【AIヨミック】NotebookLMで描いたAI漫画を更に超進化!新感覚のAIコンテンツを生成するプロンプトとコンセプト設計
みなさん、こんにちは。
AI共創イノベーション・ワンダー佐藤です。
「AI漫画を作ったけど、これって漫画のまま終わりなのかな?」
そう思ったこと、ありませんか?
実は、AI漫画は1つ作れば、そこからいろんな形に派生できるんです。
「コミックブログ(コミブロ)」もそうですし、Pixivへの投稿もそう。そして今回ご紹介するのは、AI漫画をさらに超進化させた新感覚コンテンツ——「ヨミック(読ミック)」です。
ヨミックとは、「読む」と「コミック」と「語り」が合体した、AI漫画の動画版。キャラクターが画面を超えて読者に直接語りかけてくる、まったく新しい体験を生み出します。
今回は、このヨミックをどうやって作るのか、コンセプト設計からプロンプトのコツまで、全部お伝えしていきますね。
【関連動画】
ヨミックって何?——読む×コミック×語り

まず「ヨミック」の正体からお話しします。
ヨミックは基本的に動画です。AIが漫画を作って、その漫画からさらにAI動画を作る。つまり2段階のAI生成を経て生まれるコンテンツなんですね。
ちょっと想像してみてください。今まで「読む」だけだった漫画が、音声と映像で「語りかけてくる」。セリフも吹き出しもない代わりに、主人公の声が直接届く——そんな体験です。
ここからが面白いんですが、ヨミックの特徴を見ていくと、制約が逆にメリットになっていることが分かります。
セリフなし・吹き出しなし——これは制約ではなく、意図的な設計です。NotebookLMの内部で使われているナノバナナ1(Geminiの画像生成エンジンで、NotebookLMのスライド機能に搭載されているもの)は、文字を入れると文字化けしてしまうことがあります。だからこそ、あえて文字を排除して、コマのシーンだけでストーリーを伝えるという発想に切り替えたわけです。
1人称のナレーション——セリフの代わりに、主人公の視点から語りかける音声が入ります。これが「語り」の部分です。3人称だと対話形式が必要になり、音声生成が不安定になりがちなんですが、1人称にすることで安定した生成ができるんです。
横長フォーマット——NotebookLMのスライド機能を応用しているので、横長のワイドスクリーンになります。これが逆に、動画のスクリーンサイズとぴったり合うんですよね。
つまりヨミックは、AI漫画の制約を逆手に取って生まれた、新しいコンテンツ形式なんです。
土台はコンセプトエンジニアリング

ヨミックを作る上で、もっとも大事なのがコンセプトエンジニアリングです。
これは私が以前からお伝えしている考え方で、簡単に言えば「自分のコンセプトをNotebookLMのソースにとにかく注入する」ということ。
ここ、大事なところです。プロンプトをたくさん書くのではなく、ソースに情報を詰め込む方がうまくいく。これが「創発プロンプティング」——つまり、ソース(資料)にあるプロンプト環境を創発させてAIを動かすという発想なんですね。NotebookLMはソースに入れた情報を「プロンプトで仮想的に学習」してくれるので(プロンプト仮想学習)、ボタンひとつで豊かな生成ができるようになります。
例えば、この記事の資料は全てカスタムプロンプトは使っていません。
しかし、以下のような高品質でコンセプトにあったものを生成されるのです。

そして、具体的にソースに入れるのは、こういったものです。

キャラクターの設定資料——3面図や4面図など、キャラクターのビジュアルを複数角度から見せたもの
世界観の設定——物語の背景、時代設定、テーマ
ストーリーの流れ——各話のあらすじやプロットの骨格
AI漫画の画像データそのもの——実はこれが一番重要で、漫画のコマをPDFにまとめてソースに入れ込みます
特に最後の「画像データそのもの」がカギになります。この画像が入ることで、NotebookLMはビジュアルとストーリーの両方を理解した上で動画を生成してくれるんですね。
でも、ちょっと待ってください。ここで1つ問題が出てきます。
漫画が100ページ、200ページになると、1枚ずつソースに入れるとそれだけで上限に達してしまうんですよね。NotebookLMのソース枠は限られていますから。
そこで使うのが、ソースの空きを作るテクニックです。

Claudeを使ってPythonでコーディングし、バラバラの画像を1つのPDFに統合する。そうするとソースは1つしか使わなくて済むので、残りの枠にキャラ設定や世界観の資料を追加できるというわけです。
👇100枚の画像ファイルを一気にPDFに変換し、一つに統合した様子

