祝20周年!ついに登場した「jQuery 4.0.0」は何が変わったのか?ECサイト開発の視点から解説
こんにちは、メルカート プロダクトマネージャーの若松です。
2026年1月17日、Web業界にとって少し感慨深いニュースが飛び込んできました。多くのWebサイトで長年利用されてきたJavaScriptライブラリのjQuery(ジェイクエリー)のバージョン4.0.0がついにリリースされました 。
最初の発表からちょうど20周年という節目のリリースであり、前回のメジャーバージョン(3.x)からは約10年ぶりの大型アップデートとなります 。
多くのECサイトや企業のシステムでは、幅広く利用されています。今回のアップデートは、そうした「長く愛されるシステム」を、現代のセキュリティ基準やスピード感に合わせていくための重要な刷新です。
【概要】3分でわかる jQuery 4.0(ビジネス・Web担当者向け)
技術的な詳細は後述しますが、Web担当者やマネージャーの皆様に知っていただきたいポイントは以下の3点です。
1. サイトの表示が少し速くなる(軽量化)
今回のバージョンでは、長年の継ぎ足しで溜まっていた「古いコード」が大幅に削除されました。これにより、ライブラリのファイルサイズがgzip圧縮時で3KB以上削減されています 。「たった3KB?」と思われるかもしれませんが、画像が多いECサイトにおいて、基本ライブラリが軽くなることは、ページの表示速度(パフォーマンス)向上に直結し、ユーザー体験の改善に寄与します。
2. セキュリティが強化される
jQuery 4.0では「Trusted Types(トラステッド・タイプ)」や「CSP(コンテンツ・セキュリティ・ポリシー)」といった、現代のセキュリティ基準に対応しました。
3. Internet Explorer 10以下サポート終了
今回のアップデートで、Internet Explorer 10以下の古いブラウザサポートは廃止されました 。しかし、Internet Explorer 11 (IE11) のサポートは継続されています。2025年10月14日にwindows10のサポートが終了しておりますが、まだ利用ユーザーは残っていると思われるため、判断が難しいところですね。
【技術解説】エンジニア向け詳細変更点
ここからは、フロントエンドエンジニア向けに、具体的なコードへの影響と移行のポイントを解説します。
1. 非推奨APIの完全削除とネイティブ回帰
長らく「非推奨(Deprecated)」となっていたAPIがついに削除されました。今後はブラウザ標準のJavaScript(Vanilla JS)を使用する必要があります。
主な削除APIと代替コード例
■ jQuery 削除API とその代替手段 一覧
【削除されたAPI】 【代替(Modern JavaScript / Vanilla JS)】
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jQuery.isArray(x) → Array.isArray(x)
jQuery.parseJSON(x) → JSON.parse(x)
jQuery.trim(x) → x.trim()
jQuery.type(x) → typeof x / instanceof
jQuery.now() → Date.now()
jQuery.isNumeric(x) → isFinite(x) && !isNaN(parseFloat(x))
jQuery.isFunction(x) → typeof x === "function"
jQuery.camelCase(x) → 自前実装 or lodash の _.camelCase
jQuery.cssProps → 削除(代替なし)
jQuery.fn.push → 使用禁止
jQuery.fn.sort → 使用禁止
jQuery.fn.splice → 使用禁止
----------------------------------------------------------------------2. 注意すべき「破壊的変更」
動作仕様が変わった部分があります。そのままアップデートすると動かなくなる箇所です。
AjaxのJSONP自動昇格廃止
これまで dataType を指定せずにクロスドメインリクエストを行うと、自動的にJSONPとして扱われるケースがありましたが、セキュリティ強化のためこの挙動は削除されました。外部API連携を行っている箇所は要チェックです。
フォーカスイベント順序の変更
focus, blur などのイベント発火順序が、W3Cの最新仕様(モダンブラウザの挙動)に統一されました 8。これまでjQueryが独自に順序を制御していましたが、今後はネイティブ挙動に従います。
※新しい順序: blur -> focusout -> focus -> focusin
配列メソッドの削除
jQueryオブジェクトに対する push, sort, splice といった内部メソッドがプロトタイプから削除されました。
ECサイト運営としての「移行戦略」
私たちの運営するECサイトにおいて、すぐにjQuery 4.0へ上げるべきでしょうか?
結論:セキュリティとパフォーマンスのために、計画的な移行を推奨します。
また、旧バージョンがいつまでサポートされるかについてはまだ発表はありませんでしたが、
段階的なサポート終了が予想されますので早めに計画しましょう。
移行のステップ:
jQuery Migrate プラグインの導入: 公式から提供されている移行支援ツールを入れ、コンソールに出る警告を確認します。
APIの書き換え: $.trim などの単純な置換は、検索置換などで一括対応しましょう。
まとめ
jQuery 4.0.0は、単なる延命措置ではなく、20年選手のライブラリが「現代のWeb」と共存するために脂肪を削ぎ落とし、筋肉質になったバージョンと言えます。
「枯れた技術」の安定性と、「モダンなWeb標準」の良さを組み合わせつつ、私たちはお客様に、より安全で快適なショッピング体験を提供していきたいと思います。
参考文献:jQuery 4.0.0 | Official jQuery Blog (2026/01/17)
