021.あなたも今日から実践!|デキる人が無意識にやっている"セレンディピティの技術"
日常のなかで、「偶然の出来事がきっかけで新しいチャンスをつかんだ」という経験はないでしょうか?たとえば、たまたま会った人との会話から仕事のアイデアが生まれたり、ふと目にした本が人生を変えるヒントになったり——。これこそが「セレンディピティ」です。
しかし、偶然が、すべてセレンディピティになるわけではありません。
目の前にチャンスがあっても、それに気づかない、つなげられない、行動しないことで、見逃してしまうことが多いのです。そして結果的に、私たちは「(自分は)運が悪い」などと言って、自分にレッテルを貼ってしまう。
セレンディピティの促進要因と阻害要因
今回紹介したいのは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(通称LSE)の「セレンディピティの促進要因と阻害要因」を示した以下の図です。(※正直、大した図ではないんだけど、でもここで言いたいことを伝えるには、この図が一番イメージしやすいと思い、載せます)

この図は、見ての通り、偶然の出来事(セレンディピティ・トリガー)から、セレンディピティの発見に至るまでのプロセスを描いている。そして、その途中には「見逃しポイント」が3つある。
① 気づかない
セレンディピティ・トリガーは、突然派手な形で”わかりやすく”現れるわけではない。むしろ、何気ない雑談や、ふとした違和感、日常のちょっとした出来事のなかに隠れていることが多いということ。
たとえば、
・カフェで隣の席の人が話している内容が、自分の課題と偶然リンクしていたのに、スマホに夢中になっていて気づかなかった。
・友人が何気なく紹介してくれた人が、実は自分が探していた情報を持っていたのに、興味を持たずにスルーしてしまった。
こうした「気づかないことで逃してしまうチャンス」は、意外と多い。気づいていないから、後悔もしないので、改めようともしないという負のスパイラルも生じる。
この問題を防ぐには、セレンディピティに意識的になることが大切だ。こういう話をすると、二言目には「要は、結果論じゃん」という人も、中にはいる。そう言いたくなる気持ちもわからないでもないけど、「一理あるな」「やってみるか」と行動に移そうとする人がいるのも事実。そこから、差が生じるわけです。
実際、セレンディピティに懐疑的だった人たちが「2週間に1回、30分だけ偶然を意識する時間をとる」という実験をしたところ、発見の数が劇的に増えたというデータがある。たったそれだけの意識の違いで、未来のチャンスの数が大きく変わるのです。
② 点と点を結びつけられない
たとえトリガーに気づいても、それを別の情報や経験と結びつけられなければ、意味を持たない。情報をそのまま受け取るだけでは、新しい価値にはならないというのも、これまた不都合な真実。
たとえば、
・マーケティングの本を読んでいても、それが自分の仕事の課題解決にどうつながるかを考えなければ、ただの知識で終わる。
・異業種の人の話を聞いても、自分の業界に応用できる視点が見つけられなければ、「面白い話だったな」で終わってしまう。
では、どうすれば「点と点を結ぶ力」を鍛えられるのか?
