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世帯数が増加し続けているが、都市部を中心に単独世帯の比率が高まっていて一人暮らし高齢者へのケアが課題として大きくなる



国勢調査で5年ごとに世帯数を把握

 総務省統計局のウェブサイトによると、国勢調査は1920年にスタートし、戦時中の1945年を除いて2020年まで計21回実施されました⁽¹⁾。人口は、1920年の約5,596万人から増え続け、1970年に1憶人を上回り、2010年にピークの約1憶2,806万人に達してから、2020年には1憶2,615万人へと減少に転じました。それに対して、世帯数は手元にある1970年からの推移をみると、図に示したように1970年の約3,030万から2020年の5,570万へと一貫して増えています。なお、世帯の定義は時代的な変遷があって非常に難しく、「単身の住み込み営業使用人」など区分の多さからかつては多様だったことがわかります⁽²⁾。

図 普通世帯数の推移(1970~2020年)
出典:総務省統計局「国勢調査」

予測よりも世帯数の減る時期が遅れている

 人口とともに世帯数も国勢調査が行われるごとに長期予測の結果が公表されます。2023年の将来推計によると、2030年にかけて5,733万まで世帯数は増加してから2035年以降は減少に転じるとなっていました。ところが、ウェブサイトにある最も古い1998年の将来推計をみると⁽³⁾、2015年までは世帯数が4,927万まで増加し、2020年4,885万へ減少するとされていました。推計と実態に乖離があり、世帯数の増え方が予想より多く、減るまでのタームは予測が行われるごとに先送りになっています。もちろん、推計は当てる目的で行われているとは限らないため、実態と違っていても大きな問題ではありませんが、注目すべきポイントは世帯数が微増し続けていることで、経済成長にとってはプラスに働いている可能性です。というのも、家電製品などはどの世帯でも必需品で、多くなるほど比例して購買行動につながるからです。この点は、ごく簡単に検索した範囲では論考などが見つかりませんでしたが、世帯数と経済成長の関係は確認してみる必要があると思います。

単独世帯の増加が都市部ほど著しい

 世帯数の統計は家族類型ごとに数が計上されており、世帯数の年齢、都道府県、市町村など細かい単位で傾向がわかります。家族類型ごとの世帯数をみると、増加している要因は核家族世帯と単独世帯の2つです。図に示したように1985年からの2020年の推移は、核家族世帯が2,281万から3,011万、単独世帯が790万から2,115万で、後者の増え方が大きいことがわかります。核家族以外の世帯は、同期間に721万から378万へと半分近くに減りました。単独世帯の比率に着目すると、1985年から2020年にかけて20.8%から38.0%まで上がっており、2050年には44.3%に達すると予測されています⁽⁴⁾。都道府県別では、東京都が50.2%と最も高く、大阪、京都、福岡と大都市が続いており、トップ10には高知、鹿児島、愛媛、沖縄が含まれています⁽⁵⁾。なお、東京都内では多い順に新宿区67.8%、渋谷区64.5%、豊島区64.0%、中野区62.3%と4つで60%を上回っています⁽⁶⁾。

図 家族類型別の世帯数の推移(1985~2020年)
出典:総務省統計局「国勢調査」

世帯数が増えているうちにケア対策を考案

 わずかずつではあっても、世帯数が増えている間は右肩上がりの経済成長は見込めますし、東京都のように2020年時点で15~64歳の単独世帯の比率が49.8%と半分近くを占める自治体はあります。ところが、高齢化がさらに進行すると局面が変わり、介護が必要なのに一人暮らしをしているケースがますます増加すると予想されます。選択的夫婦別姓との関連で、戸籍制度が崩れると危惧される人がいますが、戸籍が一人という「実質的な個人籍」の世帯は増える一方です。そういう主張をしている本人に子どもがいなくて、配偶者が先に亡くなったら実質的な個人籍になるのに、誰もその点について当人の見解を尋ねないという不思議な状況になっています。それはさておき、多少なりとも余裕があるうちに、公的なケア体制に加えて、高齢の単独世帯を結びつけ、相互に支え合い、サポートする仕組みを導入、年を重ねても安心して暮らせる社会づくりを進めていってほしいですし、自分でもできることはないか考えていきます。

出典:

(1)総務省統計局「国勢調査の100年のあゆみ」
 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/ayumi/
(2)総務省統計局「統計表で用いられる用語,分類の解説2」
 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2000/guide/3-02.htm
(3)国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口・世帯数データアーカイブス」
 https://tver.jp/episodes/epap14jkxm
(4) 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(全国)」
 https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp_zenkoku2023.asp
(5) 都道府県別「1人暮らし率」ランキング公開
 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/13d97463b9be807ebec853a3fce8de6ce84f2e36
(6)不動産投資SQUARE「最新!2020年国勢調査に見る東京23区に住む世帯の状況」
 https://www.clearthlife.com/bizinfo/6860
 
注(写真の引用元):
シニアガイド「単身世帯と2人以上の世帯では「心の豊かさ」の価値観が異なる」
 https://seniorguide.jp/article/1028706.html

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