【読書記録】 破局 /遠野遥
破局 /遠野遥 2025/05/14
第163回 芥川受賞作。ブックオフで350円で購入した。素直に面白かったっていう感想は不適切な気がするけど、短い割にものすごく読み応えがあって大満足だった。
全体的に話がずっと不気味だった。あとから知ったのだけど、芥川賞受賞作というのはこういう雰囲気の作品が多いらしい。こんなのばっかりずっと読んでたら気が動転する!
純文学だった。読者を楽しませる目的で書かれている本ではないと思う。
主人公は高学歴大学4年生、母校のラグビー部のコーチをしながら、公務員試験にも合格、就職活動も順調、日々肉体を鍛え上げ筋肉隆々、、
わたしはこういう人間とは相容れないと思っている。
主人公は常に、理性と性欲ばかりが先行して、感情が置いてけぼりになっている。
周囲の女性からの求めに積極的かつ受動的に応じる反面、自分の感情とは別にもう1人の自分が常に居て、感情と意識を切り離して規範と照らし合わせて表面的に自分のことを解釈し行動している。
しかもずっと一人称で話が続くので、周りから見た主人公の評価はよくわからないまま話がすすんでいく。不気味だった!
性的描写が別の意味で生々しい、なんというか、ずっと不穏で不安になる性的表現。わたしには書けない。男の人だからこそかける文章な気がした。
感情よりも、「こうあるべきだ」とか「こう在らないといけない」っていう理性が先走るのもの危険だなと思った。
とにかく面白かった、いい読書体験でした
