【最新自作詩】柔く、薄く。
冬曙に薄氷のような貴方
陶器の白肌を撫でる雪景色
ただでさえ底の見えない思慮に
新雪がふわり、と影を落とす
冬ざれに目を惹く、桜のような僕の恋人
貴方と同じ景色を僕は見ているのかな
透き通った眼差しが心の底まで僕を透過する
カレイドスコープのように表情を変えてゆく貴方
かと思えば月に帰る日を心待ちにするような悲愴を宿す
僕はずっと薄氷の上を覚束無いまま歩いていた
柔く、薄く、繊細な硝子細工のような、君
壊れるのを恐れていた僕は間違っていたんだ
壊れそうで危ういのは、僕の方だった
貴方を失いたくなくて、冬鳥のように去るんじゃないかって
そんな僕に笑いかける貴方に僕は勝てないんだ
冬濤に立ち込めていた冷気が僕の心を凪いだ
今年の東京の桜前線は例年よりずっと早いだろう
