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ニーナ・ザ・ミストガン #4

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街角から飛び出してきた大男の拳が、疾走するニーナの目の前をかすめて地面をえぐる。だがニーナは止まることなく跳躍、後、すぐさま男の頭をサッカーボールキックして昏倒させた。
「喰らいなあ!」と個性ゼロの掛け声で拳大の石をケバいメイクの女がキネシスで高速射出するが、一発、二発、ニーナは最小限の動きで躱し、三発目はキャッチしてそのまま握り込み、脳天を陥没させる。
その反動で家屋の天井に飛び上がり着地すると、全身を包帯状の細長い布で覆った人物がニーナを火だるまにせんと炎を巻き上げる。が、石を顔の中央部に受けて死んだ。
ミスト適合者は、昏倒させるか破壊するかして中枢たる頭をどうにかするのがセオリーだ。

ニーナはバドから彼らのボス……エスメラルダの居所を聞き出し、一直線にそちらへ向かっていた。なんのことはない。街の中央たる”劇場”と呼ばれるかつての行政ホールに居ることをあっさりと彼は喋った。殺される一歩手前(常人なら既に死んでいてもおかしくないが)に至って、忠義立てするほどの報酬はもらってないと言う。
「クズが」
セオリーどおり、再び昏倒させて、今に至る。

「……」
ニーナは顔をしかめる。街はひどいものだった。かつて街を構成していた建築物は件の”劇場”とその周囲を除いて取り壊され、今や廃材の寄せ集めの住居しかない。おそらく一般住民の住処がこれなのだろう。そこにはガラの悪いミストウォーカー、その取り巻き、そして虐げられる人々が溢れていた。
「区画整理、でございますですわ」
その時、虚空からフラフープのような何かがニーナに向かい飛来した。弾こうと繰り出された手をすり抜け、再実体化。ニーナの身体に纏わりつく。

「何!?」
「聡明なるエスメラルダ様の……市民として扱って差し上げるタダノヒトにはこれで十分なのですわ」
走っていたスピードそのまま身体が固定され、否応なくニーナは転倒し、激しく転がる。そしてそれを足で蹴り止め、ゴスロリにピエロメイクの少女……女? が現れる。
「お人形を取り返しに来たんです? それはなりませんですわ。もうアレはエスメラルダ様のものなんですもの」
ズン、と分厚い靴底をニーナのみぞおちにねじ込む。
「で、アンタぁ、あン持ちモン、そン戦闘能力、どこの差し金じゃっか」
女は威嚇するように目をむき、どす黒い声音でそう訪ねた。

.../続く

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