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【noteをオウンドメディアへ】お客様の質問を記事に変える「質問台帳」の作り方

この記事では、AI検索で読み取られやすいFAQ記事を作る前に、お客様から実際に聞かれた言葉を残す「質問台帳」を取り上げます。問い合わせや打ち合わせで生まれた質問を、その場限りの回答で終わらせず、背景の不安や普段の説明と一緒に記録することで、仕事の知識をnoteの記事へ移しやすくなります。

記事を書こうとして、パソコンの前に座ります。

「お客様からよく聞かれる質問を書けばいい」

そう分かっているのに、肝心の質問が思い出せないことがあります。

仕事中には、何度も説明しているはずです。

料金はどう決まるのか。初めてでも頼めるのか。どこまで対応してもらえるのか。

その場では普通に答えていたのに、記事を書く時間になると、言葉が出てきません。

発信の材料がないというより、材料が生まれる時間と、文章にする時間が離れすぎているのかもしれません。

こんにちは。綿樽 剛です。

ネタリエという屋号で、小さな商売のnote発信サポートをしています。

仕事の中にあるメモ、音声、過去記事、日々の気づきを拾い、検索にも届き、人柄も伝わるnote記事へ整えています。

この連載では、noteを単なる投稿場所ではなく、仕事の情報や考え方が積み上がる小さなオウンドメディアとして育てる方法を考えています。

今回は、記事のテーマを机の前でひねり出すのではなく、仕事中に生まれた質問を残す方法を考えます。

FAQ記事を作る前に、質問が消えている

参考にしたEXPACTの記事では、AI Overviewや生成AIによる検索が広がるなかで、AIが内容を理解しやすい構造へ整える考え方が紹介されていました。

見出し、リスト、表、FAQ形式などを使い、情報の階層を明確にすること。質問に対する簡潔な回答を先に置くことも、具体策の一つとして挙げられています。

FAQ形式は、小さな商売のnoteにも取り入れやすいと思います。

専門的な調査データがなくても、普段受けている質問には答えられます。自分の仕事について尋ねられたことなら、一般論だけではなく、実際の進め方や判断基準も書けるでしょう。