👇こんな感じでソースに入る

ヨミック制作の具体ステップ
では、実際にヨミックを作る流れを見ていきましょう。
ステップ1:AI漫画の準備
まず前提として、AI漫画がすでにあることが出発点です。GeminiナノバナナProで1ページずつ丁寧に描いたものでも、NotebookLMのスライド機能で一括生成したものでもOK。
もし漫画の作り方から知りたい方は、以前の記事「AI漫画入門ガイド」を参考にしてみてください。
ステップ2:画像をPDFに統合する
漫画のコマ画像をバラバラのまま使うのではなく、1つのPDFにまとめます。
おすすめはClaudeでPythonを使ってもらう方法です。ファイル名の順番通りに画像を結合してくれるコードを書いてもらえば、100枚以上でも一気に統合できます。しかもスキル化してしまえば、あとはループで回すだけ。
ちなみに、ファイル名は「01」「02」……のような連番だけでなく、「66-1」「67-16」のようにサブ番号がある複雑な構成でも、ちゃんと順番通りに並べてくれますよ。
ステップ3:コンセプトエンジニアリングでソースを設計する
統合したPDFをNotebookLMのソースにドンと入れます。そして、キャラクター設定、世界観設定、ストーリーの流れなどもソースに追加していく。
ここで意識してほしいのは、ソースの順番です。漫画のページは物語の順番通りに入れた方が、AIの理解も正確になります。順番がぐちゃぐちゃでもAIはある程度理解してくれますが、きちんと整理しておく方がベターですね。
ステップ4:カスタムプロンプトで調整する
NotebookLMでは「カスタムプロンプト」を入力できます。ここがヨミック制作の腕の見せどころです。
注目してほしいのは、ほとんどがネガティブプロンプトだということ。つまり「これをやって」ではなく「これをやらないで」という指示が中心になります。
プロンプト設計のコツ——「やらないこと」を決めるのがカギ

ヨミックのプロンプトで大事なのは、「やらないで」という指示(ネガティブプロンプト)をはっきり伝えること。ここが意外に思えるかもしれませんが、ヨミックの品質を左右するのは「何を足すか」ではなく「何を引くか」なんです。
セリフ・吹き出しを入れない——ナノバナナ1では文字化けするリスクがあるため、文字要素はすべて排除します。これを「沈黙のキャンバス戦略」と呼んでいます。
セクション・見出しを作らない——セクションを作ると、どうしてもプレゼンテーション的な雰囲気になってしまいます。ヨミックはストーリー形式で、話の流れがブツッと切れないことが大事なんです。

矢印や記号を使わない——説明的な要素が入ると、それはもうプレゼン動画になってしまう。ストーリーの没入感を保つために、こうした記号類も排除します。
テキストによる説明を入れない——画像とナレーションだけで伝える。これがヨミックの哲学です。
逆に「やってほしいこと」として指示するのは、画像を中央に大きく配置すること。これを言わないと、NotebookLMは画像を左側に小さく配置して、右側に説明テキストを入れてしまう傾向があるんです。

具体的なプロンプトの構成はこんなイメージです。
タイトルを指定して、「第1話のみにフォーカスして、第2話にはフォーカスしない」というポジティブ+ネガティブの組み合わせ。そして「レオンハルトの1人称の視点で全シーンのストーリーを語る」「コマが足りない場合は自律的に心理描写を生成してよいが、話のロジックは壊さない」という指示を加えます。
ここで覚えておいてほしいのですが、Geminiはコンテキストファーストです。コンテキスト(ストーリーの内容)を上に配置して、その下にプロンプトを書く。ChatGPTとは逆の順番ですね。
ハイブリッド生成という発想

ヨミックのもう1つの鍵が、ハイブリッド生成です。
これは、ソースに入れたオリジナルの漫画画像をそのまま使うパートと、ナノバナナが新たに生成するコマを組み合わせるという考え方です。
オリジナルの漫画画像だけだと、コマとコマの間に空白が生まれます。ストーリーの「行間」ですね。その部分をナノバナナが補完してくれることで、動画としての連続性が生まれるんです。
ただし、オリジナル画像の配置にはちょっとした課題があります。画像が左に寄って小さくなり、右側に矢印付きの説明が出てしまうことがあるんですね。だからプロンプトで「画像は中央に配置して」「左右に画像を分けない」「矢印を使わない」と明確に指示する必要があります。
それでもうまくいかない場合は、その部分をカットすればOKです。ヨミックは結構長めに生成されるので、不要な部分を切っても話の流れは崩れません。ここでは、映像編集の「モンタージュ法」の考え方が使えますよ。
1人称ナレーションのオーディオハック

