脚本6-1「トットランドのお話-ピノキオは人間になりたくない」
《童話の登場人物、本当はその国に住む役者説》
●登場人物
◯ピノキオ
◯ファンファンチーペル
◯チョコラッキ
○ミダッポ・ロロ
○ヴァブレァ
○ポォポーポォ
○ゼペット
●テーマ
「だーくめるへん」
【1】ヘレッカァーン広場
ピノキオ「チーペルチーペル、ファンファンチーペル」
チーペル「なんだいピノキオ」
ピノキオ「ゼペットさんに最近会った?」
チーペル「ゼペットさんは逮捕されたよ」
ピノキオ「知ってたよ。理由だって知ってるんだ。捕まって当然さ」
★ピノキオは話しながら鼻が伸びていく。ぐんぐんグングン伸びていく。
チーペル「ほざいてたよ。チーペルぅぅチーペルぅぅぅファーンファーンチーペール! わしゃ無罪じゃあぁぁ!」
ピノキオ「チョコラッキー。どうしたんだい?」
★チョコラッキは猛ダッシュでピノキオとファンファンチーペルのもとへ走ってきた。
チョコ「チーペルチーペル、ファンファンチーペル! ゼペットさんが呼んでるぞ! もう四日もだ!」
チーペル「まだ呼び続けてるのか」
ピノキオ「僕は? 僕のことは?」
チョコ「知らないよ。なぜだか君のことは名前も出さない」
チーペル「きっと」
チョコ「君を」
チーペル、チョコ「守るためさぁぁぁぁぁピノキオぉぉぉぉ!」
★狂ったようにピノキオを鷲掴みにするファンファンチーペルとチョコラッキ。ピノキオは喚く。嘘を喚く。
ピノキオ「僕は人間だぞ。離さないでくれ。おっと家が燃えてるぞ。知ってるかい、鯨の胃の中には国があるんだ。空から太陽が落ちてくる!」
★鼻はぐんグンぐんグン伸びていく。その鼻は正面の誰かの家に突き刺さる。突き刺さったその時、ピノキオの発した言葉でファンファンチーペルとチョコラッキを身体に絡ませたまま、誰かの家まで飛んでいった。本当のことを言ったので、ピノキオの鼻は元の長さに戻っていくのである。
ピノキオ「僕は人間になりたくない!」
★誰かの家の壁へ衝突した。ピノキオ、ファンファンチーペル、チョコラッキは弾け飛ぶ。かろうじて鼻が壁に突き刺さっているピノキオは二人を振り払うことはできた。
チーペル「言ってしまったぁぁぁぁ!」
チョコ「言ってしまったァァァァァン!」
チーペル「チョコラッキ!」
チョコ「ファンファンチーペル!」
チー、チョコ「逃げるしかないねん!」
チーペル「さよなら! ピノッキオ~!」
チョコ「あ痛っ!」
チーペル「あっちだ!」
チョコ「こっちだ!」
★チョコラッキとファンファンチーペルは方向が定まらずぶつかり合いながら、ヘレッカァーン広場から逃げ惑っていく。
ピノキオ「僕は女の子。可愛い可愛い女の子」
★ぐいーーんと伸びたピノキオの鼻はピノキオを地面に下ろした。折れないようにゆっくりと鼻を抜いたピノキオはヘレッカァーン広場を迷いなく走り抜けた。目的地が決まっている者の動きだった。
【2】ポリポリリポポイ刑務所「拷問部屋8」
★ポォポーポォは木材を切り刻んでいる。拷問部屋8の中はノコギリの音と金槌の音、チェーンソウの音などが鳴り続けている。
ポォ「ポォッポォポォ。ポォッポォッポォ。ジェペェットー、おみゃあ、いつまで黙ってるかえ~?」
ゼペット「何のことだかわかりゃあせんわ」
ポォ「ギィコギィコギッコッコ」
ゼペット「やぁめてくれぇぇぇい!」
ポォ「ギィコギィコギッコンバッタン」
ゼペット「切るなら、切るなら何かを作ってくれぇぇい!」
ポォ「ギコンギコン。ポォポォポォ」
ゼペット「酷い、酷いぃぃ! 木くずが、木くずが大量に……大量出くずじゃあぁぁ!」
★ゼペットの叫び声が反響する拷問部屋8の扉が勢い良く開いた。
ロロ「ピノキオが言ったぞぉぉぉ! はっきりと言ったぞぉぉぉぉ!」
ポォ「ジェペェットー。お前が言わじゅとも、ピノキオ本人が言っちまったじょぉ~」
ゼペット「ピノキオ……っ!」
ポォ「ローロ、ローロ、ミダッポ・ロロよぉ」
ロロ「へい」
ポォ「ピノキオを連れてきょおぉい!」
ロロ「いえっさポォポーポォ!」
【3】ポリポリリポポイ刑務所「おもちゃ箱」
★ロロはノコギリを両手に構え、ぶんぶんと振り回しながらポリポリリポポイ刑務所の廊下を「おもちゃ箱」という部屋に向かって暴れていた。
ロロ「あ痛ぁっ!」
★ロロの振り回していたノコギリは、振り回しすぎて右手のノコギリが自分のお腹に食い込んでしまった。
ロロ「ま、いっか。やーい、ヴァブレァー」
★「おもちゃ箱」の扉を開けたロロはぬいぐるみの山に向かって歩き始めた。その山の前に止まって
ロロ「ミダッポ・ロロだおーん。ヴァブレァ仕事だおーん。ピノキオ捕まえるおーん」
ヴァブ「おやまぁ、ピノキオ坊っちゃんもついにやっちまったかい」
★ぬいぐるみの山の中から声が聞こえた。ゆっくりと動き出して、徐々に崩れ落ちるぬいぐるみ。その山の中から、大きな熊のぬいぐるみが出てきて言った。
ヴァブ「穏便に済ませようねぇ。なんだいそのノコギリはぁ」
ロロ「切り刻むんやぁ☆」
ヴァブ「そうかいそうかい。楽しそうやんねぇ」
ロロ「行くぞぉぉぉぉ!」
★大きな熊のぬいぐるみのヴァブレァと、お腹にノコギリが食い込んで、いつのまにか両手にノコギリを持っているミダッポ・ロロは「おもちゃ箱」を後にし、ピノキオを捕まえるため、動き出した。
【4】ファンファンラッキ
★ファンファンチーペルとチョコラッキはぶつかり狂いながら走り続けていた。
チーペル「チョコラッキ、もう少しで着くね!」
チョコ「あそこは安全だ」
チーペル「あそこはあそこ」
チョコ「うへへひひ」
チーペル「ゼペットん家」
チョコ「灯台下暗し~」
チーペル「しかしチョコラッキ、なんで逃げるんだ?」
チョコ「え?」
チーペル「え?」
チョコ「チーペルチーペル、ファンファンチーペル」
チーペル「なんだいチョコラッキ」
チョコ「オイラ達、逃げなくてもいい」
チーペル「あやぁ~。戻りましょ」
チョコ「いえいえ向かいましょ」
チーペル「じゃあ右手は向かいましょ」
チョコ「じゃあ左手を向かわせます」
★結局は片手しか指定していないので、二人はゼペットの屋敷へ向かうのだった。
脚本6-2完「トットランドのお話-ピノキオは人間になりたくない」へ続く
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