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[閑日写録] 美しき、縁遠きかなソメスサドル

何気ない静かな日常を写真で綴る「閑日写録(かんじつしゃろく)」。

今回ご紹介するのは、北海道砂川市にある日本で唯一の馬具メーカーでありプレミアム革製品ブランドでもある「SOMÈS SADDLE(ソメスサドル)」です。

TTArtisan M 28mm F5.6 (Golden).

カメラは「Canon EOS R5」に中華レンズ「TTArtisan M 28mm F5.6」の組み合わせで臨みました。


ソメスサドルとは

ソメスサドルは1964年に北海道砂川市で創業した馬具メーカーです。皇室御用達の馬具を製作する技術を基盤に、職人技を受け継ぎながら、鞍づくりの精神を高品質なバッグや小物といった革製品へ展開するブランドです。

SOMÈS SADDLE.

砂川ファクトリー・ショールーム

直営店は全国11店舗。今回訪れた「砂川ファクトリー・ショールーム」は、同ブランドの旗艦店だけあって豪華な造りでした。

SOMÈS SADDLE.

建物内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが明るい日差しと高い天井。とても余裕をもった空間設計からプレミアム感が漂います。

SOMÈS SADDLE.

撮影に用いたレンズ「TTArtisan M 28mm F5.6」は、極めて僅かな歪曲があるのですが、それが自然な見え方となって心地よいのが特徴です。

SOMÈS SADDLE.

店内は至る所に大きな窓があり、同社の広大で美しい敷地を眺めることができます。敷地内には実際に馬を走らせるエリアもあるほど。

プレミアム路線化

分かってはいた事ですが、店内をあらためて眺めてみて、製品価格帯が一気に高級路線になったと感じます。

ソメスサドル、以前は少しお高いけれど手の届く「良質な実用革製品メーカー」でしたが、ここ数年で「プレミアムな高級革製品ブランド」へとシフトしています。

実際、ソメスサドル社も「原材料・諸経費の高騰への対応」と「品質維持・向上のため」を理由に2020年以降、段階的に価格を上げて来ていますが、そうした諸物価の上げ幅以上に、とりわけ2022年以降はより高価格帯のプレミアム路線へ舵を切った印象があります。

(例えば、ビジネスバッグは50,000〜80,000円程度の印象だったのが、ここ数年で100,000〜150,000円の価格帯になった感じを持っています)

私自身は革小物程度しか持っていませんでしたが、それらも今の価格帯では、おいそれと手が出せない雰囲気。この「砂川ファクトリー・ショールーム」にはお買い得なアウトレット用品も扱っており、以前から来てみたかったのですが、いまとなってはアウトレットでも結構な高価格帯でした。

プレミアムとラグジュアリーの違い

混同されがちですが「プレミアム」と「ラグジュアリー」は異なります。

プレミアムは、他より「優れた・高機能・高品質」という相対的な「機能的価値」を指します。

それに対し、ラグジュアリーはプレミアムである上に「体験」や「精神性を含めた豊かさ」といった「情緒的価値」までを包含し、独自のストーリーや憧れを製品やサービスを通じて体現します。

例えば「ライカ」は元々、高機能なカメラメーカーとして「プレミアム」路線を歩んでいました。しかし、日本メーカーとの技術的格差が広がり、2000年代に入ると経営危機に陥ります。

そこにオーストリアの投資会社ACMを率いるアンドレアス・カウフマン氏が出資を通じてライカの経営権を握ると「単なるカメラメーカー」から「伝統と工芸価値を売るブランド」へ再定義し、直営店の展開などを通じて現在の「ラグジュアリー」路線へと舵を切ることで、大成功を収めます。

SOMÈS SADDLE.

ラグジュアリーへのポテンシャル

ソメスサドルも馬具メーカーとしての高品質な「メーカー」から高級路線の「プレミアム」へ転身を果たしました。

今後、かつてのエルメスがそうであったように「ラグジュアリー」を目指すのかは分かりませんが、北海道・砂川市にある旗艦店は、そのポテンシャルを感じる美しい店舗でした。

・・・私には縁遠いブランドになってしまいましたがぁ。〔了〕

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