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本の原稿「はじめに」は、いつ書けばいいの? 

本の原稿書きでは、執筆の順番に悩むのもよくあることです。

とりわけ「はじめに」を最初に書くか、最後に書くかは私の周りでも意見が分かれるところ。
本章の一番重要な部分から書き始めて「はじめに」は最後に書くという著者もいれば、名前通りに最初に書かないと落ち着かないという方もいます。

つまるところ、どちらが正解ということはなく、本の趣旨や執筆スタイルなどによって決めてよいものだと思っています。

それでも迷ってしまう人のために、「はじめに」を先に書いた場合と後に書いた場合で、どんな違いがあるかをまとめてみました。

このブログを読んでいるあなたにとって、ぴったりくる「はじめに」の書き方を見つけるヒントとなればうれしいです。

ちなみに、私がKindle出版で電子書籍の制作をサポートするときは、著者の方には最初に書くことを勧めています。一方で、ライターとして本の原稿を執筆していたときは最後に書くことが多かったですね。その理由もお話ししていきます。


「はじめに」が購買行動を左右する

まず、本における「はじめに」の位置と役割を、簡単に確認しておきましょう。

読者が本で最初に目にするのが、カバー付きの表紙です。その表紙をめくると本のタイトルを記した「本扉」のページがあり、次に現れるのが「はじめに」です。

言ってみれば「はじめに」は、読者が本の中で最初に出会う文章。ここを読んだ印象で、本を買うかどうかを決める読者が多いことを忘れてはいけません。

本の内容が端的にわかり、おもしろそうだ。
著者にも興味が出てきたし、本を読んだ後の自分の姿がありありと目に浮かんできた……。


と良い印象を持てば、本を手に取ったままレジへ向かう。
ネット購入ならそのまま購入ボタンをポチリと押す。

そんな購買行動を促す役割が、「はじめに」にはあるのです。

ことにKindle出版では、サンプルとして試し読みできる範囲が「はじめに」や目次までに限られていることが多く、本屋で購入するときのように全体をパラパラと読んで判断することができません。だからKindle書籍では「はじめに」に何を書くかはかなり重要。

こういったことを踏まえて、「はじめに」を最初に書くか、最後に書くかの違いを見ていきましょう。

最初に書くとコンセプトが定まる

「はじめに」を最初に書くことでよいのは、その本のコンセプトが最初にビシッと決まることでしょう。
コンセプトは出版企画書にも書いてありますが、最初に本の原稿に落とし込むことで著者の中でもコンセプトが定まり、その後の執筆では羅針盤となって働いてくれます。

本の原稿は、Kindle出版でも2万字ほどは書かなくてはなりません。この字数になると、途中でコンセプトを見失ったり、横道にどんどんとそれていったりすることが往々にしてあります。本の書き方に慣れていない著者はとくに陥りやすいものです。
でも、「はじめに」という羅針盤を見返すことで、進むべき道に戻ることができるのです。

私がKindle出版の著者に「はじめに」を最初に書くように勧めているのは、そうした理由から。
また、「はじめに」の原稿を元に著者とコンセプトをすり合わせておくことで、その後の原稿にも的を得たアドバイスができるようになると感じています。


後で書くと本全体を把握できる

私が商業出版で「はじめに」の原稿を書くときは、たいていの場合、最後に作成していました。それも、ほかの原稿をアップする時点ではなく、原稿に2〜3回校正が入った再校、三校の戻しあたりで。

このタイミングだと、大幅な修正も終わって本の内容がほぼほぼ確定していますから、差し替えの心配もなく原稿を書き上げることができるんです。

本全体を改めて読み通し、魅力や特徴などをピックアップして、ときには、本文では語りきれなかったメッセージを込めていく執筆作業は、まさに「仕事のしめくくり」だと感じていました。

このように、「はじめに」を最後に書くことで、本全体を把握しながら、内容や特徴を的確に紹介することができるといえます。


両方のタイミングを取り入れるという方法も

「はじめに」を最初に書くか、最後に書くかについて見てきました。

結局、どちらがいいかというのは一概には言えません。冒頭で書いたように、本の内容にもよるし、好みで決めても構わないものです。

両方のタイミングのいいとこどりをしてもよいかもしれません。
たとえば、最初に「はじめに」の素材を集めていったん書き出しておく。まだ文章をきれいに整えようとはしなくてOK。
他の原稿を作成していく中でふっと生まれた言葉や思いを「はじめに」の素材集に追加で書き留めておく。
そして最後の段階で、書きためた素材を構成して文章にする… …といったように。


自分のスタイルに合ったやり方で、「はじめに」の役割を意識しつつもリラックスして執筆してくださいね。




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松原ヨーコ/出版サポート&コンサル、ライター・編集者 よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。