その色落ちは、時間が縫い込んだ勲章だ。Acne Studios
メルカリ徘徊日記#671
一本のデニムに、どれだけの時間が織り込まれているか考えたことはあるだろうか。
Acne Studiosの物語は、1997年、ジョニー・ヨハンソンが仲間のために縫った100本のリジッドデニムから始まった。赤いステッチはその時の名残だ。
デニムに立ち返るために生まれたラインは「Blå Konst」、スウェーデン語で「青い芸術」を意味する。
トラッシュ加工は、単なる汚しではない。イタリアの工房で、職人が生地の擦り切れる場所を予測しながら、一箇所ずつ手作業で色を抜き、繊維をわざと傷つけていく。均一を嫌う仕事だ。
想像してほしい。夕暮れ時、風が吹く河川敷の道。白いスニーカーと無地のTシャツに、このデニムを合わせて自転車を漕ぐ。誰かに見せるためではなく、自分の気分を上げるための一本。
パリッとした新品の緊張感を求める人には、この崩れた表情は物足りないかもしれない。でも、時間の痕跡そのものを纏いたい人には、これほど雄弁な一本はない。
北欧の静けさとパンクの反骨、その両方を内包してきたブランドの系譜を感じてほしい。手に入れたら、まず一度、太陽の下で色の陰影を眺めてみてほしい。答えは、静かな反抗。
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