諦めきれなかった、その先で
雲の上に城があるのは、夢だからじゃない。
ここでは、忘れられた願いが重くなりすぎると、地上にいられなくなるのだ。
人々が「もう無理だ」と胸の奥に押し込めた約束や、
叶えなかった未来への言い訳たちが、少しずつ集まって、
やがて島になり、城になった。
空に浮かぶこの王城は、
かつて“信じきれなかった人たち”の居場所だった。
昼と夜が同時に空にあるのは、
ここでは後悔と希望が同じ強さで存在しているから。
太陽は「それでも進め」と照らし、
月は「立ち止まってもいい」と囁く。
城の中央から落ちる滝は、
誰にも言えなかった涙でできている。
落ちた雫は雲に溶け、
やがて虹となって、別の浮島へ橋をかける。
その虹を渡れるのは、ひとつだけ条件がある。
「まだ信じたい」と、ほんの少しでも思えること。
だからこの城は、救いの場所ではない。
選択の場所だ。
戻ることもできるし、
ここに留まることもできる。
どちらが正しいかは、誰にも決められない。
今日もまた、誰かの願いが重くなって、
静かに空へと浮かび上がる。
そして城は、何も言わずに受け入れる。
――ここは、諦めきれなかった人たちの王国だから。
最後まで読んでくださりありがとうございました🙏✨️
みかんさんの、
こちらのお題に参加させていただきました☺️

