なぜ私はベンチャー企業へ向かったのか(動機編)
IT系コンサルティング会社で働き始めて数年がたった。
肩書き(だけ?)は立派になり、お客様からの学びも多く、コンサルの内容を論文に書いた結果、社内の論文コンテストで賞も頂いた。商社事務職からスタートした私自身のキャリアも、一つずつ階段を上がっている── そんな実感が確かにあった。
けれど、心の奥では小さな違和感が芽生え始めていた。
“整いすぎた世界(大企業)”への息苦しさ
商社OLとして働いていた頃から、 私はずっと「大企業の整いすぎた世界」に身を置いてきた。
仕組みが整っている
暗黙のルールがある
役割が明確
多少のミスは組織が吸収してくれる
そんな環境は安心感がある一方で、 どこか「自分の実力が見えないまま守られている」ような感覚があった。また守られていることによる「窮屈さ」も感じていた。
「組織の論理」に沿って動くことが当たり前の世界で、自分の意思やスピード感がどこか置き去りになっていくような感覚があった。
「整いすぎた世界」に守られている安心と同時に、
その枠の中で生きることへの「窮屈さ」が静かに積み重なっていった。
“変化を肌で感じたい”という衝動
MBA卒業後の私は、 安定よりも「変化」を求める気持ちが強くなっていた。
小さな組織で、自分の働きがダイレクトに影響する世界を見たい
守られた環境ではなく、実力が丸裸になる場所に立ちたい
変化のスピードを肌で感じたい
自分の意思決定が組織の未来に直結する場所で働きたい
そんな衝動が、日を追うごとに強くなっていった。
「このまま大企業的な世界にいると、私は変われないかもしれない」 そんな焦りにも似た感情があった。
“会って3秒で合否を決める社長”との出会い
そんなとき、IT系ベンチャー企業の採用面接を受けることになった。
面接室に入った瞬間、 社長は私の顔をじっと見て、こう言った。
「うん、いいね。採用で」
たった3秒だった。
今では有名人になっているその社長は、 人を見るときに“理屈”ではなく“直感”を使うタイプだった。
その瞬間、私はなぜか確信した。
「この世界に飛び込むべきだ」
合理的な判断ではなく、 自分の中の“リスクテイク志向”が背中を押した。
ベンチャー企業への転職は、挑戦というより“自分への問い”だった
ベンチャー企業に転職した理由を一言で言えば、
「自分の実力を試したかったから」
でも本当はもっと複雑で、もっと切実だった。
私はどこまでできるのか
守られた環境を離れても通用するのか
自分の価値は肩書きではなく、実力で証明できるのか
変化の渦の中で、私はどう生きるのか
それを知りたかった。
ベンチャー企業への転職は、 キャリアの挑戦というより、 “自分自身への問い”だったのだと思う。
そして、想像を超える世界が待っていた
こうして私は、 商社事務職出身・MBA留学帰りという経歴を抱えながら、 まったく異なる世界へ飛び込んだ。
その先に待っていたのは── 想像をはるかに超える、昼夜逆転の生活と、 常識が通じない“はちゃめちゃな世界”だった。
次回は、 ベンチャー企業での生活編 をお届けします。
