第五章【番外編②】地図の謎|追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街
こちらは、連載小説「追憶のオリジン」第五章の番外編(補完的ストーリー)となります。
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【番外編②】地図の謎
「レイ、この魔力体系図はどうやって読むの?これがなぜ地域差が出る話につながる?」
タトは、先ほどの巻物を手に取って尋ねた。
「ああ、これは、こうやって地図と合わせるとわかる。この端の六角形は、それぞれの街を示している。」
「そうなのか…。
でも、角度が違うよね。どの街がどれなの?」
「これは僕の推測だけど、この世界は少し傾いているんだ。ほら、方位記号が左に傾いているだろう?
本来ならば、鋭角が頂点で上方位の指す方向だったと考えられる。
そして、各街は、発現傾向とこの印で当てはめられる。」
「この印って…?」
タトは身を乗り出した。
「君の街では見かけなかったかい?」
「わからないな…」
「知識の塔・ノーレムは、風の街といわれている。そして、言霊を中心とした能力者が多い。」
「あ、友情の塔・フェリサリアは火のエレメンタルが三人もいた!」
「そう。それはかなり特殊だと思うけど、血の凝縮だということなら、出やすい世代なのかもしれない。」
「希望の塔・ルミナリーの長老も火のエレメンタルだよ」
「この魔力の印は、二つの街の間のエリアを指している。
例えば、ノーレムと自信の塔・ヴァリスは光系を挟んで隣り合っている。だから、どちらの街も光の癒し系能力者が出やすい。逆に、対面の木の系統はあまり生まれないんだろう。」
「木って、何だろう?」
「僕もそれが気になっているんだ。
このシンボルは他と少し違う。そして方位の指す方向だ。何か理由があるのか…。
君の出身地でもあるね。思い当たることはある?」
レイは、傍らに置いてあったカップを持ち上げ、蜂蜜のたっぷり入ったハーブティーをすする。その視線は、まだ体系図から離れない。
「そうだな、ルミナリーは今思えば、火には異常なほどに慎重だったかな。それから、林業が盛んだったかも。それくらい…」
「ふっ。タトは真面目だな。今は、その情報で十分だ。思いついたらで構わない。」
「…ボクたちは、ついに核心に近づいているんだね」
「そう、やっとここまで来た。
この冬が、勝負になる。」
「うん。ボクも、そう感じるよ。」
二人は無意識に、腰のオリジア石に手を触れた。それは、女王の眠るパレスに入るための、鍵となるはずだ。
タトは思いを巡らせる。
女王は本当にいるのだろうか。
あの氷山の中で、どのように暮らしているのか。
以前のタトなら、未知の目的地には踏み込まなかっただろう。
だが今は、支えてくれる仲間がいる。
たとえ体がすくんでも、タトは歩みを止めるつもりはなかった。
(おわり)


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