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短編小説29「おばけサイト」


 男には秘密がある。最近幽霊が見えるようになったことだ。
 男は今まで生きてきた中で、心霊番組やホラー映画が泣くほど苦手で避けてきたのに。

「ゆ、幽霊が見えなくなる方法を教えてください」

 男はネットで見つけた有名な除霊師に助けを乞うことにした。《おばけサイト》なんていうポップなサイト名で怪しかったが、評価は思いの外高かったのだ。
 能力に疑いは持ちつつも、幽霊が見えてしまっている事実が判断力を弱らせてもいた。

「除霊をしましょう。悪霊が付いているから引き付けられて見えるようになるんです」
「お願いします! もうずっと寝てないんです……怖くて…怖くて」
「さぞお辛かったでしょう。除霊費は要りませんよ」

 男は金額に糸目は付けないつもりだったが、除霊師は切羽詰まった顔を見て同情したのだろうか。
 除霊師はすぐに呪文のような言葉を呟きながら、男の周りを歩き回る。しかし、男の顔はどんどん青ざめていった。

「ふえ、増えてる…んです、さっきから」
「ええ、何がですか、霊ですか?」
「五人…五人…? いた? さっきいないよ…?」

 嗚咽する男に除霊師は、『これは大事だ』というように怯える男を更に恐怖のどん底に落とすよう叫んだ。

「ひぃえええっ、こりゃワシの手に負えぬ強力な呪いじゃ!」
「たすけ…て……」
「無理じゃあああ」『『お前は永遠にこちらの世を見ているがいいいいいい』』

 除霊師の言葉に、後ろの五人の幽霊も同じ言葉を被せてくる。
 除霊師、幽霊は白目を剥けて男の顔面の周囲を覆った。

「ひ…はふ…はふ…」

 男は失神も出来ずにその顔を見続けるしかない。男はこの幽霊たちに気絶で逃げることが出来ない呪いをかけられているからだ。
 その日以降も男は眠れていない。幽霊は見え続けている。

 男の見た《おばけサイト》には、こう書き込みがあった。

『私を殺した奴を永遠に呪ってください、確認次第成仏します』と。

 それは連続して五件。そして

『除霊済み』

 あの日の日付で書き込まれていた。


おわり

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