053.『足るを知る』ことで、偶然を幸運に変えるセンサーを手に入れよう
今年も残り2ヶ月ちょっと。時間が経つのは早いものです。
この1ヶ月、Catalyskiとしても、来年に向けた新しい取組みの話が複数急浮上しだしてきて、全く予想もしていない展開に僕自身も驚いています。
タネから芽吹いた新芽に水を与えるように、自分のセンサーを信じて、でも焦らず・結論を急がず、一つずつ丁寧に関わっていけたらと思っています。
そして、11/2,3は岩手盛岡、11/4,5は福井にお邪魔します。
このNOTEでも取り上げた、福井のエピソードの登場人物にも直接会いに行こうと思います。福井でトークイベントを予定していましたが、諸々の都合が噛み合わず、今回は断念する運びとなりました。でも、もしご興味がある方は、盛岡 or 福井でお酒でもご一緒しましょう🍺
読者のみんながいる街に赴き、セレンディピティを酒の肴に、一期一会の出逢いを楽しむ。そんなことを、これから一生かけてやっていこうと思います。ご興味がある方は是非一緒に何かしましょう✨
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💡 053. keyword は 👉 『満ち欠け』
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それでは本編スタートですっ!
✅ 偶然を幸運に変えるスイッチ
⏬ 老子の「知足者富」という言葉
前々から、『足るを知る』という言葉を僕は大切にしていて、たまにふと思い出します。老子の『道徳経』にある「知足者富(足るを知る者は富む)」という言葉が由来で、現代だと「今の自分に満足しよう」みたいな多少の諦めにも似た話に解釈されがちですが、本来の意味はもっと動的で、生きる態度そのものに関わっています。
僕が思う『足るを知る』とは、幸福論の延長なんだけど、満たされることじゃなく、"満ちていると気づくこと"。幸福を外から得るのではなく、内側から見出す態度、つまり、外側の条件ではなく、内側の感度の話なんです。
⏬ 「足りてない」と思うからこそ動ける
もちろん、『足るを知る』だけでは生きていけません。「足りてない」「もっとこうしたい」と思う気持ちが、行動の原動力になることもたくさんあります。
何かを変えたい、挑戦したい、手に入れたい・・・
そういう欠乏の感覚があるからこそ、人は外の世界へ出ていくし、新しい情報や人や偶然に出会うことができる。
"欠け"を感じることは、ある意味、世界と接続するためのスイッチになるんですよね。
でも、その状態がずっと続くと、「次・次・次」と、常に何かを追いかけてしまう。視野はどんどん狭くなり、何かを得るために動いていたはずなのに、せっかく目の前に起きている偶然にも気づけなくなる。
⏬ 行動を止めるのではなく、「気づきのスイッチを入れる」
そこで大切なのが『足るを知る』ということだと思うんだ。
これは行動を止めるための言葉ではなく、"偶然を意味に変換するためのモード切り替え"のこと。
行動と気づき。外に向かう力と、内に向かう力。
そのリズムの往復の中にこそ、セレンディピティは生まれます。
たとえば、ふとした会話や偶然の出会い、たまたま読んだ本の一節に心が動く瞬間。それを「運がいい」と感じられるかどうかは、その人の気づきのセンサーがオンになっているかどうかで決まる。『足るを知る』というのは、このセンサーをオンにするスイッチなんです。
"もうすでに、自分のまわりにはいろんなチャンスがある"と気づけたとき、はじめて世界が違う見え方をしてくる。セレンディピティは、その瞬間に生まれるように思うのです。
✅ 「満ち」と「欠け」というメカニズム
⏬ 欠乏が「動機」を生み、足るが「意味」を生む
行動と気づき。このふたつは、対立しているようで実はセットです。
欠乏は行動を生む(外に向かうエネルギー)
足るは気づきを生む(内に向かうエネルギー)
月のように「満ち欠け」という表現でもいいかもしれないですね🌘🌗🌖
"欠け"がなければ、出逢いは生まれない。
"満ち"がなければ、出逢いが意味を持たない。
この往復運動が、セレンディピティを形づくっています。
つまり、運のいい人とは、"行動と気づき"を、ちゃんと交互に呼吸しているような人、常にこのバランスを保てる人なんですよね。
⏬ 「満ちている」ときに、新しいことが生まれる
多くの人は、「満足=停滞」と考えがちです。
でも、実は逆じゃない?って僕は思っている。
人は焦っているときほど、世界を狭く見るし、「もっと・早く・うまく」と思うほど、偶然や他者の声が入り込む余白を失っていきます。
逆に、「今の自分でも案外、悪くないかもしれない」と思えた瞬間、心の中に静かなスペースが生まれる。この余白こそ、新しい発想や出逢いが入ってくる入り口なんです。
幸福も創造も、いつだって余白から生まれる。だから『足るを知る』は、挑戦をやめるための言葉ではなく、創造のための準備なのだと思うのです。
