脚本14-3「レンジ・イモータル‐ゼロドリップ‐」
田中「持ち帰りましょう」
五人は仕留めた消化生物を基地まで引っ張って帰還した。
セイ「少々バタバタしてしまってご挨拶がまぁだだったねえ。私は象堂征一郎、超天才セイ博士と呼んでくれ給えええい!」
芹沢「セイ博士でいいわよ」
田中「グリーン担当の田中一洋です。いっちーと呼んでください」
是清「あの、いっちーさんチャック空いてますよ」
田中「わざとだ」
終無「そいつマジでわざとだから気にするな。俺はブルーの守藤だ。マリーちゃんは渡さねぇかんな」
芹沢「名前も名乗れ。守藤終無」
是清「え、エンドレス……?」
終無「その名で呼ぶなぁああ!」
マリー「エンちゃんはエンちゃんでいいのにー」
終無「エンちゃんでぇーすっ」
マリー「私はピンクのマリー・ピアット。マリーちゃんって呼んでね是清君っ」
芹沢「私は知っているわね。クラスメイトの芹沢美蘭よ。ここでもよろしく。パープルを担当してるわ」
コンビニ「みな自己紹介は終わったかな。私はこの機関のデータベース、ドリップ・マートだ。これからよろしく頼むぞ」
是清「ドリップ・マートって」
コンビニ「そう、このコンビニそのものが私だ。ちなみに発注や経理なども私がやっている」
セイ「他に聞きたいことはあるかぁい?」
是清「こいつは何かってことかな」
セイ「消化生物のことかい? これは補正因子を過剰摂取した人間が怪物化した姿さ」
是清「じゃあさっきのAIは? 未知流は?」
セイ「AI、奴らも来てたのかぁい」
田中「すぐに去っていきましたがね。さて、みなさん今日の手配書を確認しに行きましょうか」
是清を残し他のメンバーは部屋を出た。
是清「戦ってわかったことがある。みんな嘘つきだってことだ。
セイ「嘘つきね、そうかもしれなぁい。魅せられている世界は《消化生物》《AI》《人間》全てを騙してる。嘘の世界では嘘が全てを構成していたのだから」
是清「AIも敵になるのか?」
セイ「半分正~解~。説明したげて」
コンビニ「AIには、昔定められたロボット三原則が適用されている。奴らは《補正因子》に支配されても、その一つ《人間への安全性》は書き換え不可だった。《人間》には。でも、《消化生物》や君たち《イモータル》は人間じゃないから抹殺対象になり得るってことなのだ。だから敵でもあるし、共通の敵を持つ同士とも言える」
セイ「ま! やっぱり敵なんだけどね~え!」
是清「ま、待ってくれ、おれが、人間じゃ、ないって? ははは、何言ってんすか」
セイ「色々説明してあげてよぉ~」
コンビニ「承知。是清君、モニターを見てくれ。私が軽く説明してあげよう。まずは《消化生物》。奴らは《補正因子》を過剰摂取した人間の成れの果てと説明したが、それでも《消化生物》にならずに済んだ者達も多数存在している。それが君たち《イモータル》と呼ばれる者たちだ。《イモータル》は消化を免れた人間であるが、実質死亡している。人間じゃなくなる課程を経たのだから当然だな。その副作用としては、身体能力の向上があるのだが、それはもう経験済みだね。だから君たちはもう人間ではない」
是清「あれはスーツの力じゃないのか!?」
セイ「そんなん作れたら僕ぁスーパーハイパーヒーローだねぇ~え!」
是清「いやあの武器だけでもムチャクチャすごいっすよ!」
セイ「はっはっは、そんなそんな、褒め給えよ、はっはっは」
コンビニ「ところで是清君は知っているかな。すでに地球の総人口は七十億人にまで削減されていることを。各地で我々の同類たちが戦い、定期的に「消化」が行われている結果なのだ。しかし、この消化作業は一向に収まる気配がない。これを我々は暴走状態と仮定している。それを止めなくてはいけないのだ」
