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短編小説17「おにぎりの好きな具材」

《おにぎり屋さんに行きたいなぁ、
具がおっきくてさ、美味しいよね》


毎朝彼女が起きるとラップに包まれたおにぎりが置いてある。もうだいぶ熱は引いていて、時間が経っていた。
それと一緒にメモ書きも置いてある。

『今日は味噌おにぎりとこんぶだよ。明日はなんだと思う?』

なんだと思う?って聞かれたから海老マヨって書いた。書いた具材は、明日の朝おにぎりになって置いてあるはず。

彼女の好物は海老だ。

それを持って彼女は学校に行く。もう何日もおにぎりを作った本人には会っていない。

彼女が寝ている時に帰ってきて、寝ている時に出て行くから。

でも、ようやく彼女も働ける。
彼女が高校生になってすぐに始めたのはバイトだった。

おにぎり屋さんのバイト。

彼女はお客さんに言った。

「今日のオススメは味噌おにぎりとこんぶ、それに海老マヨです」
「全部あなたの好きなものじゃない」
「美味しいですよー」
「じゃあその3種類を2つずつくださいな」

そういって、お客さん……久しぶりに会った、毎朝のおにぎりの作り手は帰っていった。

「いつも。いつもありがとうございましたー!」

お客さんは振り返れないまま帰っていった。

おわり

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