✅ これはビジネスでも同じ構造
⏬ 直線的な思考は、偶然を排除する
ビジネスとセレンディピティを絡めた話を聴きたいというご要望もあり、ここまでの話を、ちょっとビジネス的に解説してみます。
この"満ち欠けの呼吸"は、実はビジネスの世界でもまったく同じ構造を持っているように思います。企業も個人も、日々の経営や仕事の中で、「まだ足りない」「もっとよくしたい」という思いから動く。これは自然なことです。
ビジネスの多くは、「目標を設定し、そこに向かって因果的に計画を積み上げる」アプローチに基づいている。この考え方の背景には、"幸福=ゴールの達成(掴み取る)"という西洋的な幸福観があり、言い換えるなら「Causation(コーゼーション)」的なモデルと言えるかもしれません。
「今」よりも「もっと良い未来」を設定し、そのギャップを埋めることで進歩を実感する。つまり、「理想の姿(to-be)」を先に描き、「現状(as-is)」との差を埋めるための行動設計で、これは人類の発展を支えてきた偉大な思考法でもあります。
けれど同時に、この"直線的"と僕が呼ぶ思考法は、セレンディピティと最も遠い場所にある考え方と僕は考えている。
なぜなら、偶然は"直線"の上には落ちてないからです。
直線的な思考の世界では、未来はひとつのゴールとして描かれ、道の途中に現れる"寄り道や脱線"はノイズとして排除されてしまう。でも実際、人生やキャリアの転機は、たいていその"脱線"の中に潜んでいます。
⏬ 曲線的・指数関数的な思考へ
対して『足るを知る』は東洋的な幸福論に基づいていて、それは、「今ある手元のリソース(Who I am, What I know, Whom I know)」から出発し、試行錯誤の中で未来を共に生成していく思考法なので、先ほどのコーゼーションとは別で「Effectuation(エフェクチュエーション)」的に感じるのです。
この考え方において未来は、予測して達成するものではなく、"状況に合わせて未来を共につくっていく"もの、"関わりながら育てていく"ものです。幸福も成功も、一直線に向かうものではなく、偶然と偶然が重なり、曲線的に拡がり脱線するプロセスの中にある。

セレンディピティとは、この"非直線形の流れ"に身を置きながら、偶然を自分ごとに変えていく力のこと。『足るを知る』ことで生まれる余白は、この"曲線的な未来"を受け入れるための思考であり、準備運動と言えるかもしれません。
⏬ 満ち欠けの呼吸のリズムをデザインする
だからこそ、企業や個人に本当に必要なのは、「もっと」「さらに」という速度の競争ではなく、"満ち欠け"を行き来する柔軟さです。
欠けは、動かす力。満ちは、気づかせる力。
この二つを交互に呼吸するように扱える人ほど、偶然をチャンスに変えることができる。
そしてこの考え方は、個人の生き方だけでなく、チームや組織における思考の仕方、マネジメントの仕方にも通じています。
誰かが動き、誰かが見守る。
深化と探索、飢えと余白、推進と静けさ、静と動、確信と問い、整えることと乱すこと──その揺らぎの中にこそ、新しい発想や出逢いが生まれる。
組織運営とは、効率を高めることではなく、
この揺らぎをデザインし、リズムを整えることなのかもしれません。
そして忘れてはいけないのは、個々人の揺らぎを許容し、推進することこそが、組織の成長につながるということです。個人の中にある"満ち欠け"を押さえつけず、むしろその波を活かしてあげる。人は安定しているときよりも、揺れているときにこそ、新しい価値観や可能性に出会うからです。
チームや組織が、その"個のリズム"を支えたとき、そこには一人ひとりの物語が響き合い、偶然が偶然で終わらない場(チーム)が生まれていく。そんな成長の渦を巻き起こしたいものです。
✅ 幸運とは、足るを知った人にしか見えない
結局のところ、「運がいい人」って、他の人よりチャンスが特別・格段に多いわけではないと僕は思うんです。「運がいい人」と「そうでない人」の違いは、チャンスの量ではなく、"解釈の深さ"にあります。
起きた事象に「意味がある」と感じ取れるかどうかは、その人が、『足るを知る』状態にあるかどうかが起因している可能性がある。『足るを知る』とは、現状に甘んじることなく、世界を"見えるようにする"力のこと。
足りないと感じて動き、足ると気づいて意味を得る。このリズムを続ける人の元に、セレンディピティは何度でもやってくる。そしてそのセンサーがオンになった瞬間、あなたのまわりに散らばっていた偶然は、静かに幸運へと姿を変えはじめるのです。
僕は、思考と行動、そして習慣を意識的に変えることで、誰しもが、セレンディピティ思考を身につけることができ、結果として"世の中の「幸せの総量」を増やせる"と仮説を立てています。それを伝えるため、試行錯誤しながら自分の言葉を発信し続けていきますので、これからも応援をお願いします。
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