ただ、記事の形式を決めても、元になる質問が手元になければ書き始められません。

「よくある質問を10個考えよう」と時間を取っても、すぐに浮かぶのは二つか三つです。

書こうと思ったら、まったく書けないんですよね。

質問が生まれた場面には、目の前のお客様がいます。

メールを返信したり、電話で説明したり、打ち合わせを進めたりしています。そのときの目的は、記事のネタを集めることではありません。

相手の疑問に答えることです。

説明が終われば、次の仕事へ移ります。質問だけが、その場に置き去りになります。

仕事の言葉には、発生する時間がある

記事のネタを考える時間を作ることは大切です。

けれど、自分の仕事から記事を作るなら、材料の多くは執筆時間の外で生まれています。

問い合わせ前の人から、対象者について尋ねられる。

打ち合わせ中に、料金や納期の決まり方を説明する。

納品後のお客様から、使い方をもう一度確認されることもあります。

こうした質問には、検索キーワードだけを調べても見つけにくい、その仕事ならではの迷いが含まれています。

同じ「料金はいくらですか」という質問でも、知りたいことは人によって違います。

予算内に収まるか知りたい人もいれば、あとから追加料金が発生しないか心配している人もいるでしょう。安いプランを探しているとは限りません。

生の質問を残しておくと、言葉の奥にある不安も振り返りやすくなります。

反対に、記事を書く段階で質問を作ろうとすると、整いすぎた表現になりがちです。

「サービスの特徴を教えてください」

「他社との違いは何ですか」

間違いではありません。ただ、実際のお客様がどんな場面で立ち止まったのかまでは見えにくくなります。

仕事の言葉は、仕事の最中にしか拾えないことがあります。

質問を記事へ渡す「質問台帳」を作る

質問台帳は、仕事中に生まれた言葉を、記事を書く時間へ受け渡すための中継地点です。

立派な顧客管理システムを作る必要はありません。

表計算ソフトでもいい。

スマートフォンのメモでもいい。

紙のノートでも構いません。

大切なのは、

質問が出たときに、迷わず残せる場所を一つ決めること

です。

最初は、次の5項目があれば十分です。

1. 実際の質問

相手が使った言葉を、できるだけそのまま残します。

2. 質問された段階

問い合わせ前。

比較中。

申込前。

利用中。

利用後。

どの段階で出た質問なのかを残します。

3. 背景にありそうな不安

相手は、何が分からなかったのか。

何を心配していたのか。

ここは後から追記しても構いません。

4. 普段の回答

自分が実際に説明している内容です。

一般論ではなく、自分の仕事ではどう判断しているかを残します。

5. 次に案内したもの

関連記事。

料金ページ。

サービス案内。

予約ページ。

別の相談先。

実際にどこへ案内したかも、あとで記事末尾を考える材料になります。

全部を毎回埋める必要はありません。

忙しいときは、

初めてでも依頼できますか?

と一行だけ残す。

それで十分です。

記録そのものが重くなると続きません。

質問を集めたら、次は分類する

質問台帳は、質問をためるだけでも役立ちます。

ただ、ある程度たまったら、次は分類してみます。

僕は、noteの記事棚を大きく5つの役割で見ています。

検索から出会う入口の記事

まだ自分のことを知らない人が検索しそうな質問です。

たとえば、

「○○とは何ですか」

「○○と△△は何が違いますか」

「初めて○○するときに何を準備しますか」

といったものです。

悩みを整理する記事

質問の形にはなっていなくても、

「何から始めればいいか分からない」

「自分の場合はどこが問題なのか分からない」

という迷いがあります。

こうした質問は、読者の状況を整理する記事にできます。

人柄や考え方を伝える記事

「なぜその方法なんですか」

「なぜこの料金なんですか」

「どういう依頼は受けていませんか」

といった質問です。

答えると、自分の判断基準や仕事への考え方が見えてきます。

サービスを検討する前の記事

「自分でも申し込めますか」

「何を準備すればいいですか」

「どこまでやってもらえますか」

など、依頼前の判断に関係する質問です。

よくある質問に答える記事

納期、料金、進め方、対応範囲など、何度も同じ説明をしている質問です。

独立記事にしてもいいですし、FAQとしてまとめても構いません。

質問をこうして役割に分けると、

「質問はたくさんあるけれど、相談前の記事が少ない」

「入口記事はあるけれど、人柄や考え方を伝える記事が少ない」

といった偏りも見えてきます。

記事を役割ごとに考える方法は、こちらで詳しく整理しています。

noteを日記で終わらせない記事設計|仕事につながる5つの記事役割

全部の記事にしなくていい

質問台帳に質問が増えると、

「全部記事にしなければ」

と思うかもしれません。

でも、その必要はありません。

一人のお客様にしか当てはまらない質問もあります。

一文で答えられるものもあります。

サービスページへ一行足せば解決するものもあります。

プロフィールへ書いた方がよいこともあります。

独立記事に向いているのは、たとえば次のような質問です。

・何度も聞かれている
・説明に時間がかかる
・相談前の不安に関係する
・自分なりの判断基準が含まれている
・検索する人がいそう
・ほかの記事から何度も説明したくなる

