どちらも、好き
春になってきましたね。
今年の冬は、手にアカギレがひとつもできませんでした。
冬のほとんどを夫の実家で過ごしていたからなのか、
水仕事をあまりしていなかったからなのか。
理由はよくわからないけれど。
義母はよく、
「この場所は水が違うんだよ」と得意げに話していました。
たしかに、わたしの住んでいる街とは違って、
蛇口から出てくる水がおいしくて、ごくごく飲める。
そういうこともあるのかもしれない。
思い出すのは、結婚して初めての冬。
東北のとある町で、アカギレだらけの手を前に、
痛くて途方に暮れて泣いていたわたし。
「大丈夫。水仕事をサボったって、誰も困らないよ。
暖かくなってからすればいいんだから」
長く暮らしているうちに、
少しずつ力の抜き方を覚えてきたのかもしれない。
若くて一生懸命だったあの頃のわたしと、今のわたし。
どちらも、好き。
