🐑羊雲のアリュメと、眠れない星🐑
久しぶりの物語✨️
ひつじちゃん🐑が出てくるファンタジーだよ🌸
眠れない方は想像しながら、
読んでみてね🐈⬛💕
【878文字です】
――眠れる雲を渡る少女は、世界を“やさしくする”旅に出る。
舞台は「夢と現実のあいだ」に浮かぶ世界。
人々の“安らぎ”が形になった羊雲(ひつじぐも)が空を流れ、夜になると、それが星々に変わる――そんな幻想的な世界。
羊っ子アリュメは、「眠れない星々」を導く“夢紡ぎの民”のひとり。
けれど、ある夜、星が眠れなくなってしまうという異変が起こり、アリュメは夢の糸をたどって、世界の秘密に触れていく。
夜のはじまり、空にふわりと羊雲が流れていく。その上を、小さな足音がぴょん、ぴょんと跳ねた。
「今日は、どの星を寝かせようかなぁ?」

アリュメは空に住む“夢紡ぎの羊っ子”。
ふわふわの耳と、くるんと丸まった角。
片方の瞳は朝露みたいな薄茶色、もう片方は宝石を閉じ込めたような桃色。
夢の世界の子どもたちは、彼女が夜ごとに紡ぐ“やすらぎの歌”を聴いて眠るのだ。
けれど、その夜――ひとつの星が光を失っていた。
「どうしたの、眠れないの?」
アリュメがそっと手を伸ばすと、星はかすかに瞬き、「……こわい夢を見たんだ」と震える声が返ってきた。
アリュメは少し考え、胸のポケットから小さな雲のかけらを取り出した。それを両手で包みこみ、やわらかく息を吹きかける。
すると雲は、あたたかな光を帯びて、羊の形に変わる。
「ねえ、この子にお願いしてみよう? 一緒に眠るとね、いい夢が見れるんだよ」
羊の雲は星のそばに寄り添い、ほわほわと光の毛布をかけた。やがて星は安心したように、すうっとまぶたを閉じる。
「おやすみなさい、明日の空でもまた会おうね」
アリュメは微笑み、雲の上に腰を下ろした。その頬に、夜風が優しくふれる。彼女の隣で、相棒のスピカが眠そうに頭をのせてつぶやいた。
「アリュメって、ほんとに“眠りの魔法使い”みたいだねぇ……」
アリュメは小さく笑う。
「ううん、わたし、ただ“誰かを安心させたい”だけなんだ。 怖い夢も、寂しい夜も、きっと“やさしさ”があれば眠れるから。」
遠くで、朝の星がまたひとつ瞬いた。
夜が終わりを告げるころ、羊雲の上で、アリュメも小さくあくびをした。
今日もまた、やさしい夢の世界が広がっていく。
