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マネージャーの失敗談から学ぶ(リードマネジメントとは)

今週はマネジメントに関する本を読んでみようと思います。
先週のブログに書いた通り、私は現在、会社の人間関係に悩んでいます。そんなことから今の気持ちを少しでも改善出来る手段になるかもと思って選んでみました。
ただ、この本を読んでみての感想は、必ずしも全てのケースで綺麗に使える訳ではないと言うことです。
現在、私には歳上の中年部下がおります。中年以上になると、ある程度社会人としてのスタンスが確立されており、成長意欲や仕事へのモチベーションの点で諦めるべきポイントもあると思いました。
とは言え、自分の振る舞いとして改善出来るポイントもあるため、ご紹介したいと思います。


今週の1冊

今週のご紹介する本はこちらです。

部下をもったらいちばん最初に読む本
著者:橋本拓也
出版社:アチーブメント出版

リードマネジメントとは

成果や実力が評価される会社のシステム上、優れたプレイヤーがマネージャーに昇格するケースが多くある。
そのようなマネージャーがよくやりがちなこととして、「評価されてきた私が正しい」と考えて自身のコピーを作るような指導を行ったり、「自分がやった方が成果が上がる」と考えて部下に仕事を任せられなかったりすることがある。

しかし、このようなマネジメントでは部下に「私はマネージャーの駒として扱われてる」と捉えられ、「仕事を任せてもらえない」と思われて人間関係が壊れてしまうだろう。

筆者はマネージャーに成り立ての頃には、部下の体調不良や退職が相次ぎ、苦労していた。
そんな時に社長から貰った言葉をきっかけにマネジメント手法を見直すようになった。

このようなマネージャーが理解すべき考え方として、リードマネジメントがある。
リードマネジメントは、「選択理論」と呼ばれる心理学の考え方を元にした手法である。
選択理論は、「すべての行動を選択するのは自分であり、他人がその行動を選択させることはできない」という考えだ。
リードマネジメントでは、個人の選択を重要視し、「個人の欲求」と「願望」にフォーカスしたマネジメントである。

リードマネジメントの対義的な考えにボス・マネジメントがある。ボス・マネジメントは「行動とは外部からの刺激に対する反応」という考えに基づいたマネジメントである。
そのため、パフォーマンスを出せていない人には批判や罰則を与えるなど外部の刺激によって、組織のパフォーマンスを上げようとする。マニュアルに従うルーティンワークが中心だった時代では有効であったが、AIやシステム化の進んだ今の時代では機能不全を起こしているようだ。

現代は、「自ら課題を見つけ出し、自分の意思で解決する創造性」が重要視される。そんな中で、外圧をかけて他人の思考をコントロールするマネジメントでは自主的な創造性を生み出すことが出来ないということである。

現代でも通用するリードマネジメントの技術を身につけるために必要な考え方や方法論が以下の5つの章でまとめられている。

1.リーダーシップの技術

マネジメントをするうえで、メンバーから「この人についていきたい」と思ってもらうことが最も重要である。
そのためには、「尊敬」と「信頼」を獲得する必要がある。

「尊敬」は、担当している業務の知識・経験・実績を多く保有し、他者が困っていることを解決してあげることで得ることが出来る。
しかし「信頼」は時間をかけて獲得していく必要がある。
「信頼」を獲得するためには、まずは自分がメンバーに尊敬や信頼の気持ちを持って耳を傾け、寄り添いの気持ちを持ってサポートをすることが大切である。
また時にはマネージャーとメンバーの意見の異なることもあるだろう。そんな時にも真っ向から否定をせずに受け止め、反対意見を言う場合には「私はこう考えているが、あなたとしては何があれば取り組めそうですか」という自分を主語としたメッセージによって相手に動いてもらうための交渉することが大切である。

