見出し画像

納豆にワサビを入れる夜、たこわさの謎を知る

最近、朝も夜もワサビに支配されています。朝は納豆にワサビをひとさじ。ツンと鼻に抜けて、寝ぼけた頭が一気に覚めるので、もう手放せません。そして夜は夜で、晩酌のつまみが気づけばワサビ系ばかり。刺身、冷奴、たこわさ……気づけば食卓がワサビだらけになっています。家族には「またワサビ?」と若干引かれていますが、私はいたって真剣です。

そんなワサビ三昧の毎日を送っていたある晩、ふと思いました。「そういえば、いかわさってあんまり見かけないな」と。

たこわさは居酒屋の定番中の定番で、枝豆と並ぶくらいの存在感があります。でもいかわさは、あるにはあるんだろうけど、たこわさほどメジャーではない気がします。似たような食材なのに、この扱いの差は何なんだろう。

気になって調べてみたら、これが思いのほか面白い話でした。もともと「いかの塩辛は何百年も前からあるのに、たこの塩辛はないのはなぜだろう」という疑問から始まったそうで、三重県の食品会社が試行錯誤の末にたどり着いたのが、たこの内臓を使わない「たこ生造り」。それを偶然、目の前にあった茎ワサビと和えてみたら美味しかった、というのがたこわさの誕生秘話らしいのです。1990年代に居酒屋チェーンが正式メニューに採用して、あっという間に全国区になったのだとか。

つまりたこわさは、もともと塩辛になれなかったたこが、ワサビと出会ったことで見つけた、いわば第二の人生だったわけです。一方のいかは、何百年も前から塩辛という立派な"活躍の場"があったので、わざわざワサビと和える必要がなかった。いかわさが控えめな存在なのは、いかがすでに別の道で成功していたから、というだけの話なのかもしれません。

個人的には、いかわさの方が好きです。さっぱりしていて、ワサビの香りがいかの淡白な甘みを邪魔せずに引き立ててくれる感じがする。たこわさの、コリコリした歯ごたえにワサビがガツンとぶつかってくる感じも嫌いではないですが、日本酒に合わせるなら断然いかわさ派です。

朝は納豆にワサビをひとさじ、夜は晩酌でワサビ系のつまみをつまみながら、居酒屋メニューの成り立ちにまで思いを馳せてしまう。そんな一日を繰り返しています。ワサビ熱、しばらく治りそうにありません。

いいなと思ったら応援しよう!

ぽんママD サポートしてくださると本当に嬉しいです。皆さんの応援が、記事を書き続ける一番の力になっています。