秋の夜空に恋をして_6消えた彩りと温もり
旅行最終日の朝も目を覚ませば彗斗が横に居て、カーテンの隙間から木漏れ日が射し込むリビングで3人で食卓を共にした。
旅行中の毎朝と何も変わらない。
だから、最終日も幸せな時間が続くと誰もが思っていた。
しかし、彗斗が外に出て突如状況が一変する?!
あれからいくつ朝を迎えただろう。
幾度目を覚ましても横にはもう彗斗はいない。
何度もひとりっきりの夜を過ごした。
そして、もう何度ひとりっきりの夜を過ごしたか分らなくなっていた。
相変わらず、あの日を最後に彗斗からの連絡はありません。
七々星はひたすらに仕事に打ち込み、
必死になって彗斗との思い出を忘れようと努めた。
ううん、本当は忘れたくない。
星蘭はともかく、
七々星にとっては欲しくてたまらない日常の彩りと温もりだったから。
(私たちの関係にはいつか終わりがくる)
そう分かっていたつもりだったのに、
全然分かっていなかった。
結局、欲しかった日常の彩りと温もりは、突然私の前から消えてしまった。
そろそろ冬がやってくる。
世間は少しずつクリスマスモードに染まって、
夜がやってくるとイルミネーションのキラキラが彼のことを思い出させた。
やっぱり納得がいかなかった。
(あの日、彗斗に何があったのだろう)
(きっと何か理由があったに違いない)
ただそう自分自身に言い聞かせることで、
彼との出会いを、
彼と過ごした時間を、
彼がくれた彩りも温もりも、
ぜんぶぜんぶ肯定してあげたかった。
だって、もし私が全部忘れてしまったら
彗斗のことは誰が思い出してあげられるのだろう。
七々星は彗斗と出会った季節を忘れないように
秋の夜空に浮かぶ星々に祈った。
(「また、逢えますように」)
月を眺めていると、なんだか懐かしい感じがして
夜空に浮かぶ星座や星々たちが冬に替わってしまってからは、
毎晩月を眺めて過ごした。
こうやって過ごすと、ひとりぼっちじゃない気がして不思議だった。
日常の彩りはあせて、
だんだんと温もりが恋しくなることもなくなっていきました。
だけど、
どれほど時間がたって
彩りと温もりが消えてなくなっても
七々星の中で彗斗はいつまでも生きていました。