しかし実践するのは、とても難しく、表面的な口先だけのコミュニケーションでは逆に信頼関係を壊すことさえある。

そのために大事なのは自身のマインドセットである。

例えば、「このメンバーなら出来るかも知れない」と考えて自分の思考をマネジメントし、メンバーのことを大切だと思っている家族がいることを忘れずに「自分はメンバーの家族から見られて恥ずかしくない関わり方が出来ているか」を考える。
また必要に応じて、「相手に対する期待値を下げることも有効」である。
大切なのは、メンバーとコミュニケーションを取る際の自らの心構えを見直すことである。


またメンバーが「5つの欲求」の内、何を大切に思っているのかを知ることが大切である。
「5つの欲求」とは…

  • 生存の欲求…規則や安定した生活を望む

  • 愛・所属の欲求…人との関わりを大切にし、人との深い関わりを望む

  • 力の欲求…目標に向かって努力し、成し遂げようと望む

  • 自由の欲求…縛られることを嫌い、自分らしくあることを望む

  • 楽しみの欲求…創造性を大事にし、いろいろなことに楽しみたいと望む

この5つの欲求の内、メンバーが大事だと考えていることを見極める必要がある。その上で欲求に合わせたサポートやコミュニケーションを行うことが大切である。

このようにメンバーのことを理解し、尊重した上でコミュニケーションを取ることで信頼関係が構築出来るのである。

2.個人の成長支援の技術

メンバーからの信頼が得られたら、メンバーの目的や目標を明確にし、それを達成に導くことが重要である。

リードマネジメントにおいて、「個人の選択が行動に繋がる」ため、組織の成長のためには個人個人が目指すべき姿を持っておくことが重要になる。
しかし、メンバーに「目的」や「目標」を聞いたところで明確なことが返ってくることはほぼない。

目的や目標を明確にするためには以下のような方法がある。
・マネージャー自身の目的や目標を自己開示する
・メンバーが過去に充実していた経験をヒアリングして目的を導いてあげる
・同行指導を通し、成功体験を目の当たりにすることで目指すべき目的を考えてもらう
・会社の歴史や他の社員の大好きな仕事の話を聞いてもらいヒントを得てもらう
・本人が目的を持てない場合には、メンバーの特性を元に目指すべき期待を伝える

マネージャーはこのようにメンバーの目指すべき目的を定義し、サポートしてあげる必要がある。

3.水質管理の技術

組織を管理するにあたってはメンバー1人1人への向き合いも大切であるが、同時に文化の醸成や雰囲気の改善も重要である。

文化の醸成をイメージするために「水槽理論」というものがある。
水槽の中にたくさんの魚が泳いでいて、一匹の魚の体調が悪いとする。
治療やケアを行い、その魚が回復したとする。
しかし、数日経つと今度は他の魚の元気もなくなってくるということが起こる。
理由は水が濁っているからである。

根本原因である水を綺麗にしないと解決しない。この水質こそが「組織文化」であり、マネージャーが目指す組織文化の醸成は水質管理にあたる。

組織の水質管理において、「人として当たり前の行動(挨拶、遅刻しない、ゴミをきちんと捨てる等)を大切にすること」を当たり前に出来る組織にした上で、最終的には「人が育つ文化」の醸成を目指すのである。

「人が育つ文化」の実現には、「感謝、応援、チャレンジなどの前向きな発言や態度が出ている状態」を目指す必要がある。
逆に「誹謗、中傷、不満が蔓延している状態」では恐怖が生まれ、新しい挑戦が出来ない組織になってしまう。

そのため組織の人間同士が、お互いに尊重、感謝し合える空気を作っていくことが大切である。

また組織のトップであるマネージャーの発言や態度のセルフマネジメントも大事である。
この組織が「どんな価値観を大事にしていきたいのか?」を言語化し、メンバーに共感を得られるように自らが率先して行動することが大切である。

