移住を決める前に始まっていた、二拠点生活という日常
新潟を見たあとも、先のことは考えていなかった
前回の記事でお話ししたように、私は一度、新潟を訪れ、町の雰囲気や生活環境を見せてもらいました。
ただ、その後も「移住したい」「移住しよう」と考えていたわけではありません。
新潟は悪くなかった。
でも、千葉での生活もそれなりに気に入っていました。
どちらかを選ぶ必要があるとも思っていなかったし、その後どうするかも決めていませんでした。
「移住」ではなく、「関わってみる」という選択
そんな中で、Oさんの知り合いの不動産会社の方と話す機会がありました。
その時に出たのが、「アルバイトをして関わってみてはどうか」という提案です。
当時の私は、看護師としてしか働いたことがありませんでした。
不動産の知識も経験もなく、完全未経験の状態です。
それでも、「やってみたいなら」と受け入れてもらえたことは、とてもありがたかったです。
この時も、移住を前提にした話ではありませんでした。
ただ、新しいことを始めてみたい、今とは違う経験をしてみたい、という気持ちに合っていました。
千葉と新潟を行き来する生活が始まった
当時の私は、千葉で週3日勤務のパート看護師として働いていました。
勤務先の病院に相談したところ、月12日勤務という形であれば可能だと言ってもらえました。
こうして、
半月は千葉で病院勤務
半月は新潟で不動産会社のアルバイト
という二拠点生活が始まります。
住む場所は、不動産会社の事務所近くに用意してもらえたため、移動はスーツケースひとつ。
生活のハードルは思っていたよりも低く、「とりあえずやってみる」には、これ以上ないくらい、いい形でした。
未経験の仕事と、新しい日常
不動産会社でのアルバイトは、掃除や草刈り、修繕作業など、現場作業が中心でした。
壁紙を貼る作業など、一から学ぶことも多く、緊張する場面もありました。
それでも、看護師とはまったく違う仕事をする時間は新鮮で、
「こんな世界もあるんだ」と世界が広がっていく感覚がありました。
地方で暮らす感覚を、実体験として知る
一軒家を借りていたため、引っ越した際には近所の方へ挨拶に行きました。
すると、「これ、よかったら」と野菜を分けてもらったり、気軽に声をかけてもらったりすることがありました。
正直なところ、「本当に野菜をもらうことってあるんだ!!」と驚いたのを覚えています。
話として聞いていたことと、実際に体験することとでは、受け取る印象がまったく違いました。
そうしたやり取りを通して、地方での人との距離感や暮らしのリズムを、少しずつ理解していきました。
未来を決めないまま、楽しんでいた時間
この二拠点生活の期間、私は将来のことを具体的には考えていませんでした。
移住するかどうかを判断しようとしていたわけでもありません。
ただ、
新しい人間関係
新しい生活環境
新しい仕事
を、そのまま楽しんでいました。
「この先どうなるか」は分からない。
でも、「今までと違う時間を過ごしている」という感覚は、確かにありました。
不確かさがあったからこそ
先のことが決まっていなかったからこそ、
変に力が入らず、いろいろなことを素直に受け取れていたのかもしれません。
結果的に、この二拠点生活が、後の選択につながっていくことになりますが、
この時点では、その未来はまだはっきりとは見えていませんでした。
次の記事では、千葉での仕事を辞めたことをきっかけに、
それまで「決めていなかったこと」が一気に現実として迫ってきた過程についてお話ししたいと思います。
