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daraz
短編小説20「気になる男」
《気になる人がいたら、どうしますか?》
私には気になる男の人がいる。
毎日見かけるその人は、いつも同じ時間に部屋を出る。
このマンションはわりと高層で、階段を使うには少し大変だ。だから私はエレベーターを使うのだけど毎日一緒になる。
たまに違う時間になってしまった時も一緒になった。
けれど言葉を交わしたことは一度もない。
彼も私の事を見ようともしないのだから興味がないんだろうと思う。
だから話しかけるなら私から。勇気を出して声かける。きっと上に設置された監視カメラだってヤキモキしているよ。
「あのぅ」
それでも彼は振り向かなかった。
それでも彼は目線を変えなかった。
それでも私は声を振り絞った。
「なんで、いつも監視カメラを見ているんですか?」
ピクリと反応した。カメラ目線の男はようやく振り返り、話す。
「電源が、たまに切れるんだ。それを監視しててね」
「へぇ……」
ニコリと笑って彼は言う。
「ようやく、今切れたんだ」
おわり
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