通期では営業利益38%増を計画

2027年3月期の会社予想は、売上高79億6,800万円、営業利益6億2,800万円、純利益3億9,300万円です。

前期比では、売上高3.9%増、営業利益38.1%増、純利益43.6%増を見込んでいます。

会社は今回の第1四半期決算を受けても、通期予想を変更していません。

第1四半期の進捗率は、売上高が約23.5%、営業利益が約21.5%、純利益が約18.6%です。

前年同期比では大幅な増益ですが、通期予想を大きく上回るペースとまでは言えません。

現時点では「上方修正期待」よりも、「通期計画達成に向けて順調」と評価するのが妥当です。

■最大2億1,000万円の自社株買い

今回の決算と同時に、自社株買いも発表されました。

取得する株式は上限70万株、取得金額は上限2億1,000万円です。

取得期間は2026年8月10日から2027年8月9日までとなっています。

会社発表によると、取得株数の上限は発行済株式数の5.05%に相当します。

時価総額約49億円の会社による最大2億1,000万円の自社株買いは、決して小さくありません。

自社株買いが実施されれば、市場に流通する株式数が減り、1株当たり利益の向上や株価の下支えが期待できます。

■株価には割高感なし

決算発表後最初の取引日となった2026年8月10日の終値は343円でした。

決算発表前の327円から16円上昇し、上昇率は約4.9%です。

343円を前提にすると、会社予想EPS31.11円に対する予想PERは約11倍。

PBRは約0.94倍、予想配当利回りは約3.2%です。

業績が改善しており、自社株買いも予定されていることを考えると、現在の株価に強い割高感はありません。

年間配当は11円の予想です。

増配が続いている会社ではありませんが、予想配当性向は約35%であり、現在の利益水準であれば配当を維持する余力はありそうです。

■注意したい点

良い材料が多い会社ですが、リスクもあります。

まず、売上高の成長率はそれほど高くありません。

今回の大幅増益には、売上総利益の増加だけでなく、販売費及び一般管理費の減少も寄与しています。

今後も利益を伸ばすためには、コスト削減だけでなく、売上高の成長が必要です。

リカレント教育事業も、赤字は縮小しているものの、まだ黒字化していません。

また、貸借対照表には約10億9,000万円の「のれん」が計上されています。買収した学校や事業の業績が悪化すれば、減損損失が発生する可能性があります。

さらに、Aoba-BBTは時価総額約49億円の小型株です。

大型株と比べて売買高が少ないため、業績とは関係なく株価が大きく動く可能性があります。

■最終判断は「100株なら買い」

Aoba-BBTについては、100株であれば購入を検討してよいと判断しました。

財務が健全で、インターナショナルスクールの生徒数も増加しています。

リカレント教育事業の赤字も縮小し、AIやDXに関する法人研修も伸びています。

予想PER約11倍、PBR約0.94倍、配当利回り約3.2%という株価水準にも割高感はありません。

さらに、最大2億1,000万円の自社株買いも株価の支援材料になります。

一方で、売上高の成長率はまだ低く、リカレント教育事業も赤字です。

そのため、最初から200株、300株と購入するのではなく、まずは100株を保有し、今後の決算を追いかける方法が適していると思います。

購入する場合は、決算後の上昇を成行注文で追いかけるのではなく、340円前後の指値を第一候補にしたいところです。

350円を大きく超えるようであれば、いったん待つ判断も必要です。

教育は、人が成長し続ける限りなくならない事業です。

その教育に、国際化、オンライン化、AI、リスキリングという成長テーマを組み合わせている点が、Aoba-BBTの面白さだと思います。

今後は、リカレント教育事業が黒字化できるか、生成AI研修が継続的な収益源になるか、地方展開が成功するかを追いかけていきます。

※本記事は、企業研究を目的として作成したものであり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の責任でお願いいたします。

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