日本国内の英語の需要と供給:一時帰国で感じたリアルな現場
10日間の日本一時帰国を終えて、本日、アメリカ・オレンジカウンティの自宅に戻ってきました。
今回は、大学の春休みが合わなかった長男を除いた家族4人と、夫のいとこ夫婦を加えた6人で、日本を巡る旅となりました。実家のある茨城県水戸の偕楽園、那珂湊お魚屋市場、大洗の常磐神社、そして東京の浅草、アメ横、渋谷、原宿。さらに足を延ばして箱根ではユネッサンや大涌谷、芦ノ湖、彫刻の森美術館も訪れました。
今回は、同行者がアメリカ人だと、日本人として一人で帰国する時とはまったく違う視点から、日本を見つめる旅となりました。
観光地で感じた英語の「必須感」
私のクライアントさんの多くは、英語圏への転職を目指す方々のキャリアコーチングです。 多くのクライアントが、「日本では英語を使った仕事が少ないから、海外に行きたい」と話します。その一方で、私はいつもこう伝えています——「英語はあくまでツールであって、話せること自体が価値になる時代ではない」と。
ですが、今回の旅を通して、あらためて感じたことがありました。
東京や箱根などの観光地では、英語を「話さざるを得ない」現場が、想像以上に多く存在していたのです。
たとえば、
電車の駅で切符や路線案内をする駅員さん
バスの運転手さん
レンタカーの受付スタッフ
飲食店やホテルのフロントスタッフ
彼らは、望む望まないにかかわらず、日々英語に触れています。観光客からの質問は英語で来るし、説明も英語で返す必要がある。箱根のバスの運転手さんやレンタカーのスタッフさんなどびっくりするほど流暢に英語で観光客に説明をしていました。スマホの翻訳機能に頼りながら意思疎通を使用としているタクシー運転手さんもいましたが、簡単な英会話をこなす光景を何度も目にしました。
英語を「使いたくて使っている」わけではなく、「使わざるを得ない」環境にいる人たち。日本国内にも、確実に英語の需要は存在しています。

地方には「英語の仕事」は存在しない?
一方で、今回訪れた茨城県の水戸、大洗、那珂湊などでは、英語を使う機会は限りなくゼロに近かったです。外国人観光客も東京に比べて少なく、地元の人々の生活圏には、英語はほとんど入り込んでいません。
つまり、英語を使った仕事をしたいなら、「地方では難しい」という現実が見えてきます。英語を仕事にしたい人は、少なくとも大都市、あるいは観光客の多いエリアに行かないと、スキルを活かす場所がないのです。
この現実を、特に「英語が得意だからそれを仕事にしたい」と考えている若い方や、海外転職を視野に入れている人たちにぜひ伝えたいと思いました。
英語を「供給」できる人は増えている
近年、英語教育の強化やオンライン英会話の普及、英語系YouTubeやSNSコンテンツの影響もあり、英語を話せる日本人は確実に増えています。私のクライアントの多くも、TOEICスコアや英語面接の練習を通して、英語力を武器にしようと努力しています。
ただ、ここにミスマッチがある。
英語を話せるようになった人たちは増えている(供給)けれど、実際に英語を使う場面や職場(需要)は、国内にはそう多くない。
だからこそ、「英語を活かして働きたい」と思ったときに、多くの人が「海外へ行くしかない」と感じてしまうのです。
でも本当は、「観光地や都市部での英語需要」は確実にある。問題は、それが「求職者に伝わっていない」ことと、「使う側の現場の人たちが、必ずしも英語が得意ではない」こと。
解決のヒントは「マッチング」と「意識の変化」
この需給のギャップを埋めるには、いくつかのアプローチが考えられます。
地方に住む英語話者が観光地や都市部で働けるような仕組み作り
リモートワークではないけれど、短期移住や副業的な形で都市部に出て働ける柔軟な働き方。観光・接客業の現場に「英語人材」をもっと受け入れる体制を
現場では常に人手不足です。英語ができる人材を戦力として迎え入れる姿勢が整えば、求職者にもチャンスが広がります。英語を「話せる」だけでなく「使って何をするか」に視点を移す
英語力そのものに価値があるわけではなく、英語を使って顧客対応ができる、問題解決ができる、といった実務スキルと組み合わせていく必要があります。

まとめ:英語を「使いたい」なら、場所選びがすべて
今回の旅を通じて、あらためて感じたのは、「英語を使いたいなら、その場所を選ばなければいけない」というシンプルな現実です。
地方ではほぼ使う機会はない。でも、東京や箱根、その他の観光地では、英語が話せる人材が必要とされています。日本国内にも確かに存在する「英語の現場」。でもそこには、まだまだ供給と需要のミスマッチがある。
英語を武器にキャリアを広げたいと願うすべての人にとって、どこで、誰のために、どんな風に英語を使うのか。その問いに対する答えを、考えていただけたら嬉しいです。
