お地蔵様の井戸端会議
村のはずれに、六体のお地蔵様が並んでいました。
春も夏も秋も冬も。
雨の日も風の日も。
いつも静かに村を見守っています。
村の人たちは知りません。
実はお地蔵様たちが、毎晩こっそりおしゃべりしていることを。
カラン、コロン。
お寺の鐘が夜を知らせる頃。
六体のお地蔵様は、そろーり、そろーりと動き出します。
「ふぅ。今日もよく立ったのう」
「腰が石じゃからのう」
「お主、全身石じゃろ」
「おお、そうじゃった」
一番右のお地蔵様が笑うと、みんなもつられて笑いました。
そして向かう先は村の井戸。
毎晩そこで開かれるのが――
『お地蔵様の井戸端会議』です。
「さて、今日の議題は何じゃ?」
長老のお地蔵様が聞くと、
真ん中のお地蔵様が手を挙げました。
「団子屋の新しいきなこ団子についてじゃ!」
「おお、それは大事じゃ!」
「昨日、子どもが持っておったのを見たぞ!」
「うまそうじゃったなあ……」
みんな真剣な顔で頷きます。
しかし。
お地蔵様たちは石なので、団子は食べられません。
「見ることしかできんのう……」
「切ないのう……」
六体のお地蔵様は、しばらく本気で落ち込みました。
片桐みかんさんのこちらのお題に参加させていただきました👇️✨️
