JIL SANDERが「茶色」を選ぶとき
メルカリ徘徊日記#509
ブラウンという色は、難しい。
カーキでもなく、ベージュでもなく、ちゃんとした茶色。下手に選ぶと、ただの地味な服になる。でもJIL SANDERがブラウンを選ぶとき、それは「静けさの宣言」みたいなものだと思う。
余計なものを削ぎ落として、最後に残った色として茶色がある、そんな感じ。2ポケットのショートスリーブシャツというシンプルな設計に、このブランドらしい毅然とした縫製が重なる。
装飾はゼロ。ロゴもゼロ。それでも、阪急メンズ東京という場所で選ばれた一枚には、確かな文脈がある。JIL SANDERを知っている人なら分かるはずだ。
このブランドが「普通のシャツ」を作るとき、どれだけ「普通じゃない判断」が積み重なっているかを。何も言わないのに、着ている人の審美眼をそっと語ってしまう服がある。これは、そういう一枚だ。
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