なぜ、スタンディング運動をやるのか

今回、スタンディング運動を企画した者として、簡単ですが率直な気持ちを述べたいと思います。


様々な形で飛び火していく誹謗中傷への耐えられなさ。

まず、渦中の彼が選出された際、はっきり言えば私は代表チームに対して不信感や不快感しかありませんでした。
監督の発言もあり、日本代表という存在に対して胸を張って託したいと思える存在ではなくなってしまったと。

その後、E-1選手権という大会があり、Jリーグの選手から代表選出するという慣習から、彼が不在な上、以前から応援していた選手が選ばれた事もあり、私はその大会のみ応援致しました。
とはいえ、通常の代表では彼の存在があることで、応援する事もできず、できるだけ話題から目を逸らしてもいました。
しかしながら、W杯が近づくにつれ監督の発言と、選び続けることへの不安というのも大きくなり、SNS等では選ばないでほしいという声もより大きくなっていきました。

そんなここ1ヶ月ほどでしょうか、多くの方々の批判の矛先がサッカーファンやサポーターへと向くようにもなり、誹謗中傷的な声もとても多くなりました。
元々様々な葛藤を抱えていたサポーターの方々の中には、代表を応援しかねる気持ちと、サッカーファンやサポーターであることすら社会的に否定するような声と板挟みになってしまったのです。

だからこそ、サッカーファンだってみんな容認しているわけではない、そういう想いを伝えたいのが一つの理由です。

スポーツビジネスは感動が価値になるのだから、感動が損なわれては意味がない。

様々なサポーターの方々と話しながら、不起訴という結果、真相を求めることのできないもどかしさ、その中で容認派と否定派で増幅していく身勝手な正義、それをどう受け止めればいいか考えていました。

方や美人局と決めつけ、彼が最大の被害者で自分達のヒーローのように挙げ奉られ、方やあまりに卑劣な鬼畜と決めつけ、自分達の考える社会正義の矢の的となり、しかしながら、それぞれの正義は噛み合わない中で罵詈雑言が飛び交う地獄絵図。
そして、それが双方に普段からサッカーを楽しんだりする方ではない人たちも加わって、より苛烈なものとなってしまいました。

はっきり言えば、アンチサッカー的な過激なイデオロギーのためにも、アンチフェミニズムのような過激なイデオロギーにも、フェミニストやリベラリストでありたいという正義欲求のためにもそれぞれの武器として使ってもらいたくないです。

そうやって考えている時に、なぜ私たちはスポーツという娯楽を楽しむのだろうか、そう立ち返った末に出た結論がこれです。
スポーツビジネスは感情と感動が最大の価値があるもの。

確かにスポーツを代理戦争のように扱う文化はあります。けれども、スポーツ観戦の一番の醍醐味は、そこに感動が生まれることだと、そう思うのです。

だからこそ、私は協会の失態で感動が損なわれることよりも、こちらも感情を示すことで想いを伝えたい。
J1リーグや代表戦に欧州で活躍する日本人だけでなく、殆どの人が見向きしない、Jリーグで例えればJ5にもなるようなアマチュアの試合でも、選手だけでなくファンやサポーターもいる光景として、感動を頂いた人間だからです。

女子も扱う協会として、性被害の軽視は看過できない。

1993年のJリーグ開幕から、Jリーグブームも巻き起こり、サッカーは日本のスポーツ文化の一つとなりました。
そして現代では、多くの日本人選手が欧州のトップリーグへと渡り、沢山の人たちを感動させています。

しかしながら国内スポーツとして目を向けた際に、私の主観ではありますが、Jリーグブーム自体が過去のものとなった現代における、国民的スポーツとしての序列はトップクラスとは程遠いです。
一番が高校野球、その次がプロ野球(NPB)、大相撲、駅伝の次に位置するのが現在のJリーグの位置、なんならゴルフや格闘技も大きく差のない場所にいるのではないかとも思っています。

また、Jリーグを楽しむということが、地域におけるマイノリティとは言えない地域を考えた際です。
仙台、山形、茨城県鹿行地域、さいたま市近辺、川崎市、新潟、山梨、松本市近辺、静岡県、名古屋市東部近辺及び豊田市、大分に加えて、岡山、広島、長崎も脱マイノリティ化したのかなと。
いわき、町田市、富山、岐阜、今治、鹿児島あたりも脱マイノリティ化で頑張っている地域と感じます。
加えて柏、東京都多摩地区、横浜、京都、大阪府北摂地域、神戸、徳島、鳥栖市近辺も及第点なのかなと。

しかしながら、これ以外の地域では、Jリーグを応援することはマイノリティでしょう。
しかしながらこれは男子サッカーでのお話です。

国内女子サッカーを考えると、2021年にプロリーグとしてWEリーグが発足したものの、プロスポーツとしての知名度はあまりにも低く、それなりに地域へとプロスポーツとして認知してもらえたのはサンフレッチェ広島レジーナくらいではないでしょうか。
INACK神戸や浦和レディース、東京Vベレーザ等も、プロスポーツとして考えたら浸透は如何でしょうか。
JFAが主催する大会でも、動員策をして盛り上げている状態で、同じサッカーでありながら、未だに女子競技の地位は男子と大きく格差があります。
高校女子選手権決勝をTBSで放映していても、男子との盛り上がりの差はあまりにも大きいです。

国内に目を向けて、マジョリティとは言えないサッカーで、さらにその中のマイノリティである女子競技の現状も考えた際に、女性の性被害を軽視するような発言というのはあまりに卑劣としか言いようがないでしょう。

国内サッカーが誹謗中傷を受け、女性の性被害は軽視され続けている状況で、協会に対して黙っていられるでしょうか。

マイノリティとなる人もいる国内サッカーを愛する人が、苦しまないでほしい。

サッカーで感動する人が、サッカーを楽しむことを愛する人が、いまこれだけ白い目線を向けられなければならない状況を作ったのは、間違いなく協会と関係者の対応にあるでしょう。

もちろん、過去も含めて各所でサポーターが起こしてきたトラブルを無視するわけではありませんが、それとは関係ないところで、サッカーを愛することすら悪いことのように言われてしまっている事、これを協会は把握しているのでしょうか。

批判する人を過度に誹謗中傷だと拒絶して、悪者に仕立て上げることが日本のサッカーの未来を良くすることとは全く思いません。

サッカーをやること、サッカーを観たり愛したりすることが、普通のこととして許容される社会であってほしいです。



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