編集される側になって気づいたこと。
私は元新聞記者として、これまで約2,000本の記事を書き、3,000社以上を取材してきました。
企業や経営者の魅力をどう伝えるか。
どんなタイトルなら読まれるのか。
どんな言葉なら人の心に届くのか。
そんなことを考えながら、ずっと「書く側」として仕事をしてきました。
ところが先日、立場が逆になる出来事がありました。
以前、学生時代から30年以上付き合いのある友人へ宛てた文章を書き、「週刊シンテガ」に応募したところ、掲載していただくことになりました。
掲載されたことももちろん嬉しかったのですが、それ以上に心に残ったのは編集部から添えられていた一文でした。
「30年の月日を重ねた友情、その原点となるようなシーンは言葉にならないお二人の関係を軽やかに表現しています。」
自分では何気なく書いた一枚の写真と、一つのエピソード。
でも編集者は、その文章から「友情の原点」というテーマを読み取り、言葉にしてくださいました。
私はその瞬間、改めて思いました。
編集者とは、文章を直す人ではない。
書き手本人も気づいていない価値を見つける人なのだ。
メディアトーキングも、実は同じことを目指しています。
企業へ取材に行くと、経営者の皆さんは「うちは特別なことなんて何もないですよ」とよくおっしゃいます。
でも話を聞いていると、必ずその会社にしかない物語があります。
本人にとっては当たり前でも、第三者から見れば、それが大きな魅力だったりする。
だから私は記事を書くというより、「価値を編集する」仕事をしているのだと思っています。

