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【就職支援×メタバースの最前線】「バーチャルわかものハローワーク」が実践する、定期的なコミュニケーションが集客につながる理由

大阪労働局が運営する「バーチャルわかものハローワーク」は、メタバース空間を活用した若者向け就職支援の先進的な事例として注目を集めています。2年目となる今年は吉本興業・大阪府警察本部とのコラボイベントや全国のわかものハローワークとの広域連携など、その活動の幅を一気に広げました。これまで積み重ねてきたメタバース空間での就職支援のノウハウ・集客方法など、川村係長・鶴山室長のお二人にお話を伺いました。


吉本興業・大阪府警とも連携「全国を視野に入れた2年目」の挑戦

ー今年の活動を振り返ると、バーチャルわかものハローワークはどのような1年でしたか?
川村係長:設立して2年目になりますが、これまでは自分たちの組織で行えるイベント中心に実施してきました。今年度は「全国のわかものハローワークと連携したイベントができないか」という思いから、手探りながらも様々な企業や団体と取り組みを行いました。

なかでも特に反響が大きかったのが、3月に実施した「2周年記念イベント 西日本わかものハローワーク集結祭」です。吉本興業様とのコラボレーションにより、西日本各地のわかものハローワークが連携してプロモーションイベントを行いました。さらに、近畿経済産業局様と連携したXR企業の説明会や、大阪府警察本部様と連携した「闇バイト加担防止セミナー」も実施。後者は、芸能人がバーチャルわかものハローワークの空間に出演する大掛かりなイベントとなりました。

また、単独での周知には限界があるため、定期的に他府県の労働局と連携してイベントを行っています。さまざまな地域のUターン就職情報などを届けることで、来場者のキャリアの選択肢を広げられると考えています。

鶴山室長: 運用面でも大きな変化がありました。就職活動セミナーの集客課題を解決するため、開催時間を14時半から16時スタートに変更しました。その結果、狙い通りに参加者が集まっています。



来場者のペースを尊重して信頼関係を構築する

ー公共機関でメタバース空間を運用するにあたり、スタッフ全員が共通して意識している姿勢を教えてください。
鶴山室長: リアルと違って匿名で気軽に参加できるメタバースの利点を活かし、来場者のペースを尊重して信頼関係をつくっていくことを大切にしています。
具体的にはサービスを押し付けず、相手が話したいと思えるタイミングまで待つ姿勢を心がけています。また、イベントなどで多くの方が参加される際は、入室順に「〇〇さん、お越しいただきありがとうございます」「前回も来てくださいましたね」と声をかけます。このように、ユーザー同士が会話をしやすいような関係を築くようにしていますが、馴れ合いにならないよう一線は画すようにしているのが特徴です。

鶴山室長: 在職中の方にも知っていただくことを目的に「職場のちょっとした不満や悩みを、喫茶店で友人に話す感覚で相談できる場所」を目指しています。 堅苦しいハローワークのイメージを払拭し、まずは気軽に来てもらうことが一番大切だと考えています。



継続来場のための工夫と、初来場者が相談しやすいコミュニケーション設計 

ー継続的な来場を促すために、どのような工夫をしていますか。
川村係長: 継続的に来場していただくためには、来てくださった方との信頼関係を積み重ねていくことが私たちの仕事だと考えています。そのきっかけづくりとして、吉本興業様の芸人と連携し、エンターテインメントを通じた就職支援イベントを行っています。ハローワークだからと来場をためらっている方も、「芸能人が出演するイベントなら、ちょっと覗いてみよう」と思っていただくことが、認知拡大と来場動機の形成を図ることが最大の狙いです 。ただし、これはあくまで「入り口」に過ぎません。バーチャルわかものハローワークは「来てもらって初めて支援ができる」場です。入り口の先にある信頼関係こそが極めて重要だと考えています。

ーここまで継続できている理由はありますか?
川村係長:自分たちでイベントを行うことで、ランニングコストが抑えられているからです。clusterはほかのプラットフォームと比較して、自分たちでイベント運営を行えるため、継続しやすいと個人的に感じています。継続的に就職支援を行うためにも、「コストがかかりすぎるから撤退」という判断になりづらいプラットフォームは、大きく価値を感じるポイントです。

ー継続してご利用の方と初来場者の方、それぞれへのアプローチに違いはありますか?
鶴山室長: リピーターの方がエントランスで交流されるのは良いことですが、初来場の方がその輪に入りにくい難しさがあります。そのため、相談したい時の合図を定期的にアナウンスするなど 、初めての方が相談しやすい環境づくりに配慮しています。

川村係長: 今後はワールドを運営されているclusterのユーザーの方・法人様と連携し、バーチャルわかものハローワークのことを知ってもらったり、clusterユーザーの皆さまのコミュニティとの交流を通じて、来場するきっかけを生み出したいと思います。

ー現時点での課題はありますか?
鶴山室長: 新規来場者数が伸びていない という点です。本来は、就職活動中の方が一定期間で就職して卒業し、新たな方が来場するという流動性があるべきですが、新規ユーザーの取り込みに苦労しています 。これは現在も継続して取り組んでいる課題です。




メタバース集客で外せないポイントは定期的なコミュニケーション

ーこれからメタバース集客に取り組む企業・行政担当者へ、実践者としてのアドバイスをお願いします。
川村係長: メタバースの最大の強みは、物理的に行けない方がアバターを通して人とのつながりを感じられることです。ここを最大限に活かすことが大切だと思います。イベントやワールドを通じて、現実空間でハローワークに行けない方に向けて、定期的にコミュニケーションを行い、信頼関係を築いていただくことが集客につながると思っています。

鶴山室長: メタバース空間はこれからどんどん将来性が広がっていく分野です。メタバース空間を通じて、新しい仕事の紹介にも挑戦していきたいと考えています。先行してメタバース空間を活用している私たちが、その分野で存在意義を発揮できると思っています。

川村係長: 全国に500以上あるハローワークの中で、メタバース上に窓口を持つ施設はほかにありません。大阪だけでなく全国から相談を受けられる施設として存在意義を高め、メタバースを活用した就労支援の可能性をさらに広げていきたいと思っています。


終わりに

「来てもらって初めて支援ができる」。この言葉がバーチャルわかものハローワークの2年間を貫く信念です。吉本興業や大阪府警察本部とのコラボイベントも、他府県の労働局との広域連携も、すべては「まず一度来てもらう」ためのきっかけづくりです。本当の支援は、定期的なコミュニケーションを通じて築かれた信頼関係の先にあります。
新規来場者の確保という課題を抱えながらも、自らイベント企画・運営を行う実践方法などは、メタバース集客に悩む企業・行政担当者にとっても多くのヒントになると思います。また、日々の来場者との地道な対話の積み重ねこそが、人が集まり続ける空間をつくる。バーチャルわかものハローワークの2年間は、そのことを示しています。




プロフィール


川村洋一氏
大阪労働局職業安定部職業安定課職業紹介第2係
(わかものや学生の就職支援を担当) 


鶴山昌穂氏
大阪わかものハローワーク室長(35歳未満の方の就職活動を支援)  




監修・発行

メタバースビズニュース編集部
本メディアを運営するクラスター株式会社(Cluster, Inc.)は 日本最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営。最大10万人が同時接続可能なバーチャルイベントの開催や、法人向けメタバース構築や産業DX支援を展開をしています。


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