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CanonレンズUSMの寿命は

先日、中古ショップ店頭で「EF300mm F2.8L IS USM」(1999年)の中古品を見かけました。いわゆるサンニッパと呼ばれる単焦点望遠レンズです。

もう30年近く前にリリースされたものですが、値段も20万半ばで底堅く、中々値崩れしませんね。

EF300mm F2.8L IS USM (1999)
EF300mm F2.8L IS USM (1999)

買ってしばらく使ってから売りに出しても、ほとんど値崩れなく売り払えるかな?との思いもあって、商品を手に店員とやりとりしていたら「あくまで現状渡しですよ!」と頻りに強調します。

光学系も綺麗で、何をそんなに心配しているのか?と聞くと、店員いわく「この時代のレンズは、そろそろオートフォーカス駆動モーターが寿命で・・・」との事。

購入後、程なくしてAFが駆動しなくなった等のトラブルが散見さるようです。加えて、2017年にキヤノンの修理受付も終了済みなのが厄介。

それにしても、オートフォーカスのモーターなんて意識した事なったです。
 

キヤノンはオートフォーカスのモーターにUSM(UltraSonic Motor)と呼ばれる「超音波モーター」を採用していますが、この超音波モーターが最初に搭載されたのは1987年の「EF300mm F2.8L USM」まで遡ります。

ちょうど私が店頭で見ていた望遠レンズの前モデルですね。

EF300mm F2.8L USM (1987)
EF300mm F2.8L USM (1987)

店員いわく、1987年に登場した先代「EF300mm F2.8L USM」と、1999年の2代目「EF300mm F2.8L IS USM」共に、「リングUSM」と呼ばれる超音波モーターを採用しており、基本的にモーター機構は同世代を採用しておりこの世代のモーターが「そろそろ寿命に来ている」のだとか。

(両モデルはマニュアルフォーカス時の駆動方式が大きく違うので機構としては異なるものの、基本的な設計は同じ、との話しでした。あくまで店員の”感覚値”だそうですが、これが最も確かなエビデンスと言えるかも)

超音波モーターの寿命は?

そこで気になったので、超音波モーターの寿命がどのくらいなのか調べてみました。当然ながらキヤノンはモーター寿命について公式アナウンスしていないので調べるしかありません。

もちろん、ネットで検索しても出てきません。挙げ句の果てに論文検索をした結果、ヒントが見つかりました。

たどり着いたのが、山梨大学 大学院の石井孝明教授が東京工業大学時代に研究し、2000年に執筆した学位論文「超音波モータの摩擦特性向上に関する研究」です。

この中で、正にキヤノンのUSMが取り上げられていました↓

1.1.2 超音波モータの実用化例より
1.1.2 超音波モータの実用化例より

「1.1.2 超音波モータの実用化例」として、USMを初採用した先代「EF300mm F2.8L USM」が掲載されています。

論文でこのモーター寿命について触れられています(カッコ書きは2001年に追記された模様)↓

ダイレクトドライブで静寂性が高く、
応答速度が速いなどの点が優れている。
耐久限度は20時間以下といわれているが、
カメラの自動焦点用としては十分な寿命であった。

(2001年4月にキヤノンは3000時間以上の耐久性を持つ超音波モータを開発した。摺動面は、炭素繊維と二硫化モリブデンなどを混合したフッ素樹脂で被膜している。)

論文「超音波モータの摩擦特性向上に関する研究」より引用

さっそく目的の数値が出てきましたね。いわく「耐久限度は20時間以下」とのこと。

しかし、ピント合わせなんて一瞬ですし(実際、この時代のAF速度でもコンマ数秒ですし)、それが累積して”20時間以下”といっても・・・よく分かりませんね(苦笑)。

仮に、AF合焦に0.3秒かかったとして、モーター寿命を20時間と仮定すると

20時間 × 3,600秒/h = 72,000秒
72,000秒 ÷ 0.3秒 = 240,000回 (24万回)

24万回は耐えられる、と仮説が立てられます。

しかし、どちらにせよ仮に上限回数の目安が分かったところで、目の前にある中古レンズが何回AFモーターを駆動させたか?なんて分かりませんから実にナンセンスです。

(因みに、私の愛用する「Canon EOS R」のメカシャッター耐久回数が一説には20万回と言われているので、そう考えると十分すぎる耐久性ですね。大抵のアマチュアカメラマンはシャッター耐久回数が上限に達する前に、他の機種に乗り換えてているか、自らの寿命が尽きていると思われ)

結局、中古は運試し?

結局のところ、中古品を購入するのは”運”試ししかありませんね。店舗によっては「半年保証」とかありますが、その分、価格に載せられていますから”掛け捨て”保険料を追加で支払っているようなものですし。

冒頭に紹介した件の2代目「EF300mm F2.8L IS USM」は購入しませんでした。最近、あまり運気も良くないもので・・・〔了〕

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