勝てば官軍、負ければ疲労管理──なぜ「疲れのせい」にするのか?
勝てば官軍、負ければ疲労管理──なぜ「疲れのせい」にする指導は思考放棄なのか
X(旧Twitter)の筋トレクラスタにおいて、鋭い語り口で知られるスクワットマニア氏。
彼の発言は時に波紋を呼びますが、本質を突いていることが非常に多いと感じています。
勝てば官軍、負ければ疲労管理
— スクワットマニア/BIG3専門指導 (@squat_mania) August 8, 2026
「勝てば官軍、負ければ疲労管理」
SNSやジムの現場を見渡すと、成果が出たときは自分のトレーニング理論の正しさを誇り、重量が伸び悩んだり試技に失敗したりした途端、「いまは疲労が溜まっている時期だから」「ピーキング終盤で疲労が抜けていないから仕方ない」と片付けてしまう光景にしばしば遭遇します。
パワーリフティングコーチ、そしてBIG3のトレーナーとして、この「疲労」に対する向き合い方には以前から強い危機感を抱いていました。
結論から申し上げれば、不調の理由を安易に疲労のせいにするのは、指導者としてもアスリートとしても「思考の放棄」にほかなりません。
■ 疲労を言い訳にするコーチの矛盾
選手が予定していた重量を挙げられなかったとき、コーチが「疲労が溜まっているから仕方ない」と慰める。
試合直前のピーキング終盤で狙い通りの出力が出ないとき、「疲れのせいだから本番は大丈夫」と誤魔化す。
一見すると選手に寄り添っているように見えるかもしれません。
しかし、トレーニングの計画(プログラミング)を作成・指定しているのがそのコーチ自身であるならば、これは完全なブーメランです。
そもそも、トレーニングとは「生体に負荷(ストレス)をかけ、一時的に疲労を生じさせ、その後の回復過程で適応(筋力向上・筋肥大)を引き出す作業」そのものです。
スポーツ科学における基本モデルである「フィットネス-疲労理論(Fitness-Fatigue Model)」(Chiu & Barnes, 2003 等)が示す通り、トレーニング刺激は常に「フィットネスの向上」と「疲労の蓄積」という2つの要素を同時に生み出します。
つまり、現在のフェーズが「あえて疲労を蓄積させて過負荷を与える段階(蓄積期・ボリューム期)」なのか、それとも「疲労を取り除き、高まったフィットネスを筋力(パフォーマンス)として表面化・変換させる段階(ピーキング期)」なのかを明確に意図し、コントロールすることこそがトレーニング計画の根幹なのです。
ピーキングの終盤になっても狙った出力が出ないほどの疲労が残っているとすれば、それは「疲労だから仕方ない」のではなく、「疲労抜きの計画設定・強度設定が失敗している」という事実を示しています。原因を不確定な疲労のせいにして片付けるのは、計画の甘さを隠すための言い訳に過ぎません。
■ 疲労を「感覚」から「管理可能な数値」に変えるツール:RPE
では、どのようにして疲労を客観的に管理し、計画通りの適応を引き出すべきなのでしょうか。その答えとなる重要な指標が「RPE(Rating of Perceived Exertion:自覚的運動強度)」および「RIR(Reps in Reserve:余力回数)」です。
元々は運動生理学の分野(Borgスケール)で用いられていたRPEですが、パワーリフティングの文脈においては、RTS(Reactive Training Systems)の創始者であるマイク・タッシャーラー(Mike Tuchscherer)氏によって、「あと何回挙げられたか」という余力回数に基づく独自のスケールとして再定義されました。
・RPE 10:限界。これ以上は1回も挙がらない。
・RPE 9:あと1回挙がる余力がある。
・RPE 8:あと2回挙がる余力がある。
重量(%1RM)だけに固執する絶対的なプログラミングでは、その日の体調、睡眠、仕事のストレス、あるいは蓄積した微細な疲労によって、実際の身体負荷が過剰になってしまうリスクがあります。
ここにRPEを用いた「オートレギュレーション(自動調整機能)」を導入することで、その日のコンディションに応じた適切な刺激量を正確にコントロールできるようになります。「今日は予定では100kg×5回だったが、RPEが高すぎるため疲労過剰と判断し、重量を微調整する」といった判断が論理的に可能になるのです。
疲労とは、漠然と耐えるものでも、失敗の言い訳にするものでもありません。データと指標を用いて「コントロールするもの」です。
■ 誠実な指導と、再現性のある強さを求めて
「勝てば官軍、負ければ疲労管理」という言葉の裏には、結果が出なかったときに原因を突き詰めず、便利な言葉に逃げてしまう人間心理への皮肉が込められています。
根拠のない「根性論」や、結果が出なかったときの「言い訳」からは、再現性のある強さは生まれません。大切なのは、科学的な知見に基づき、自分の身体で起きている現象を客観的に把握し、着実にステップを踏んでいくことです。
私が提供しているオンラインコーチングでは、単に「この重量をやってください」というメニューの提示にとどまりません。選手一人ひとりのRPEやフォーム動画、日々のコンディション変化を緻密に分析し、「いま何を目的として負荷をかけているのか」「いつ疲労を抜き、いつピークを持っていくのか」を論理的かつ誠実にお伝えしながら進めていきます。
・感覚任せのトレーニングから脱却したい
・ピーキングで毎回失敗してしまう
・怪我なく、確実にBIG3の記録を伸ばしたい
そう真剣にお考えの方は、ぜひ一度オンラインコーチングをご検討ください。根拠ある計画としかるべき疲労管理で、あなた史上最高のパフォーマンスを共に作り上げましょう。
オンラインコーチング

興味のある方は公式LINEにて
30分無料カウンセリング受付中です!
パーソナルトレーニング初回限定120分9900円もございます!
