「社会インフラを、自分の手でつくると決めた日」―法人カード事業責任者から見る、UPSIDERの第二章
執筆者:株式会社UPSIDER カード事業責任者 近藤万葉
数年前の自分には想像もできなかった。
金融にまったく興味のなかった私が、いま「金融の分野で社会インフラをつくりたい」と心から思っているなんて。
この気持ちは、私にチャンスをくれた仲間や会社への恩返しの気持ちから生まれました。
そして何より、「信用がない」という理由だけで、挑戦の一歩を踏み出せずにいる誰かの力になりたいと願う気持ちからです。
UPSIDERがみずほFGにグループインしたというリリースを見て、「節目だね」と声をかけてくれた知人もいました。
スタートアップでキャリアを築いてきた私にとって、その感覚は自然なものだと思います。
けれど、私にとってはむしろ、ここからが本番です。
UPSIDERは、挑戦する人の味方として、社会インフラの水準を引き上げていく。
その挑戦の「第二章」がいよいよ始まりました。
現場で、ひとつずつカードを届けて見えたもの
私は現在、UPSIDERの法人カード事業を統括しています。
プロダクトの企画・開発から、ユーザー体験の設計、ブランド戦略、マーケティング、カスタマーサポート、不正利用検知のオペレーションまで──攻めと守りの両輪を担いながら、法人カード「UPSIDER」・「PRESIDENT CARD」2つのプロダクトのPLに責任を持ち、すべての接点で「挑戦者がためらわずに進める世界」をつくることにチームで日々向き合っています。
ただ、私がこのプロダクトに最初に関わったのは、責任者としてではなく、最前線の「営業(グロースパートナー)」としてでした。
2021年から法人カードの営業を務め、私は毎日7-8件のオンライン商談を回り、夜はチャットで問い合わせに1件ずつ返し、休日もユーザー対応に走っていました。
現場の声に耳を傾け、泥臭く1件ずつ届けてきたからこそ見えた景色があります。
それは、「UPSIDERの法人カードが、どれだけ挑戦者の背中を押しているか」。
そして同時に、「まだまだ足りない」「救えなかった」というたくさんの事実、悔しさも経験しました。
信用がなければ、何も始まらない社会で
起業直後の企業は、法人カードも作れない、銀行口座も開けない。
財務的な実績がないという理由で、そもそも信用の土俵に立たせてもらえない。
「起業したばかりだと、法人カードって持てないんですね...?」
「じゃあ、とりあえず個人のカードで立て替えます…」
そんな会話が繰り返されていました。
法人カードは、単なる支払手段ではなく、「社会に認められている証」でもあると感じました。
それを得られないことが、どれだけ多くの挑戦者のスピードと自信を奪ってきたか。私たちは何度も目の前で見てきました。
だからこそUPSIDERは、スタートアップ企業にも柔軟に対応できる与信モデルを開発し、即日でカードが発行できる体験を磨いてきました。
信用の壁が高すぎるなら、仕組みから変える。
それを、このカード事業を通じて取り組んできました。
ユーザー体験は「見た目」ではなく「構造」から生まれる
私は「ユーザー体験」という言葉を、UIやデザインだけの話としては使いません。
私たちがこだわっているのは、サービスの内側の設計や動き方から滲み出る、体験の確かさです。
本人確認や口座振替のような煩雑な手続きが、1秒でも早く終わること
明細や請求書が、安心して把握できるツールになること
問い合わせの返信が「対応」ではなく「味方」として届くこと
与信枠が柔軟に設計され、経営のボトルネックにならないこと
つまり、私たちの目指すユーザー体験とは、
「挑戦者がためらわずに前に進める状態を、プロダクトとオペレーションそのもので実現する」ことなのです。
「カスタマーサポートで使う一言のワーディングは、ユーザーの不安を和らげられているか」
「新機能の遷移フローは、初めて触れる人の迷いを最小限にできているか」
「ボタンの色、配置、表現は、ブランドの世界観にちゃんと根ざしているか」
「広告やLPのコピーは、単なる訴求ではなく、私たちの思想を誠実に届けているか」
「どんなチャネルで、どの文脈でプロダクトと出会っても、“UPSIDERらしさ”がにじみ出ているか」
そのすべてに、私たちのチームはこだわり抜いています。
なぜなら、「デザイン」や「見やすさ」だけの話ではなく、「この会社は、自分たち挑戦者の味方であろうとしてくれている」とすべての体験から伝えたいと考えているからです。
ただ、まだ理想には届いていません。
起業直後の方が、本人確認や口座振替などの煩雑な手続きを前に、ほんの少し戸惑う瞬間がある。
サポートのレスポンスも、ユーザーの温度感に応えきれないときがある。
「本当は、もっとよくできたはず」と思う瞬間は、日々何度も訪れます。
それでも、この思想を信じ、チームで一つずつ改善していく。
「法人カードのUXはここまで進化できるんだ」と証明していく。
