ゆっくりと
ゆっくりと流し込んでいた。
開店前の店先で、作業用のつなぎの服を着た
三人のおじさんたちがいた。
ひとりは腕を組み、
もうひとりは両膝に手をおいて中腰になっている。
二人は店の前の小さな溝を見つめている。
その二人は空気で合図するように、
溝の入り口にいるバケツを持ったおじさんに、
目を向ける。
バケツの中は、混じりものがない、灰色のツヤツヤしたペースト状のものが入っていた。
バケツを持ったおじさんは、二人に目を向けたあと、すぐに溝に目を移した。
そして、バケツからゆっくりと静かに流し込んだ。
小さな溝にそそがれた灰色のペーストは、
表面が滑らかでキレイに水平に保たれていた。
溝のなかは、日差しも反射するほどに透明感があった。
流し込んだあと、三人に目を合わせ、同時に小さくうなずいた。
わたしは頭の中で、スタンディングオベーションをした。三人はタキシードを着てレッドカーペットを歩いた。
そんなことを、通り過ぎる間ずっと頭に浮かべていた。
