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錦繡枕 第三巻(後半)

「錦繍枕」は元禄5年(1692)に伊藤伊兵衛のはじめての著作として
発表されたツツジとサツキの園芸専門書です。
このページは国立国会図書館所蔵公開の原本を、そのまま影印し
1頁づつに読み下し文を添えたものです。
なお読み下し文には、現代人に読みやすくするため、原著を損なわない範囲で手を加えました。
ところどころに、読解に四苦八苦している私たち😂😂 の“ナマの呟き”を差し込んでいます。
皆様のご意見 をお待ちしております。


錦繡枕巻三(3-18左)

■花のゑん
 かき地に あかきとび
 入 むじのかき むじ




錦繡枕巻三(3-19右)

 のあか もさく
■吉野山
 うすいろ 太りん花 
 のまわり白く はつ
 れ おおく 咲いては
 あたかも 桜の 古木を さ
 かりに 見るが ごとく

▲くわりん(かりん)
 花 なるほど くれ
 ないなる事 朱の
 ごとく 太りん 一所に



錦繡枕巻三(3-19左)

 多く あつまり 咲く
花形 葉 くちば に 
たがわず 冬 落葉
是を 紅躑躅(べにつつじ) 
映山紅杜鵑花 という なる
べし 杜鵑花(とけんか)は 
さつきの 異名とも
いえど 下学集には 
つつじの 花と見え
たり 尤にも 
此の花 朱
のごとくの 盛りも 其の
節 なれば也

㊟ 【杜鵑】にあえて(とけん)とルビが
         あるが、現代では(ほととぎす)と
         読むことが多い。ホトトギス鳥の口
        の中がギョッとするほど赤いことから、
        毒々しいほどの朱色の表現として使用
        されることがある。
  正岡子規の
        血吐けど 書くは止めざり 
                              ホトトギス

  の俳句にそのイメージがよく表われて
        いる。
  ちなみに「子規」もホトトギスと読まれる。
   

㊟【下学集】は室町時代に成立した国語
     辞典。江戸時代の元和3年(1617)に
     はじめて刊行された。18世紀以後
 【節用集】の隆盛におされてあまり
 利用されなくなった。

出典:Wikipedia




繡枕巻三(3-20右)

▲れんげつつじ
 花形くわりん に 似て
 色うすあかくして かわらけ色 太りん
 葉も くちば のご
 とく にて 冬 落葉
 せり




錦繡枕巻三(3-20左)

▲こくるみ
 花形 図の如く げにも つ
 ぼみ などは むける 
 くるみ の ごとく 色あ
 かし




錦繡枕巻三(3-21右)

▲こいかう
 なるほど こいくれ
 ない 小りん 恰も 
 きり嶋 のごとく
 枝ぶり さらりと
 して 立花前置
 に よしとぞ

▲うんりん
 こい むらさき 小輪



錦繡枕巻三(3-21左)

■くろふね 
 からのつつじ

錦繡枕巻三(3-22右)

 花は桜色 太りん 一所
 に あつまり 咲きて 石
 楠花 のごとく 葉は 
 図の如く よく柏に にて 
 大きし 
 右に図する 大きなる
 葉 にて 
 此の如く 車葉に 
 つく 或る人 此の枝を 立花の 胴作りに 
 つかわれし 至って 
 風流なりし

㊟【胴作り】池坊流立花の中心的な部位




錦繡枕巻三(3-22左)

■山まん重
 あかき まんよう 大りん
■かすがの
 うすむらさき 小りん
▲しうん
 こいむらさき 中りん




錦繡枕巻三(3-23右)

▲しろせんえ
 しろし
▲しろまんえ




錦繡枕巻三(3-23左)

 色白し
 葉 りゅうきゅう のごとく



錦繡枕巻三(3-24右)

■すその紫
 むらさき 少し あさひ
 いろ 小りん 二重
 なり

■江戸白
 〇一名 山しろ
 〇一名 落花の雪
  白 太りん 雪のごとく
  葉 りゅうきゅう に 
  ちと にたり



錦繡枕巻三(3-24左)

■むかしはつゆき
 なるほど白し 中りん

▲こむらさき
 むらさき 中りん

▲うすいろ
 〇一名 うすやう
  うすいろ 太りん
  葉 りゅうきゅう の
  ごとく



錦繡枕巻三(3-25右)

■しののめ
 べに色 ほっこり と
 して 大りん 花形 
 空にむきて さく
 花開きて 色少し うすく
 なり 又 ちるべき 前に 色出る

▲ききやう
 ききょう色 大りん




錦繡枕巻三(3-25左)

■あすか川
 うすいろ地に むら
 さきにて さきわけ



錦繡枕巻三(3-26右)

 有 あるいは 紫の む
 じ うす色のむじ
 さらさ かのこ いろ
 いろ さきわけ 年々
 かわりて さだまらぬ くるい花

▲かわりこくるみ
 花形 まえに 図する 
 こくるみ のごとく 色
 うすあかき 大りん



錦繡枕巻三(3-26左)

■紫だん
 むらさき 二重 中りん

■みのぶ紫
 うすむらさき 中りん

▲ここのえ
 あかき 八重 一重
 さく 大りん




錦繡枕巻三(3-27右)

▲ざいぎやう
 此の如くの 花形にて 藤
 いろ なり 大木に




錦繡枕巻三(3-27左)

 あつまりて 咲きたる
 は あたかも 藤のごとくにて
 おぼつかなく 見ゆ
 葉も 大きし
■からいと




錦繡枕巻三(3-28右)

 花形 まえに いう
 きんしで によく 
 にたり 金しで は 
 ふとく ながし から
 いと は なるほど ほそ
 し 色は あかし
錦繡枕巻之三 終

錦繡枕巻三(3-29右) 裏表紙





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