選挙で配れるチラシ枚数に上限があるのに、SNSは無限っておかしくない?
突然ですが、皆さん。
選挙のときに配ることが出来るチラシに枚数制限があることをご存じでしょうか。
市議会議員選挙なら4,000枚。
政令指定都市の市議会議員選挙なら8,000枚。
市長選挙なら16,000枚。
政令指定都市の市長選挙なら70,000枚。
などというように、選挙の種類によって配布できるチラシの上限が公職選挙法という法律で定められています。
「チラシなんて、配ってしまえば何枚配ったか分からないんじゃないの?」
そう思われる方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、そこはしっかり管理されていて、選挙のときに使うチラシには証紙というものを貼らないといけない決まりになっています。
選挙チラシはこうやって準備されている
選挙が始まると、選挙管理委員会から選挙で使える枚数分の証紙のシールが渡されます。
そして、その証紙シールを貼ったチラシで無いと選挙期間中に配布すると違反ということになってしまいます。
なので、選挙が始まったときは大忙しです。
冒頭に述べた枚数分のシールを、これから配る予定のチラシに1つずつ手作業で貼っていくのですから。
これ、めちゃくちゃ大変です。
冒頭では70,000枚までしか例を挙げませんでしたが、実は参議院選挙では最大300,000枚までチラシを配ることが出来ます。
そうなると証紙シールを貼らないといけない枚数も300,000枚と、とんでもない数になります。
これを、選挙開始の「よーいドン」と同時にチラシに証紙シールを貼り始め、シールを貼れたチラシから街角でチラシ配りを始めていくのです。
本当は自分の主張を伝えるために一刻も早くチラシをお配りしたいところなのですが、最初はチラシにシールが貼り終わってないので、その分チラシを配ることができない時間が発生してしまいます。
なので、各選挙の陣営では、選挙管理委員会から証紙シールを受け取った人は急いで選挙事務所に証紙シールを持って帰り、選挙事務所に帰るとさらに大急ぎで証紙シールを手作業で貼りまくるのです。
このAIで様々なものが自動化されていく令和の時代に、なんとも前時代的なことをやっていると思いませんか。
選挙チラシを配る人数も制限されている
そしてさらに、この選挙チラシを配るときにはさらなる制限があります。
チラシを配って良い人数が制限されているのです。
これについても、選挙が始まると同時に選挙管理委員会から人数分の腕章が渡されます。
そして、この腕章を付けている人しか、街頭演説などをしているときにチラシを渡すことが出来ないというルールになっているのです。
ちなみに、この証紙シールや腕章のルールは、極めて厳格に適用されます。
選挙という大勝負なのですから、不正は許されません。
警察が取り締まるのは勿論のこと、選挙期間中は、自分以外の相手陣営や、相手陣営を応援している人たちなども厳しく目を光らせていて、もし証紙シールを貼っていないチラシを見つけたり、腕章をしないままチラシを配っている人を見つけたりしたりすると、すぐさま警察や選挙管理委員会に報告して、違反している陣営をストップさせようとするのです。
それぐらいシビアな戦いをしています。
枚数制限、人数制限は何のため
それではなぜ、ここまで厳しく制限しているかお分かりになる方はいらっしゃいますでしょうか。
それは、お金を持っている人が資金量にモノを言わせて大量のチラシを用意したり、大量の人員を動員できる人が動員力にモノを言わせて大量のチラシを配れるようにしたりすると、公平な選挙が出来なくなるからです。
今回はチラシの枚数やチラシを配ることが出来る人数についてご説明させていただきましたが、他にも事務所に掲げられる看板の枚数や、街宣車の数、マイクの数などと様々なものが上限を設定されています。
SNSに対して後手に回る公職選挙法
ところがです。
実は選挙のSNSについては、チラシほど厳しい制限がありません。
勿論、SNSでもいくつかの制限はあるのですが、チラシのような枚数制限はありませんし、配れる人数についても制限はありません。
選挙期間中にいくらでも投稿し放題。
投稿の拡散も人数制限は無し。
確かにチラシのときと同じように有償で拡散をお願いするのは違法になりますが、そもそも拡散なんて、チラシ配りに比べれば手伝うハードルは低く、暇なときにSNSを眺めながら気軽に拡散できてしまいます。
チラシではあれだけ厳しく色んな制限を加えて、公平性を担保しようとしているのに、SNSについてはあまりにも野放し状態だと思いませんか。
これは、公職選挙法において、政治家が自分の考え方を広める方法として想定されているのが、いつまでたっても昭和の頃の考え方のままであることに起因します。
昭和の時代は、確かに考えを広めることと言えば街頭でのビラ配りが主流でした。
そしてそれはインターネットが発達した平成においても、まだその傾向は引き継がれてきました。
だからこそ、当初は国政選挙や知事選挙のときにしか配ることが出来なかったチラシも、市区町村選挙や地方議員選挙でも配ることが出来るように順次拡大されていったのだと思います。
しかし、今や、自分の考えを広める方法としてSNSがかなり重要なツールとして定着しました。
むしろ、SNSによるトレンド形成が選挙結果を左右する時代になりました。
ここ最近何度もSNSの影響で驚くべき結果になる選挙がありました。
それぐらいSNSというものは、今の選挙で破壊力を持ったツールになっているのです。
しかし、今、このSNSに対して公職選挙法はあまりにも無力です。
ましてや、これから生成AIを活用してフェイク画像やフェイク動画が簡単に作れるようになり、今まで以上にフェイクニュースで世論に影響を与えるのは簡単になりました。
もはや、SNS等の今の世の中の現状に対応した公職選挙法の改正は間違いなく急務です。
これからSNSを使って、変な形で世論に影響が与えられる事例はますます増えていくことでしょう。
そうならないためにも、一日も早く公職選挙法を改正するべきです。
松本 佑介 @ 枚方を動かす新しいチカラ
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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