音声面で重要なのが、1人称への変換です。
たとえば「レオンハルトは剣を抜いた」という3人称の文を、「俺は剣を抜いた」という1人称に変える。これだけで、NotebookLMの音声生成がぐっと安定します。
この変換作業は、Claudeに任せることもできます。12章分の文章を一気に1人称に変換するなんてことも可能ですし、それをスキル化してしまえば繰り返し使える。
もしNotebookLM以外で音声を作りたいなら、VOICEBOXなどの外部ツールを使うのもアリですね。ただ、NotebookLMの魅力はボタン1つでできること。プロンプトもほとんどいらないので、手軽さでは群を抜いています。
縦長への変換もできる

ヨミックは基本的に横長フォーマットですが、縦長にすることも可能です。
やり方はシンプルで、Geminiに「縦長にして」と指示するだけ。カラーにしたければ「カラーにして」と追加すれば対応してくれます。
ちょっと意外ですよね。でもナノバナナの強化版になってからは、こうした変換がかなり安定するようになりました。ストーリーも崩れないし、クオリティの劣化もほぼありません。
もし年号など細かいミスがあれば、「2047年にして」と言えばすぐに修正してくれます。最初のコンセプト設計さえしっかりやっておけば、あとはループで回せるんですね。
現時点でのヨミックの立ち位置——完成形ではなく「可能性の種」

正直にお伝えすると、今のヨミックはまだ発展途上です。ナノバナナ1を使っている以上、画像の品質には限界がありますし、文字化けの問題もあります。
でも、ナノバナナ2やPro版が搭載されたら、状況は大きく変わるはずです。品質が上がれば、セリフ入りのヨミックだって作れるようになるかもしれない。
だからこそ今は、「中間報告」くらいの気持ちでやるのがちょうどいいと思っています。完璧を目指すのではなく、「こんなことができるんだ」という可能性を試す段階。
ヨミックは単なるAIの制約の回避策ではありません。キャラクターが画面を超えて読者に直接語りかけ、永遠に拡張し続ける「生きた宇宙(ユニバース)」——それがヨミックの目指すところです。
まとめ:ヨミック制作のロードマップ

最後に、ヨミック制作の全体像を整理しておきますね。
1. AI漫画を用意する——GeminiナノバナナProやNotebookLMのスライド機能で漫画を作成
2. コンセプトを注入する——キャラ設定、世界観、ストーリーをNotebookLMのソースに入れ込む(コンセプトエンジニアリング)
3. 画像をPDFに統合する——Claudeを使ってPythonで画像をまとめ、ソースの枠を節約
4. ソース初プロンプティング——なるべくプロンプトは最小限に、ソースの力で生成する
5. カスタムプロンプトで調整——ネガティブプロンプト中心で、ストーリー形式を維持
6. 1人称ナレーションで仕上げる——安定した音声生成のために1人称に変換
7. 編集で磨き上げる——うまくいかない部分はカット、モンタージュ法で繋ぐ
1つのAIコンテンツから、漫画、ブログ、動画と、どんどん派生できる。それがAI共創の面白さです。アイデア次第で可能性は無限に広がっていきますよ。
ぜひ、あなたもヨミックに挑戦してみてくださいね。
【プロフィール】
ワンダー・佐藤源彦(さとう もとひこ)
1977年生まれ
MBBS & AI共創イノベーション主催。
医療系の研究所、心理学の研究所の勤務を経て独立し、現在は生成AI(ChatGPT、Claude、Geminiなど)と心身に関する研究をしている。
主著『かんたんプロンプト』(芸術新聞社)『東洋医学と潜在運動系』(たにぐち書店)、2年間専門誌に連載、論文執筆などの執筆業を行いつつAI共創ライティングを開発中。
心理学・カウンセリング・コーチングをAIに技術転用し、AI共創プロンプトエンジニアリングを開発している。
AIスクール・AI企業研修・AIアプリ開発などを行う。
✅ワンダー佐藤源彦・著『かんたんプロンプト』(芸術新聞社から刊行)
※プロンプトエンジニアリングの基本から応用、タスク実行までを網羅
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