そのためには、メモの取り方を工夫することから始めるだけでも違うかもしれません。
結びつけるためのメモのコツ
「なぜ気になったのか?」を書き留める
その場では理由がはっきりしなくても、「なぜか気になる」と思ったら、その直感を記録してみましょう。「○○の話と関係があるかもしれない」「△△の課題に応用できそう」など、気づきをメモに残すのも大切。関連するメモとリンクする
「このアイデアは、以前の××のメモとつながる」と記録しておくと、あとで関連性を見つけやすくなります。マインドマップやタグ付けを活用するのもおすすめです。定期的に見返す
メモを取るようになったとしても、書きっぱなしでは意味がありません。1カ月に1回程度でも構わないので、過去のメモを読み返し、新たな結びつきを発見する時間を作ってみましょう。結びついた結果も記録する
「このアイデアを試したらこうなった」「別の人に話したら、こんなフィードバックをもらった」など、実践の結果を残すことで、思考のプロセスが蓄積され、さらに広がります。何より自分のアクションログとして残るので、自分のアクションをメタ認知でき、効果を実感しやすくなります。
以前の投稿で、マインドマップを使ったワークをご紹介しました。興味がある方は、こちらも併せてご覧ください。ちなみに、僕は、この「②結びつける」タイミングでChatGPTを活用するようにしています。GPTのメモリが100%に達してしまった三上の少し変わったGPTの使い方なんかも、どこかでご紹介したいですね。
③ 最後までやりきれない
せっかく気づいて、結びつけたとしても、行動しなければ何も変わらない。
「面白そうだけど、今は忙しいから後でやろう」
「このアイデア、自分には関係ないかもしれない」
「やってみたいけど、どう進めればいいかわからない」
こうした理由で、せっかくのチャンスを逃してしまうことがあります。
ここで大切なのは、「小さく動いてみること」 です。大きな決断をする必要はありません。誰かに話してみる、ちょっと調べてみる、1つアクションを起こしてみる——それだけで未来は変わるのです。
+「相手のセレンディピティ・トリガー」になるという視点
ここまで、「自分が気づくこと」を中心に話してきましたが、もうひとつ重要な視点があります。
それは、「自分が誰かのトリガーになる」ことです。セレンディピティの本を僕も複数読み漁りましたが、この視点が結構抜けていて、自分の感度を高め、自分で掴みに行くというものが大半を占めています。
これは、ある種当然だなと思っていて、well-beingなどの文脈から『幸福論』について調べてみたら、『幸福論』において東洋と西洋の違いがあることがわかります。セレンディピティの研究をしているのは欧米諸国が多いので、「運は自分で掴むもの」という認識をされていることが、大きく影響してそうです。
しかし、東洋思想では、例えば「情けは人の為ならず」や「諸法無我」といった他者との関係性の中で自分が存在しているという価値観がある。そして最近アダム・グラントの投稿で知った「sonder」という言葉があるが、たった6文字の単語なのに、これを翻訳するには、日本語でも200文字くらいの説明が必要な不思議な言葉で、やっと欧米でもこういう東洋思想的なものを言語化しようとする人が出てきたのかなって少し微笑ましくもありました。
こういう背景を自分なりに考えた時に、僕はセレンディピティという考え方は非常に日本人にフィットするような気がしたんです。だから、こうやって発信することを決めたわけです。
セレンディピティを考えると、多くの人は「偶然を探すこと」に意識を向ける。しかし、世界にはあなたと同じように「セレンディピティを探している人」がいる。その人たちのセンサーに引っかかるように発信・行動することで、相手にトリガーを引き起こす可能性がある。
たとえば、
SNSで最近気になった本やアイデアをシェアする
仕事でのちょっとした発見をチーム内で共有する
雑談のなかで「そういえば、○○って知ってる?」と話題を振る
自己紹介で部署名を言うよりも、自分の興味関心を話してみる
こうした小さなアクションが、誰かの「点と点を結ぶきっかけ」になることがある。そして、相手が気づいたことをフィードバックしてくれることで、自分自身の視野も広がる。
セレンディピティは、ひとりで完結するものではなく、《ネットワークの中で生まれるもの》なのだ。
まとめ:セレンディピティ・トリガーをつかむために
セレンディピティを活かすには、以下の3つのステップが重要です。
意識を高め、トリガーを見つける(「探す時間」を作る)
点と点を結びつける習慣をつける(メモを工夫し、結びつきを記録する)
行動し、最後までやりきる(小さく動く)
そして、もうひとつ。
《自分が誰かのトリガーになる》という視点を持ち、積極的に発信すること。こうした習慣を続けることで、セレンディピティの数は確実に増やすことができるはずです。
実際に、私のnoteやセミナー動画を見たり、公式LINEに入ってくださった人たちが、「セレンディピティ」という言葉を用いる機会が圧倒的に増えましたし、以前よりもそれを見つけられるようになったという感想も届いています。
偶然を、ただの偶然で終わらせないために——。
今日から、意識してみてはどうでしょうか?
最後に
今年は、セミナーとか勉強会を複数回行いたいと思っています。
イベント主催者さんで、ネタに困っているとか、セレンディピティについて興味がある・・・といった方、是非企画をしてもらえたら嬉しいです。
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