質問台帳の目的は、記事数を増やすことではありません。

質問を、適切な置き場所へ振り分けることです。

次に書く1本は、繰り返し出ている質問から選ぶ

質問台帳が少したまったら、次に書く1本を選びます。

難しく考える必要はありません。

まず、同じような質問が何回出ているかを見ます。

次に、

「この質問に答えると、相談前の不安が減るか」

を考えます。

さらに、

「既存記事へ加筆すれば足りないか」

も確認します。

既存記事で答えられるなら、新しく書かなくても構いません。

それでも独立記事が必要なら、そこで初めて次の1本にします。

たとえば、

「初めてでも依頼できますか?」

という質問が何度も出ているなら、

「初めて依頼する方へ。相談前に準備してほしいこと」

という記事にできるかもしれません。

あるいは、サービス案内の中に「初めての方へ」という見出しを追加するだけで足りるかもしれません。

質問からすぐ記事を書くのではなく、

どこに置くと一番役立つか

まで考えます。

これで、質問を列挙するだけの台帳から、「次に何を書くか」を決める台帳へ変わります。

お客様の情報は、そのまま記事に持ち込まない

質問を記事素材として使うときに、もう一つ大事なことがあります。

個人情報や、相談内容そのものを記事へ持ち込まないことです。

たとえば、

・氏名
・会社名
・メールアドレス
・電話番号
・住所
・契約内容
・社内事情
・本人が特定できる具体的なエピソード

などは、質問台帳から記事制作へ渡す前に取り除きます。

「あるお客様からこう聞かれました」

と書く必要がない場合も多いです。

質問だけ一般化して、

初めて依頼する方から、「何を準備すればよいですか」と聞かれることがあります。

くらいにすれば十分です。

AIを使って質問を分類したり、下書きを作ったりする場合も同じです。

顧客情報や機密情報を、そのまま入力しない運用を先に決めておきます。

ネタリエでAIをどこまで使い、どこを人が判断しているかはこちらにまとめています。

ネタリエの記事制作で、AIをどこまで使っているか

小さな商売なら、まず3つの質問から始める

質問台帳を最初からきれいに作ろうとすると、それ自体が仕事になります。

小さな商売では、代表者自身が、

接客。

制作。

経理。

発信。

全部をやっていることも珍しくありません。

その状態で、質問が出るたびに細かな項目を入力する運用は続きにくいです。

まずは一週間、実際に聞かれた質問を3つだけ集めてみてください。

対面だけではありません。

メールで返信したこと。

電話で説明したこと。

見積もり時に聞かれたこと。

資料へ何度も書き足していること。

これらも質問台帳へ入れられます。

そして一週間後に、

「どれを一番よく聞かれたか」

「どれが一番説明に時間がかかったか」

「どれを先に記事にすると、次のお客様が助かりそうか」

を見ます。

そこから、次に書く1本を決めます。

質問だけでは残しにくいことは、音声で補える

質問台帳には、

「何を聞かれたか」

は残しやすいです。

でも、

「なぜ自分はそう答えたのか」

「そのとき、どこが気になったのか」

「以前にも似たことがあったのか」

まで書こうとすると、少し重くなります。

そんなときは、音声で残す方法があります。

質問を一行メモしたあと、

「この質問、最近3回聞かれている」

「たぶん料金より、追加費用が心配なんだと思う」

「自分はいつもこう説明している」

と数分話しておく。

それだけでも、あとから記事にするときの材料が増えます。

質問台帳が「何を聞かれたか」を残す場所なら、音声は「なぜそう考えたか」まで残しやすい方法です。

次は、仕事中に浮かんだ理由や具体的な場面を、音声で記事素材として残す方法をまとめています。

音声入力で記事の素材を残す方法

まとめ

記事ネタがないように感じても、仕事の中では毎日のように質問されています。

ただ、その言葉は仕事が終わると消えていきます。

質問台帳は、その場で生まれた言葉を、記事を書く時間へ渡すための中継地点です。

最初から立派な表を作る必要はありません。

まずは、

「今日、何を聞かれたか」

を一つ残す。

少したまったら、

・どんな段階で出た質問か
・背景にどんな不安があるか
・どの記事役割に近いか
・何度聞かれているか
・既存記事で答えられないか

を確認します。

そして、本当に必要なものだけ次の記事にします。

質問を集めることが目的ではありません。

仕事の中にある言葉を残し、読者が必要としている記事へ変えていくことが目的です。

まずは今週、3つだけ集めてみてください。


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