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Mine&Industry #3

最初から
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 大分画面が見えてきた。手持ちの資源は銅100個。ドリルの要求数は12個なので迷わず設置。残りが88個。次に肝心の砲台【デュエット】を設置する。これは初期から開放されている最も基本の砲台だ。射程距離は最低クラスだが、銅だけで製作可能であり、弾薬も銅だけだ。稼働に外部動力は不要。改めて考えると不思議だが、そこはゲームの都合ということで。ドリルに直付けする形で2基作っておこう。消費は2基で70個だ。

 しかし、設置を決定しただけでは施設は完成しない。設置予約……キューというらしい……した後は、その設置場所の近くまで行き建築をしなければならない。が、この建築作業は一時停止中には進行しないのだ。
 そのルールは一時停止ではなく時間が超スロー進行になる改変を受けたこの世界であっても不変であるらしく……
「やっぱり解除しないといけないし、解除したら身体はこっちのままだよな……!」
 そう愚痴りながら、俺は必死で施設を設置した方向へ向けて走り出した。

「アユラ、あなただけなら逃げられるわ。二人して死ぬより、あなたは生きて」
「そんなの出来るわけないじゃないかマユラおねえちゃん!」
「ふふ、こういうときは昔みたいに、おねえちゃんって呼んでくれるのね」

 私がそう指摘すると、可愛い妹はほんの一瞬照れた様子を浮かべ、その誤魔化しに気付いたのか一層表情を厳しく私を見つめた。

「そんな顔をしないで。私のアユラ。少し位なら足止め出来るし、パーティのみんなと合流すれば大丈夫よ」
「もう現象体も出せないのにどうやってさ! 足止めなら、私がする。それこそパーティと合流するまでなら私の方が出来る」
「ダメよ……私はもう走れないわ。パパママには悪いわね」

 アユラが、泣きそうな顔をする。そして、何かを決心した顔で涙を拭った。
 ああ、私のアユラ。

「なら、二人で戦う。最後まで一緒だ。ねえさん」

 そう言うと分かっていたから、最後の力を使って……あの魔法《ラスト・スペル》を……。
 私は魔法の杖を握りしめた。

 ――強力なマナのうねりと共に真四角の”なにか”が目の前に現れたのは、そんな瞬間だった。

 君たち、こっちに!

 と、言いたかったが、実際に口から出たのは「きみ、きみた、ウ、ウボァグワー」という言葉にならぬ言葉と喘鳴と悲鳴。足がもつれて丘を転がり、彼女たちの近くでひっくり返った。
 いや、弁明させてほしい。大人になって以来久しぶりの全力疾走でヘロヘロなのが一つ。近づいて建築が始まると名状しがたい脱力感に襲われたのが一つ。そして彼女らがひしと抱き合って泣いていたのが一つだ。

「何……誰……ヒトの男か……?」
「ゴブリンではなさそうね」

 頭上からそれぞれの声が投げかけられる。あれ? 日本語だ? と思ったが、よく耳を澄ますとそれは日本語とも英語とも違う理解不能な言語だった。世界中の言葉に詳しいわけでもないので実はドイツ語とかヒンディー語とかなら分からないが、少なくとも言葉の意味はすんなりと頭に吸収される。
 なんとか身を起こし、その間にも、ドリルと砲台が建築され威容……と言うにはやや頼りないのだが……を現した。ドリルが回転する音が響き、ほぼ間を置かず横から精錬された銅のインゴットが吐き出され、それを砲台が引込んでゆく。
 ……確かにこれは、現実の世界で目の当たりにするとチート《ずる》と表現されてもしようがないな。

「俺が君たちにとって何者かというのは俺も分からないが、敵ではない! と思う。多分。
 そして同程度に、あの化物共は俺の敵なのは確かだから……えー」
 居住まいを正し、俺はそう宣言しようとするが最後の一句が決まらなかった。

「助太刀に来てくれたのか?」
「それで!」

 剣士さんの意見を容れることにした。

【続く】

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