それが私たちの挑戦であり、存在意義だと思っています。
だからこそ、私たちはこのプロダクトを、単なる決済手段ではなく、
「日本の法人金融を支え直すショーケース」に育てていきたいと思っています。そして、このプロダクトで培った仕組みや体験を他の企業にも提供できるようにすることで、この世界観を、さまざまな事業者が実現できるようにしていきたいと考えています。
日々の地道な改善の先にこそ、挑戦者が不安なく事業を始められる未来がある。
そしてそれを最も先進的なかたちで体現するのが、私たちの法人カード事業であるべきだと信じています。
変えるには、中心に入るしかない。
カードも、口座も、与信モデルも──
それらは、これまで長い時間をかけて築かれてきた金融の仕組みや枠組みの上に成り立っています。
私たちUPSIDERがこの3年間で挑んできたのは、その外側から、挑戦者のための新しい選択肢を切り拓くことでした。
しかし、どれだけ外から風穴を開けても中に入らなければ触れられないルールや動かせない前提がある──それもまた事実です。だからこそ、私たちはみずほFGとの共創という選択をしました。
この決断は、思想を曲げたのではなく、むしろ私たちが信じる世界を実現するための手段の進化です。
UPSIDERが大切にしてきたプロダクトの思想や、挑戦者に寄り添う顧客体験を、これまでの金融を築いてきた皆さんとともに、より深く社会に届けていく──その第一歩だと私たちは捉えています。
法人カード「UPSIDER」と「PRESIDENT CARD」は、これからも最先端のショーケースであり続けます。
与信モデル、ユーザー体験、オペレーション──あらゆるタッチポイントで、これまで辿り着けなかった革新を生み出し、それを日本中、そして世界の法人決済の“あたりまえ”へと塗り替えていきたいのです。
信じてもらえた過去──だから今度は、信じられる「仕組み」をつくりたい
法人カードのUXを、ここまで細かく突き詰める理由。
そして、あえて巨大な金融の土台に足を踏み入れ、変化を起こそうとする理由。
それは、単なる「戦略」ではなく、私自身の原体験と強く結びついています。
少しだけ、個人的な話をさせてください。私は小学生の頃、不登校でした。
理由は一つではありませんが、母曰く「チャイムの音で時間割が変わること」にどうしても納得ができなかったそうです。
社会のルールに違和感を覚え、それにうまく馴染めない自分に対して、
「このままじゃ、私は社会に信用されない人間になる」
そんな漠然とした不安を、幼いながらに抱いていました。
だから私は、「信用されるには、自分で信頼を積み上げるしかない」と思い、高校時代からインターンを始め、スタートアップの世界に飛び込みました。
エリートな学歴も、スキルも、経験も、何もなかった私に、チャンスをくれた人たちがいました。
UPSIDERも、まだ何者でもなかった私に、カード事業という大きな挑戦を託してくれました。
法人金融という、一見遠く感じる分野に、自分の言葉で向き合い、プロダクトを育て、チームを作る機会をもらいました。
その恩に報いたい。だからこそ、次は「信頼される仕組みや土台をつくる側」に立ちたい。
誰かの挑戦を、“仕組み”の側から後押しできる人間になりたい。
それが私がこの仕事をやる理由であり、ここまで本気になれる理由です。
“次のあたりまえ”を創る
UPSIDERが目指すのは、法人金融が「使いやすく、信頼できる社会インフラ」へと進化することです。
そしてそれは、見た目を整えることでも、言葉だけを変えることでもありません。
煩雑な手続き、入り口の壁、不透明な仕組み──そうした“当たり前だった不便”を解消し、挑戦者が事業に集中できる状態を当たり前にしていくことこそ、私たちが本当にやりたいことです。
起業した瞬間から、法人カードも、法人口座も、すぐに使えるようにする。
未来から逆算して、与信が設計される。
経営のどんなフェーズにあっても、「この金融インフラなら背中を預けられる」と思える。
そんな世界ができたら、挑戦のスピードも質も変わるはずです。
金融が、遠い存在ではなく、「身近な味方」になる。
それを、日本の法人決済のど真ん中で実装することが、私たちの使命です。
そしてその先に描いているのは、社会の記憶に残る仕事です。
「UPSIDERとみずほがつくった仕組み、あれで事業が一気に立ち上がったよ」
「あの与信のあり方、最初にやったのUPSIDERだったよね」
「法人金融って、昔はもっと大変だったんだよ」
そんな会話が、5年後、10年後に当たり前に交わされている。
自分たちが築いた仕組みが、未来の誰かの挑戦を、静かに、確かに支えている。
それが、私たちがやりたい金融の姿です。
そのために、私たちはこれからもプロダクトの最前線を走り続けます。
ここからが、UPSIDERの第二章です。
法人決済から、日本を、そして世界を変えていく。
いくぞ!
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