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フィルムカメラみたいに写るデジカメを求めて_マニュアルフォーカスレンジファインダーカメラ EPSON R-D1s

会社員になってすぐのころ、一時期カメラにどっぷりとハマっていた。一眼レフのデジカメ、フィルムカメラの一眼レフ、ポラロイドカメラに中判カメラ。写真が写る機械なら手当たり次第だった。

社会人1年目にがんで長期入院となり、その後も10年以上、経過観察の中で20代、30代を過ごすなかで、自分の生きている今この時間を何かしらの形に焼き付けておきたいという切実な想いがあったような気もするし、ただ欲望のままに欲しいモノを手にしていただけのような気もする。


そんな中で私がカメラを買いあさるのをやめた決定的な一台が2009年に中古で購入したEPSONのR-D1sというカメラだ。このカメラを買って以降デジカメもフィルムカメラも買わなくなり、今ではほとんど手放してしまった。

R-D1S+津田沼のカメラ屋さんで買ったストラップ+ARTISAN&ARTISTの専用カメラケース

発売は2006年。600万画素のCCDセンサーのカメラ。マニュアルフォーカスでシャッターチャージも手巻のレンジファインダーカメラという、とても変わったカメラで、同じタイプのライカM8よりも先に発売された。

このカメラを気に入っている理由の一番はその写りだ。当時持っていたニコンのD300というデジカメはいいカメラだったのだけれど、CMOSセンサーの黄色っぽくてうすい感じの写りが、フィルムカメラを併用していた自分にはどうしても納得出来なかった。R-D1sはプリンターメーカーのエプソンだからなのか、CCDセンサーだからなのか、かなりフィルムカメラっぽい画像を吐き出す。600万画素という今ではスマホ以下の画素数なのだけれど写りへの不満は全くない。自分はネガフィルムの写りが基準になっているので、それ以上の高感度も高精細もダイナミックレンジも私にとっては違和感でしかない。R-D1sは、そんな私のような古い人間にとても良くなじむ。

そしてレンジファインダーのマニュアルフォーカスカメラというのは、思ったとおりに写らない。まず一眼レフと違いファインダーとレンズ に視差があるから、ファインダーで見える構図はあくまで参考程度となる。厳密に構図を考えてもその通りに写せないから、構図よりも全体の雰囲気を優先した写真の撮り方になり、適当な性格の私にはちょうどいい。マニュアルフォーカスのカメラなんて使ったことすらない人も多いとおもうけれど、ニコンやオリンパスのフィルムのMF一眼レフカメラを使っていた身としてはオートフォーカスが思い通りにフォーカスしないイライラが無い分、R-D1sはストレスのたまらないカメラだ。

レバーを引いてシャッターをチャージして、手動でピントを合わせてざっくりとした構図で撮影する。そんな時間的にも空間的にもゆったりとしたテンポが私にはとても良く合っている。

R-D1sには、ライカのMマウントというびっくりするほど高いレンズが装着できるのだけれど、私は一本も持っていない。私が使うレンズは、コシナという長野県の会社が作っているCOLOR SKOPAR 21mm F4Pという広角レンズとNOKTON classic 40mm F1.4 SCという標準レンズ。どちらも新品で3万円台で買えるレンズだ。ちなみに同じ画角のレンズをライカで買うと40万円と70万円。ライカのレンズに10倍~20倍の価格差ほどの価値を私は見いだすことができないし、何より精密機械工業の聖地である長野県で全ての部品を自社で開発、設計、製造して組み立てるコシナのレンズの品質がライカに劣るとは思ってない。実際写りに何の不満もない。

現像ソフトが手元になくてしばらく放置されていたのだけれど、久しぶりにソフトをインストールして現像してみるとやっぱりいい。といいつつこのカメラはjpegのデータでも十分よく映るので最近はjpegでしか撮影していないけれど。


時間もレンズも順不同だけれど何枚かシェア。
基本的に未調整で現像したデータだ。現像はSILKYPIXという純正ではないソフトを使っているので本来の未調整とは微妙に違うかもしれない(純正ソフトは古くて動作が重くてとても使えない)。R-D1sはレンズの情報もF値も残らないので申し訳ないけれど撮影情報は無しで画像だけ。




R-D1sは生産終了後10年をとっくに過ぎて、今ではオーバーホールも修理も出来なくなってしまった。

私もカメラも元気なうちに、以前のように好きな場所に出かけて好きなだけ写真が撮れる世界が戻ってくるとよいのだけれど。


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