誰かの穿き古した跡が、そのまま作品になる。VETEMENTS
メルカリ徘徊日記#656
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デニムを一度バラして、また縫い直す。
それだけの作業に見えて、実はそこに一人のデザイナーの生い立ちが詰まっている。デムナ・ヴァザリアはもともとマルジェラで服の内側の構造を学んだ人だ。
既製品を壊し、別のかたちに組み直すという発想は、彼が旧ソ連時代のジョージアで育ち、大きすぎる服を何年も着続けた記憶から来ていると言われている。足りないものを工夫で埋めていく感覚が、そのままデザインの手法になった。
今回の一本も、フロントボタンのひとつが穿きジワで少し隠れにくくなっている。これは欠点というより、誰かが実際にこのデニムを生活の中で穿き込んできた証拠だ。
後ろポケットの下に残るわずかなダメージも、リメイクという手法の中では違和感なく馴染んでいる。完璧じゃないからこそ、量産品にはない体温が残る一本になった。
次にこの服に袖を通す人は、デニムの完成度そのものよりも、この一本がくぐってきた時間を引き継ぐことになる。
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『こういう服と出会い続けたい人へ。』
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