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食と美

時々デパ地下のケーキ屋をのぞきます。
デパ地下ならば目だけ楽しませてもらい通過出来ます。
甘いものは得意ではありませんが、その姿と色には美しさを感じます。

女性のパテシエらしい陳列棚、美しいゼリーとカラフルなジャムの瓶に私の目は惹きつけられました。

視覚での美しさが味に関係すると重々分かっているつもりですが、この瓶詰めの色、童心に帰ってしまうようなこの美しさは私の料理にはありません。

いつか私も人の心を和ませるような美しい料理を作ってみたいものです。

高校時代に母の作ってくれた茶色い弁当を思い出しました。
職業婦人である母が忙しい朝毎日作ってくれた弁当です。
文句を言う事なく完食して帰りましたが、記憶は茶色い弁当です。
ギッシリ詰めたご飯に茶色のおかず、梅干しだけが色違いでした。

40年以上も前のことです。
今のお母さん達が作る弁当とは違います。
冷凍食品もありません。
食べ盛りの息子相手で苦労したに違いありません。
煮物が中心、生野菜など勿論無く、育ち盛りの好む肉ならば豚の切り落としの焼肉か、マルシンハンバーグくらい。
どうしても茶色になりますよね。
でも、ひもじい思いをする事なく、丈夫な身体に育て上げてもらいました。

このタルトの茶色の集団、派手さはありませんが美味しいんでしょうね、きっと。
そのうち気が向いたらコーヒーの友にしてみたいと思います。
こんなきれいなスイーツを見ていると、華美でなかった母の弁当を『質実剛健』と称したいと思います。

今、視覚障害をお持ちの方の食事のお手伝いをする機会があります。
本人は「慣れてるから」と言いますが、私ならば何を食べているのか分からず怖いだろうな、と思います。
私と同じ味を感じるのだろうか、とも思います。
五感はこの五つが絡み合って一つを作っていると思います。
幸いにもその五感に不自由の無い私には目を瞑っての食事は味より不安が先に立ってしまいます。
五感が上手く絡み合わない感じがします。

茶色の単色のみでも視覚の作る味覚ってのが大切なのかなと思います。

休みだった一昨晩はチキンカレーを作りました。
スーパーでお母さん方は見向きもしない消費期限ギリギリの30%オフの鶏胸肉を私が家に連れて帰りました。

あまり美しくないですね、、
味はそこそこだと思うのですが。
でも、こんなものかと視認して食べるのが私には一番のようです

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