是清「止まらないのか?」
セイ「わからないんだああ! でもまずは抑制しないといけないのだよぉお!」
是清「皆敵なのか、未知流ちゃんも敵なのか、AIだとしても、未知流ちゃんとは戦いたくない!」
芹沢「安心して、全てのAIが敵ではないわ。場合によっては共闘することもあったから」
芹沢はガチャガチャと色々なものを運んできた。消化生物の解剖道具だ。
セイ「手配書はどーうだったー?」
芹沢「ランキングアップよ。是清君が加わってくれたおかげね。さっそくAIのチームに狙われたわ」
セイ「大変だねぇ、がぁんばってー。死んじゃダメだよー?」
是清「またそんな危ない戦いがあるのおっ?」
芹沢「《ブラック・アイズ》って聞いたことのないチームだったけどね」
終無「あー、おい是清。さっきのAI知り合いつってたか」
是清「未知流ちゃんのこと?」
終無「ああ、そいつら今戦闘中みたいだぞ。一応伝えといてやる」
是清「え! た、助けに行かなきゃ!」
芹沢「今戻ったばかりよ。AIを助ける義理もないでしょう」
是清「クラスメイトだ!」
芹沢「好きな人でしょ」
是清「ちっちが……芹沢さん! 話を逸らさないで!」
田中「行くかい?」
芹沢「いっちー!?」
田中「私の条件を飲んでくれるなら、協力しますよ」
是清「わかった。お願いしたい」
☆
国道のど真ん中で激しい戦闘をしている純未知流と春日野輝火。いくつかの車はひっくり返り、信号機もへし折れている。
輝火「抜けるなんて許さないよ未知流」
未知流「あなたの許しなんてどうでもいい」
輝火「私らの敵は《イモータル》だ。あんたはそれが嫌だっての!?」
未知流「違う。私には敵も味方もいらない。気に食わないやつが敵だ」
輝火「ぷちーん、だったらお前気に食わねぇからあたしの敵な」
未知流「かまわないよ。とにかく私は《ブラック・アイズ》を抜ける。それだけ言いに来た」
その会話の中心に爆弾が投げ込まれた。
未知流「くっ」
輝火「誰だ! ちくしょう!」
二人が辺りを見回しても誰もいない。すぐに暗視モードへ移行した未知流だけが、声の場所を突き止めていた。街頭の消えた、暗闇から声がやって来る。
田中「何者だと聞かれても」
是清「助けを求む呼び声に」
芹沢「応えてしまうが世の信条」
マリー「愛と平和がある限り」
終無「君を助けに飛び立つぜ」
是清「袴田是清!」
終無「守藤終無!」
田中「田中一洋!」
マリー「マリー・ピアット!」
芹沢「芹沢美蘭!」
是清「人ならざりとも人となる!」
全員「我らドリップ・イモータルズ! 参上!」
是清「君を戴きに来ちゃったぜっ♪」(パンッて指鉄砲)
一人づつに担当カラーの明りが当たり、最後に全てのカラーの爆発が起こった。大爆煙の中からそれぞれが歩き出てくる。
田中「一回やりたかったのだよ、こういう登場」
終無「ゲホゲホ、ちょ、爆発でかすぎね? 煙やべぇ」
マリー「ねぇそれより待ってポーズにまとまりがないの」
是清「てかなんで本名名乗っちゃったの!? レッドとかブルーじゃなくて!?」
田中「それでは味気ないから本名でやってみました。不満ですか?」
是清「いや、恥ずかしいじゃん。あそこにいるのクラスメイトだし!」
芹沢「だがAIだ、気にするな」
是清「無理だよー。あ、未知流ちゃん助けに来たよー! おーい!」
◆まとめ
脚本14-1「レンジ・イモータル‐ゼロドリップ‐」
脚本14-2「レンジ・イモータル‐ゼロドリップ‐」
脚本14-3「レンジ・イモータル‐ゼロドリップ‐」
脚本14-4完「レンジ・イモータル‐ゼロドリップ‐」
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