4.委任する技術

次に、メンバーに対して業務を委任することでマネージャーが「本当にやるべきこと」を出来るようにシフトしていくことである。

委任すべき仕事とは?
マネージャーが業務を委任をする際に重要なことの1つとして「メンバーにどんな業務を委任し、どんな業務をマネージャーが遂行するか」である。
それを考える上で重要な視点が「プライオリティ・マネジメント」と言い、業務を「重要度」「緊急度」の軸で4象限に分けて考えることである。

第1象限:重要度も緊急度も高い業務
第2象限:重要度が高く、緊急度が低い業務
第3象限:重要度が低く、緊急度が高い業務
第4象限:重要度も緊急度も低い業務

マネージャーが本当に実行すべき業務は「第2象限」仕事であり、成果を出すためにはこの象限が実行出来ている必要がある。

しかし多くの忙しいマネージャーは「緊急度」ばかりに目を向けてしまう。
緊急度が高く、重要度の大きな決裁や緊急会議などの第1象限の業務を行い、それが終わるとメール対応などの第3象限の仕事をする傾向にある。
緊急度の高い仕事が全て終わると、手持ち無沙汰になり、「重要度」も「緊急度」も低い第4象限のことをして時間潰しをしてしまう。結局、第2象限はやらずじまいである。

一方で優れたマネージャーは緊急かつ重要な業務を終えた後には、第2象限の業務に取り掛かる。
「新規採用」「マニュアル作成」「営業戦略の策定」などの、今やらなくても困らない業務こそが、未来を見据えた大事な業務である。

マネージャーが第2象限の業務を実行するためには、「第1象限の業務を委任する」ことにかかっている。

委任する際のコミュニケーション

委任する際のコミュニケーションが雑だと、「面倒な仕事を押し付けられた」と思われてしまう。
それを回避するために、部下に伝えるべき大事なコミュニケーションのポイントがある。

具体的には、以下である。

・仕事の意味・意義付けを行い、その仕事がなぜ重要なのかを伝える
・達成基準を明確にし、業務の成功状態を具体的に伝える
・なぜそのメンバーに委任するのか理由を伝える
・実行されることで、会社や組織、メンバー本人にの未来にどのように繋がるのかを伝える
・途中経過を確認できるように報連相のルールを伝える

これらを正しく行うことで丸投げや押し付けのような印象を持たれずにメンバーは業務に励むことが出来る。

委任する際には業務の「難易度」と「期日」の見極めが重要

最後に業務を委任するにあたって大事な「業務の難易度」と「期日」の見極めについてである。
「業務難易度」が高く、「期日」が短いと、むちゃぶりになってしまい、メンバーへの負荷が大きくパニックを起こす。
逆に「業務難易度」が低く、「期日」が長いと甘やかされてる状態を作ってしまう。
そのため、ちょうどよいアチーブメントゾーンを見極めて業務を委任していく必要がある。

基準として、今メンバーが出せている成果の110%〜130%程度の難易度と期間に設定することである。

5.仕組み化する技術

人が育つ仕組みを作るため、「会議」「1on1」「表彰制度」などの構築について記載されていましたが、
これらの仕組みは一般のマネージャーよりも高いクラスで求められる内容も多いため、今回は割愛しようと思います。

最後に…

この本を通して、リードマネジメントの考え方の重要性は大変よく分かりました。
残念ながら、今の私の上司はどちらかと言うと「ボス・マネジメント」基質であり、水質管理もあまり良い状態とは言えません。

私自身もその水質に毒されていたところもあり、指示中心のマネジメントになっていたところが合ったようにも思い、反省点がありました。

余談ですが、私は先日久々に半沢直樹のドラマをU-NEXTで視聴しました。
登場する悪者を思い返すと、上司は部下を恐怖で支配し、失敗すれば尻尾切りで平気な顔をして出向させます。切られた部下も悪事に加担しているので擁護は出来ませんが、どれもボス・マネジメント基質でした。
一方の半沢直樹の組織は、上司である半沢には部下の意向を尊重する姿勢があり、部下も半沢を慕っており、リードマネジメントが確立されていたように思います。

私もこんなマネージャーになれたらいいなと思いました。

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